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衆院選、投票先がわからない? もしあなたが奴隷でないなら……
今回は番外編です。危機感をおぼえています。たとえば、60歳近い同級生と話すと、ピントの合わない意見を言ったりするからです。「サラリーマンは政治のことはよくわからないんだよ」だと言い添えて。
政治は自分の生活のことなのにね、そう思いませんか?
★ 私が考える戦略的な投票行動 ★
10月27日、衆議院の投開票がおこなわれます。国会議員なのに国会を開くことなく──石破政権がどのような国をつくるのか示さず──、いきなり解散しました。非常に無責任ですが、市民は選挙に参加せざるをえません。
「どこに投票していいかわからない」という有権者がいるそうです。
自称国会ウォッチャーの私がお教えしましょう。
絶対投票してはいけないのは自民党と公明党です。
自公の連立政権はここ十数年で、日本をぐちゃぐちゃに壊してきました。
みなさん、棄権はダメ。白票もいけません。自公の得になるだけです。
──小選挙区
小選挙区では、自民と公明に対抗できそうな野党候補に投票します。
あなたの支持政党は忘れて戦略的に投票してください。
票が分散すると、与党に資するのです(私は野田佳彦を代表に選んだ立憲民主を支持しませんが、今回は立民の候補に投票します)。
できれば維新や国民民主は避けたい。彼らは自公の補完勢力です。
──比例代表
好きな野党に投票してください。
ただし、維新や国民民主は上記の理由でよしたほうがいい。参政党とかも、かなりあやしい。
私なら、共産、れいわ、社民あたりかな。「ずっと自民に投票してきたから今回も……」という、うすらぼんやりした人もいるそうです。今回は、自民党支持派も自民に投票しないほうがいい。悪いことしたら議席が減るんだぞ、ということを思い知らせるためです。腐敗した自民党だって少しは考えを改めるかもしれません。
──最高裁裁判官の国民審査
ダメだと思う裁判官に「×」をつけます。
各紙のアンケートを参考にしてください。(→日経新聞2024/10/7)
信任か不信任か判断できないときには、投票用紙を受け取らないようにします。
なにをやっても自公が過半数をとる日本の選挙。危機感が募り、今回は、小選挙区と比例で具体的に書きました。もちろん最終的に判断するのはあなたですが。
以下は、余談です。読まなくてもかまいません。
★ あなたは奴隷ではないか? ★
2012年以降、自公の連立政権は、大企業や富裕層を優遇し、庶民を苦しめてきました。また、ジャパン・ハンドラーといわれるアメリカのシンクタンクが求めるがまま、戦争できる国へと舵を切りました。
モリカケサクラ(森友学園問題、加計学園問題、桜を見る会の問題)や、昨年末に発覚した裏金問題など、自民党は不祥事続きです。彼らが考えているのは国民のことではなく、企業とグルになって自分たちの利権を守ることです。政治資金パーティをご覧なさい。食事も出ないパーティで政治家に資金を提供し、企業は見返りをもらうのです。時代劇でもないのに、「ふふ、山吹色のお菓子か。お主もワルよのう」みたいなことが公然と行われています。
彼らが利権を守るためには、当選しないといけません。企業はもちろん、宗教団体に魂を売ったり、裏金使って買収してまで組織票を集めるのです。
そのうえ、頭のなかの霞が晴れない一般の有権者は、政治のことなんてよくわからないと、選挙に行きません。投票率が低ければ、組織票の割合が大きくなり、庶民を苦しめる自公の候補が得をするのに。まるで奴隷です。
失われた30年、とよくいいます。
稼ぎたいやつが、自分でもっと稼ぐようにルールを変えてきました。それが新自由主義と呼ばれる、行きすぎた資本主義の正体です。非正規雇用を増やした奴が人材派遣会社を経営して稼ぐようなものです。2021年には、オリンピックで中抜きして稼ぐ会社がコロナでも中抜きしてウハウハでした。
一方、庶民はこの30年間所得が伸びず、消費税を上げられて可処分所得が減り、中間層が減って格差が広がりました。いまや五公五民。物価高が追い打ちをかけています。自公政権は庶民を殺しにかかっているのです。この窮状に際しても、「投票しても何も変わらない」とわけしり顔でいう人がいます。茹でガエルみたいなものです。
★ 自由になるために ★
文化人類学を学び、私が考えているテーマの一つはまさしく「奴隷」です。奴隷は、必ずしも自分が奴隷状態にあることを自覚しないから厄介です。金子光晴という作家の詩にこうあります。
奴隷といふものには、
ちょいと気のしれない心理がある。
じぶんはたえず空腹でゐて
主人の豪華な献立のじまんをする
先の戦争で、みんなが軍部の奴隷になったことを金子は揶揄しています。今だって似たようなもの。明治以来、官軍支配が続いているからではありませんか。日中戦争も現在も、トップに居座るのは官軍の末裔です。
ルース・ベネディクトが『菊と刀』で、日本は有史以来ずっとカースト社会だと書いています。社会に巨大な階層のピラミッドがあり、みんなが誰かの奴隷になって上位者のケツを舐めている。ピラミッドの上には与党の大物政治家や大企業のトップがいて、その上にはアメリカがいる。日本社会では上位者をけなすことはタブーです。政治家や、はてはアメリカをけなすことになるから。息苦しい社会で自分を殺し、奴隷になります。
あなたの心に訊いてください。「自分は奴隷なのだろうか?」と。
テレビから聞こえてくる「与党はひどいけど、野党もだらしがないから」「野党は批判ばかりだから」といったセリフを自分もコピペして、政治を語ったつもりになっていませんか(そもそも野党は、与党がへんな法案を出したり不祥事を起こしたら批判するものです)。
1月1日の地震に見舞われ、豪雨被害まで重なったのに、そのまま放置されている能登をご覧ください。あなたが暮らす地域が災害にあっても、同じように放っておかれることでしょう。
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ『自発的隷従論』より。
あなたがたは、わざわざそれ(註=隷従)から逃れようと努めずとも、ただ逃れたいと望むだけで、逃れることができるのだ。もう隷従はしないと決意せよ。するとあなたがたは自由の身だ。
目を醒まそう。もう隷従はしないと決意しよう。