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ウクライナ侵攻におけるロシアの情報が米国(CIA)に流れたルートは?

追記(2022.4.24)

ロシア軍の情報流出に関して、決定的な情報が出てきましたので、下記記事をご参照ください!

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ロシアのウクライナ侵攻において、米国が発信する情報が非常に正確だったことが指摘されている。
その情報ルートのヒントになりそうな解説があったので、その解説の要旨とあわせて紹介する。

[国際報道2022] プーチン大統領と側近たち 軍事侵攻の決断には誰が関わった?石川解説委員がわかりやすく解説 | NHK 2022/03/09

石川一洋  NHK解説委員 2002~07 年モスクワ支局⾧ ロシア取材歴34年

【プーチン大統領の側近 6人】

ショイグ国防相 (ロシアで最も人気のある政治家の1人)

パトルシェフ安全保障会議書記 (上級大将。シロヴィキの有力者の1人。ロシア連邦英雄。タカ派中のタカ派。KGBでプーチン氏と共に働き、後継組織のFSBの長官をプーチンから引き継ぎ、1999年から2008年まで務めた)
侵攻3日前に開かれた安全保障会議で、米国の「明確なゴール」はロシアの解体だとするみずからの見解を前面に押し出した。(BBC)

ナルイシキン  対外情報庁(SVR)長官 (プーチンと共に、KGB赤旗大学で学び、KGBに所属したとされる)

ゲラシモフ参謀総長  (戦略家で「ゲラシモフ・ドクトリン」を提唱したとされる。これは戦略的目標を達成するために、軍事的、技術的、情報的、外交的、経済的、文化的、その他の戦術を組み合わせたもの)

ボルトニコフ 連邦保安庁(FSB)長官  (KGB出身のシロヴィキ

・ゾロトフ国家親衛隊長官 (プーチンの元ボディーガード)

ウクライナへの軍事侵攻を主導したのは誰?

・勿論プーチン大統領 〈ちょっとこの部分のやり取りは笑ってしまう〉

・「大ロシア主義的」(対欧米強硬派)影響力あるグループ
2014年クリミア併合時 決定に参加した人物
ショイグ、パトルシェフ、ボルトニコフイワノフ元大統領府長官(シロヴィキ:治安・国防関係省庁の職員とその出身者)

2月21日 拡大安全保障会議

ナルイシキンをプーチンが問いただす
(動画中に場面あり  2:35~3:05)
プーチンは、ウクライナ侵攻を集団で決定したことをテレビを通じて示したかった。

・ナルイシキンは、KGBのプーチンの後輩で、シラヴィキだが内政もこなせるなどプーチンから高く評価されている。

・石川氏は2年前(2020年)ナルイシキンとお茶を飲みながら意見交換。
ナルイシキン「米国との関係は最低レベルだ」「CIAとは、実務的に良好な関係を保っている。チャンネルがある」と強調。

・石川氏の推察:(プーチンの承認を得ながら)バーンズCIA長官(米国きってのロシア専門家:2005年~2008年駐ロシア大使)との裏ルートを築いて、米露首脳会談の準備をしていたか、SVRとしては別の提案を準備していたのかもしれない。

・この会議で、ゾロトフは非常に強硬な意見。(孤立主義的強硬派?)

2月27日 プーチンは、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長に核戦力を「特別態勢」に移すよう命じた

ショイグ国防相は、プーチンの側近中の側近
油井キャスター:プーチンから抑止力を特別警戒態勢に引き上げるよう指示され、渋々受け入れているように見えた。
石川氏:ショイグはロシア政治のベテラン。30年近くロシア政治の中枢にいる。プーチンの信頼も厚い。ただ軍の司令官として、核兵器の即応体制を上げろと言われれば、誰もうれしくないと思う

プーチンは、どのような情報と分析に基づいて今回の決定をしたのか

プーチンはチェチェン紛争にしても、一度決定したことは突き進み、撤退したことがないのが不安
国防省やロシア軍は、米国と戦略核の交渉などでルートを持っているので、ショイグ国防相ゲラシモフ参謀総長あたりが、プーチンに何らかの提言をして欲しい。
ただ、意見は言えるにしても、反対意見は今は言うのが難しいと思う

この解説のキモは、ナルイシキン対外情報庁(SVR)長官が、CIAとの良好なチャンネルを持ってることを示唆したことと、2月21日の会議でプーチンがナルイシキンを問いただしたことだ。

【参照】

一方、3月13日の報道では、連邦保安局(FSB)対外諜報部門トップのセルゲイ・ベセダ氏らが、侵攻が計画通りに進まなかった「懲罰」として、自宅軟禁に置かれたと伝えている。

*対外諜報をメインに担当しているのが、SVR対外情報庁)。
CIS加盟諸国(ソ連を構成していた15か国のうちバルト三国を除く12か国によって結成されたゆるやかな国家連合体)とは相互に諜報活動を行わない協定を締結しているため、CIS加盟諸国における諜報活動には、FSB連邦保安庁) が従事している。
ウクライナは、FSBが担当。


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