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「ちょうどいい」が大事。(課題設定と「発達の最近接領域」)

1|はじめに


前回、「モデリングと認知的徒弟制」のコラムで、「ちょうどいいレベルの課題」が大事ですね。というお話をさせてもらいました。

では、”ちょうどいい”とは、どのようなレベルでしょうか?

今回は、「ちょうどいい」と「発達の最近接領域」をご紹介させていただきます。

効果的な段階的発達を促進するとして、そのちょうど良いレベルのことを発達の最近接領域と呼びます。


2|発達の最近接領域とは

ソビエト連邦の心理学者ヴィゴツキー(Vygotsky)が提唱した心理学理論。
英語では、「Zone of proximal development」と表記するので、「ZPD」と略されることが多いです。

レフ・セミョーノヴィチ・ヴィゴツキー
ベラルーシ出身のソビエト連邦の心理学者(1896- 934)
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


ヴィゴツキーは、子どもの発達と教育との関連を考察し、教育は子どもの「現下の発達水準」に基礎をおくのではなく、発達しつつある水準、予測的発達水準に基づいて行われるべきであるとしたそうです。


「いま、自分で出来ること。」ではなく、「もう少しで、出来そうなこと。」に着目して、それを大切にしていこうということですね。(私の見解です。)


「いま、自分一人でできること」よりも、
「自分では難しいけれど、誰かの協力やサポートがあれば、できるかもしれないこと」が発達の最近接領域ということです。

つまり課題設定の重要性は、
自分一人でできること < 誰かのサポートがあればできること

ということになりますね。

というように、
ヴィゴツキーは、教育的な働きかけは、子どもの発達の最近接領域に向けられてこそ有効であると主張したんですね。


発達の最近接領域(ZPD)


3|指導者(教育者)のポイント

  • 「ちょうどいいレベル」を見極める

  • 「適した課題」を出すこと

  • 「サポート」や「フォロー」のための「コーチングスキル」の向上


4|学習者のポイント

  • 自分に合った「ちょうどいいレベル」に気づく

  • 指導者(教育者)や友人・チームメイトなど、課題解決のための”いい”サポーターや仲間、環境を見つける

※発達の再近接領域は、課題を設定する指導者側に注目されますが、成長していく学習者が理解しておくとさらに「良い学び」になりますね。


5|エピソード

誰かの助けやヒントで解決していくという面では、チームスポーツやコミュニティの中での「3人寄れば文殊の知恵」が身近な例として挙げられると思います。(また、1つ)

「1+1+1+1+1」=5以上にしていくのが、
バスケットだと思います。

一人では解決できない、解決策が出てこない中で、「仲間と意見を出し合って乗り越えた経験」などの「プロセス」は、「結果」以上に大きな「学び」になると思います。


6|まとめ

「ちょうどいい」が大事ということ。

また、「学び」は「1人で学ぶ」だけではなく、「他者と共にある学び」「コミュニティの中での学び」も非常に重要だということですね。

そして、学習者の「学び」は「結果」だけでなく、その「プロセス」にもありそうですね。「学び」に関わる指導者は、その「結果」だけではなく、学習者の成長に焦点をあてた「プロセス」を大事にしていきたいですね。

今後もバスケットというチームスポーツと「学び」を学んでいきたいと思います。



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