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Be yourself〜立命の記憶I~22

◆第15章:必然の遠回り(1)

昨夜はカラオケの後、ホテルの前で固く握手をして、帰った。

案の定、私は、部屋のカードキーを持ってくるのを忘れていたので、酔っ払った状態でフロントでスペアキーを貸してもらった。

フロントマンは迷惑そうな顔をしていたなぁ。
部屋番号が書いて無かったので、8階の全部屋にキーをあてて、自分の部屋を探し出した。

私は酔っ払って、何を思ったんだろう、The Chainsmokers の「Closer」のyoutube のリンクを彼にメッセンジャーで送りつけ、「まI can stop なんですけどね」とも送ってシャワーを浴びた。


バンコク滞在の2日目。

朝6時台に目が覚めた。
タバコが切れていて、ライターが見つからない。あー、昨日のスナックに忘れてきたか?おまけに現地通貨のバーツも無い。あー、くそー。

アライズホテルの向かい側にセブンイレブンがあったので、とりあえずそこに行ってみたが、クレジットカードが使えない。日本と違うー。当たり前だけど。

昨日最初に飲んだお店の向かい側のDOUBLE TREEホテルの前まで来たら、ホテルマンの人が立っていたので、両替したいと聞いてみた。
そこにATMがあるよー、と教えてもらう。
指さされたのは、その大きなホテルの中に置いてあったATMだった。

早速入って、ATMの機械の前に立ってみる。
ん?両替?ていうか、ATMって、現金引き出す機械だよね?
見ても、全然使い方がわからない。ていうか、そもそもクレジットカードで現金って、引き出せるの?
全てがさっぱり分からなかった。
やっぱりまだ私、頭ボケボケのままなのか・・・。

とりあえず、そのホテルのフロントで、
「ライター買いたいんだけど、いくらなのか、その金額を引き出すのはどうやるのか」
と聞こうと思ってたんだけど、フロントの美人は、最初の一言を言っただけで、マッチをくれた。

目的を達成した気になった私は、みんな親切だなぁ、とニコニコしながらアライズホテルに戻る。

7時20分になって、ふと思い出した。
昨日渡した手紙、裏見たら女と居たのがバレバレだな。男ってバカだから、そういうのでバレる事分かんないんだよね。一応連絡しとこ、って思って、彼にメッセンジャーで送った。
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2016/11/1 7:20
あっ!
あのメッセージ書いた紙、
ホーチミンのスパの領収書だから、彼女に見せないほうがいいよ!

ニノ
2016/11/1 8:05
了解!


2016/11/1 8:06
朝ごはんどうするって話したんだっけ…
ごめん、帰り際覚えてなくて。。

ニノ
2016/11/1 8:06
朝食ついてなかったんだっけ?


2016/11/1 8:06
ない。

ニノ
2016/11/1 8:07
どうしようって話にはなってない

近くのフォーかな

てかバーツないんだっけ?


2016/11/1 8:08
そうなんです。タバコもライターも買いたい。

セブンイレブンがカード使えない

ヘルプミー!

ニノ
2016/11/1 8:08
使えない

ホテルで両替かな

また外の両替所はオープンしてないと思う


2016/11/1 8:09
ホテルで円から両替出来るの?

ニノ
2016/11/1 8:09
あそこ日本人が多いからあると思う

ちょっと聞いてみて


2016/11/1 8:09
わかた!

(私、自分のホテルのフロントで聞いてみた。)

ダメだった。銀行は九時からだそうで。。。

ニノ
2016/11/1 8:16
最初にビール飲んだお店の向かい側のホテルだったらヒルトン系列だから両替できるかも


2016/11/1 8:17
あ!大きいとこね。
ATMがあったんだけど、マッチ貰えて帰ってきてしまった。。

クレジットカードって、現金引き出せるの?ごめん、知らなくて。

ニノ
2016/11/1 8:19
キャッシングはできるはず。ただ利息高いはず


2016/11/1 8:19
あ、フロントで両替したほうが安くつくよね。

ニノ
2016/11/1 8:19
その方が良い


2016/11/1 8:21
よし。行ってきます!

ニノ
2016/11/1 8:21
気をつけて!
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よし行ってきます!とホテルを出た私。

道の途中でなんかクッキーみたいの売ってるお兄さんがいる。聞いたらバナナ揚げだって。
ひとかけ食べてみたいなー、そんなにたくさんじゃなくていいんだけどなー、と思って聞いてみた。

「Can I buy 1 peace??ジャストワンピース、ハウマッチ?」(1ピースだけ買えます?)
「20バーツ」

オーケ・・・あ、現金無いんだった。ごめん、あとでお金降ろしてから戻ってくるね!と伝えて、ATMのあるホテルに向かう。

フロントで、両替出来るか聞いたら、

「泊まってる客じゃねーとできねーわ」

と笑顔で言われた。英語で。(こんな口調では言ってない)

私、がっかりしながら帰った。
バナナ揚げのお兄さんに、両替できなかったから後で銀行行ってからね、と伝えた。
約束した事を必ず守ろうとする律儀な私。(ADHDの特徴でもある)

そのまま散歩でも行きたかったんだけど、Wi-Fi忘れたから、ネット使えないし、またホテルに戻らないといけなかった。

その後、部屋に戻った私は、彼に両替がダメだった事を伝えた。
そして、とりあえず待つしか無かったので、彼に連絡をしてみた。
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2016/11/1 8:41

ねー、バナナ揚げひとかけらで20バーツって言われたんだけど、
ホントに1つだけかな?伝わってるかな?

ニノ
2016/11/1 8:42
1本分でしょ
いやもっとあるはず


2016/11/1 8:43
なんか、クッキーみたいの、ひとかけらだけくれって言ったんだけど、通じてないか、これ。

ニノ
2016/11/1 8:44
無理だと思う
一袋だと思うよ


2016/11/1 8:44
ええー、そんなにいらなーい!
一人旅って難しい…
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私、ホント一人旅って向かないタイプだな・・。
次は絶対に誰かと来よう。家族とでもいいし、友達とでも。
楽しい事を一緒に共有できる仲間が居るってホント大事だよね。

そして、待つこと10分。
9時前に準備万端でホテルを出発。カードキーも持った。

ホテルを出て左に出ると、かわいいサンダル売ってそうな靴屋さんがあった。あー、ここでお土産買おうかな、って思ったけど、靴のサイズ聞かないといけないしな・・・で諦めた。

大通りに出て、左に曲がるとその先に、両替所。あった!
見つけた!見つけた!
で、ワクワクしてプリーズエクスチェーンジ、と言った私。
・・・え、パスポート要るの・・・?

私、がっくり肩を落として、ホテルに戻る。

再度、パスポート持って、両替所へ。
あれ?誰もいない・・・。

守衛さんに聞くと、どうやら朝ごはんのようだ。英語が全然聞き取れないが、ジェスチャーで分かった。

銀行が他にあるか聞くと、ここを真っ直ぐね、的なジェスチャーと1プン(ワン プン)と言っている。
よくわからんがゴーストレートね?OKと言って歩く。

歩きながら気付く。
あ、歩いて一分て事?だったのか?

大人2人が並んで歩くと狭いくらいの歩道に、たくさんの屋台が並んでいる。
わー、楽しー!色々あるー!食べたーい!
いや、でも、んー、でもまだ食欲ねーわー・・・。
てゆーか、ちょっと匂いが色々混ざって気持ち悪くなってきた。食べられないな・・・。

あ、てゆーか現金が無いんだってば!買えん!

で、ひたすら歩いんたんだけど、これが全然見つからない。
もう、教えて貰った銀行を探すのは無理だ、と思った時、大通りを挟んで反対側を見た。

あ、向かい側に緑の銀行があるぞ!

早速、その銀行に行くために渡ろうと思ったけど、横断歩道が全然無い。
えぇぇぇー、しょうがない、見つかるまで歩くか・・・。

で、更に真っ直ぐ歩く。
ちょっと疲れてきたぞ。
なんで無いの?
あ、おしゃれなカフェー♪
まだ無いの?
おぉー、いろんなお店があるなぁ。
まだ無いの?

私、結構歩いた。たぶん10分以上?

その辺りで、やっと横断歩道発見!でもやっぱ信号ねーし・・・。もー!渡れなーい!
で、他の人が来るまで待って、一緒に渡った。

はー、こっからさっきのとこまで戻るのかよー、と思ってたら、意外とすぐに銀行あった。
あれ?これ、さっきの緑の銀行じゃないな、なんか青い、と思ったけど、まぁいいや。

8段くらいの横幅の広い階段を上がると、両サイドに両替所らしきブースがあるが、閉まっている。
えーと、とりあえず中で聞いてみるか、と銀行の中へ入った。
わー、キレイだなー、今まで雑多な風景だったのが、急に先進的で近代的な雰囲気に。

人が全然居なかったから、右側の半円形のガラス張りのブースのほうに入った。

すると、黒髪ロングの超美人が、「御用ですか?」的な事をおっしゃる。

あ、ハハハハイ。そんな事よりもあなた、めちゃめちゃ美人ですね、と思って照れる私。

あ、いやいや、「両替がしたいんです」と言うと、私の左に置いてあった機械のボタンを押して、出てきた紙をくれた。

いやぁ、こんな美人が私の至近距離に来て、親切にしてくれるなんて、そうそうないよ。
これ、男だったら勘違いしちゃってご飯に誘っちゃうわね。
・・・あれ?だから私、よく男性にご飯に誘われるの??ハハハハ、なーんちゃって。
私、ここまで美人じゃない。w

さて、更に別な美人に案内されて、奥のカウンターへ。
「両替したいんですー。」と伝えて、1万円札を出した。

ここには、茶髪でロングヘアーの美人が居た。
パスポートを渡すと、カチャカチャと何か入力していた。
向かって左隣の銀行員の女性を見ると、これまた黒髪ボブカットの美人。

なんだこの国は!美人だらけじゃないかよ!
日本の男性諸君、日本でモテなかったらタイに行け!タイに!
金さえあれば、ご飯くらいは一緒に食べられるぞ!その先は頑張れ!

まぁ、そんな事を考えながら、ここにサインしてくださいませ、と美人に言われ、2箇所にサインをして、お金を受け取った。3283バーツ。
こんな美人が私を騙すハズがない。合っているか確認もせず、素直に受け取った。

・・・あれ、私、いつだったか、誰か男性に、騙された!勘違いさせるな!って怒られた記憶あるな・・・。
誘われるから、その男性と二人でご飯とか行ってたけど、友達なのに、なんで怒ってるのか全然分からなかったんだよね。

で、思い出した。
私、「だからー、僕は君のことが好きなの。分かんないの?」って言われた事ある。しかも色んな人に似たような事よく言われた。
顔を見ても全然分からなくて、「え?だって友達じゃん、分かんないよ。」って言った気がする・・・。
ねぇ、私ってバカ?

(ハッ、会社の二人の声がする。「バカよー!大馬鹿よー!!!」って・・・。)

まぁ・・・いいや。

えーと、そんでね、そんでね。(焦ってる?私)
両替できたぞー!わーい!って美人だらけの銀行を出た。
ここは私の居場所ではない。

そんで、来た道をー、って思って、右に曲がった。
さっきの道を戻る。
あれ、さっきの横断歩道はどこ?
あれ?あれ?3分くらいで・・・あ、あったあった良かった。
・・・また、渡れねーよ。誰か来てー。
あ、来た来た。さあ一緒に渡ろ。

で、渡ったけど、またあの長い道戻るのかー!
もう疲れたぞー!って思ってたら、ファミマがあった。

あ、ファミマ!たばこ買おう、って思って、お金あるかな?ってゴソゴソポーチを探す。
あ、さっき両替したばっかりじゃん、もーバカだね、私、って思ってたら、ライターが見つかった・・・。

ファミマのレジで、日本で買ったたばこを見せて、同じのは無いよね?でもメンソールがいいんだけど、あるかな?と適当な英語で聞いた。見たら分かるじゃない?

マルボロのメンソールがあったので、あ、それでいい、それで、と伝える。
レジの女の子3人は、普通に可愛かったよ。美人って程では無かったけど。
ほら、私ちゃんと美人を見る目はあるんだって。おかしくはないんだってば。
ありがとう、と言ってレジを後にしようとした時、持っていた空のたばこの箱を捨ててください、ありがとう、とジェスチャー混じりで伝えると、英語で話しかけられた。

「これってどこのたばこなの?」
「あ、これは日本のやつ。でもたぶんアメリカ製かな。」

となかなか流暢な英語で言えた私。スラスラと。伝わっていた(と思う)。
いやー、私、やっぱ英語出来るじゃん!話しかけてくれてアリガトー!!

・・・彼女たちは普通に(とても)可愛かったです。(キリッ)


さて、買えた買えたー♪とご機嫌な私。

また真っ直ぐ歩く歩く。
右手にドミノピザとかあって、ほほータイでもピザは食べれるね、と思ったり。
恐竜の広告の映画館みたいなのがあって、すごいハデで目立つから、ほほー、タイの広告屋も優秀だね、と思ったり。あ、私、広告業界に居たからね、ついそういう目線で見ちゃうんだね。

で、いや、やっぱ疲れたわ、遠いわ。
と思っていたところ、さっきのカフェが見えた。

(あ、さっきのおしゃれなカフェー♪テラス席素敵。入ろうかな?)

床が私の目線くらいの高さのテラス席には、黄色とオレンジの中間色のパラソルが5つほど並んでいる。

(ここで、私、「パラソル」の単語が出てこなくて、友達の中で一番頭のいい敬ちゃんにココ書きながらLINEで聞いた。うん、バカですよ、私ー。w)

その一つで、白人女性と男性がお茶をしている。
なんて、画になるお二人なの♪

左手の階段を登って、奥を見ると、アジアンテイストな四角いお席。ガラスのリビングテーブルが置かれていて、ラグジュアリーな4人がけの席。
そこに、使いかけの灰皿が置いてあった。
やった!たばこ吸えるじゃん、ここ!

早速、ハーイ♪と店内に入って、カウンターでメニューを見る。
あー・・・えー・・・「アイスコーヒーで」って英語で言った。
(英語のメニュー、全然分かんなかった。)

ホット?アイス?って聞かれたから、アイスプリーズって言ったけど、アイスコーヒーも通じてないのかよ・・・。私の英語やっぱダメなのだろうか・・・。

いや、その後、店内?持って帰る?みたいな事言われたから、あ、あそこの席で飲むから!たばこ吸っていいですか?って聞いたら、「シュアー」って言われたし、やっぱ通じてるって!

とにかく、プラスチックの持ち帰り用の入れ物にアイスコーヒーが入って出てきた。
(あれ?やっぱ通じてなかったか?あの席店内だよね?)

で、まぁやっとテラス席で一服。
はー、やっと落ち着いた。

で、見知らぬ土地で一人で両替をしに行った私の事を、「可哀想に俺が付いていてあげられなくてごめんね」と、心底心配しているであろう彼(してない)に、メッセージを送った。
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2016/11/1 09:58

やっと落ち着いた。w
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続き→第15章:必然の遠回り(2)

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森川愛
サポート頂けるなんて、そんな素敵な事をしてくださるあなたに、 いつかお目にかかりたいという気持ちと共に、沢山のハグとキスを✨✨ 直接お会いした時に、魂の声もお伝えできるかも知れません♪ これからもよろしくお願いします!✨✨