代表メッセージ
モリカトロンの代表、森川幸人からのメッセージ。
これまでの歩みや今後の展望など、応募を考えている皆さまへのメッセージをお届けします。
❚ モリカトロンの設立
自分はもともとAIに興味があり、1997年にAIを活用したゲームを開発しました。当時は今ほどAIが浸透しておらず黎明期だったので、技術的にチャレンジングなゲームでした。
それから時が経ち、2012年頃から「DeepLearnig(※)」が話題になってきました。私のところにもゲーム業界の方たちから「森川さん、昔AIを活用したゲームを作ってましたよね?ちょっとAIについて話を聞かせてくれませんか。」という話が来るようになりました。
そして2015年頃に、昔一緒にゲームを開発した方からから「ゲームAIビジネスを立ち上げたいから参画しないか」というお誘いをいただきました。「ゲーム業界もようやくAIの必要性について関心を持つようになってくれたんだ!」と、30年前からずっと「これからのゲームにはAIが必要だ!」と一人訴えてた身としては嬉しかったです。
最終的にその方からのお誘いは受けなかったのですが、世の中、そしてゲーム業界もAIに興味を持ってくれる時代になったんだと実感しました。
それなら自らゲームAIの研究開発に特化した会社を作ろう、どうせならAIを組み込んだオリジナルゲーム開発だけにとどまらず、ゲーム業界全体にAI技術を提供しようと考え、2017年にモリカトロンを発足させました。
❚ モリカトロンの展望
AIの活用領域は多岐にわたりますが、我々は特に“クリエイティブ領域に特化したAIの研究開発”をしています。ゲームをはじめコミック・音楽・アニメなど、エンターテインメントの世界で、作業の効率化にとどまらず、コンテンツやサービスの創造を支援する「エンタメAI」の開発と提供を目指しています。
日本が世界と闘える領域は、コミック・音楽・アニメなどエンターテインメントの世界だと思っています。少子高齢化が進む日本では、クリエイティブ現場でのAI活用は最も急ぐべき課題であり、大きな潜在的需要がそこになると考えています。
また、生成AIの成熟で、技術的にもそれが十分可能な時代になってきていて「時が来た」と実感しています。
❚ モリカトロンの強み
現在大きなゲーム会社ではAI研究チームが存在していますが、話を聞くとどこも少人数で、自社コンテンツにのみファインチューニングした技術開発をしているところがほとんどのようです。
そのような状況が多い中、われわれは多数のAIエンジニアが所属しており、エンタメ全方位に向けてのAI開発を行っています。そのため、正直いつでも人材不足です(笑)
また、うちのような特殊な会社に来てくれる方たちはとても志が高く、常にスキルアップを目指しているガッツのある方たちです。そのため、正直モリカトロンを卒業していく方もそこそこいます。モリカトロンは「会社」ではありますが、個人的には、AIエンジニア育成の「学校」でもあると考えていますので、卒業していく方たちにはエールを送っています。
❚モリカトロンが求める人材像
AIを勉強してきて、その知見、技術をエンタメ領域で活用してみたい人。
もしくは、今まで特にAIの勉強はしてこなかったけど、エンタメAI開発に強い興味のあるエンジニア志望の人。
そして、今まで特にAIの勉強はしてこなかったし、プログラムもできないけど、エンタメ領域、特にゲームへのAI活用に強い興味のあるプランナー志望の人。
そんな方が合うと思います。新卒、中途、性別、年齢、フルリモートなので住んでいる場所も問いません。
ただし、すべての募集領域において「好奇心の強い人」「探究心のある人」「行動力のある人」「未来志向の人であること」が条件となります。
❚ モリカトロンが大事にする働き方・考え方
モリカトロンでは「アイデアの前では平等」がポリシーです。誰もが立場を超えて気兼ねなく、平等に話せて、お互いの考えを尊重しあえる会社でありたいと思っていますし、実際そうしています。
また、常に「隙あらば、自分のやりたいことをねじ込む」ことを推奨しています。自分がホントに面白いと思うこと、ホントにやりたいことなら、どんどん、そのアイデアを会社に提案してくれるように頼んでいます。人は自分が好きなことに一番力を発揮できるに違いないので、そのポテンシャルを
活かせる扉は常に開いておきたいと思っています。
技術開発に関しては、「自分のやりたいこと」と「社会が求めていること」の連立方程式を解くアイデアを見つけることが大切だと考えています。どちらか一方ではダメです。
❚ 皆さまへメッセージ
我々モリカトロンは、誰も歩いたことがない道を歩いています。まだ歩き出したばかりです。はっきりゴールは見えるものの、そこにたどり着く道が完全に見えているわけではありません。
毎日が試行錯誤、仮定と検証の道中です。おもしろく且つ辛くもある「おもつらい」(by 糸井重里)道中です。AIで言えば「強化学習」のさなかです。それを危ういと思う人には向かない会社でしょうし、それを面白そう、やりがいがありそうと思ってくれる人は是非、仲間に入ってください。
❚ プロフィール
代表取締役 / モリカトロンAI研究所所長
森川幸人(もりかわ ゆきひと)
【学歴】
筑波大学芸術専門学群
【主な受賞歴】
2004年 「くまうた」 文化庁メディア芸術祭 審査員推薦賞
2011年 「ヌカカの結婚」 第一回ダ・ヴィンチ電子書籍大賞 大賞受賞
【著書】
「マッチ箱の脳」「テロメアの帽子」「ヌカカの結婚」「イオの黒い玉」「絵でわかる人工知能」「イラストで読むAI入門」(共著)「僕らのAI論」
【主な講演、出演】
CEDEC2002 「モンスターは遺伝的進化をとげられるか?」
CEDEC2008 「ゲームとAIはホントに相性がいいのか?」
AIFM2018 「ゲームAIから考える人工知能」
CEDEC2018 「ゲームAI技術20年の進化とこれから」
CEDEC2019 「AIは自分でボードゲームの勝ち方を見つけられるか?」
2009年 NHK「ワンダーxワンダー ホッケ柱」
2016年 NHK Eテレ「世界を変える魔法! アルゴリズミ子 研究所」
【主な論文】
1999年 人工知能学会「テレビゲームへの人工知能技術の利用」
2017年 人工知能学会「ゲームとAIは相性がよいのか?」
【参画会社】
モリカトロン株式会社 代表取締役
株式会社ムームー 代表取締役
【ゲーム制作】
「がんばれ森川君2号」「ジャンピング・フラッシュ」「アストロノーカ」「くまうた」「ねこがきた」等、全52タイトル
全てのゲームについて、
ゲームディレクション、ゲームデザイン、仕様設計、キャラクターデザイン、AI設計
【その他の主な仕事】
CGアニメーション制作
「アインシュタイン」「ウゴウゴ・ルーガ」(フジテレビ)