食事(岩手県に学ぶ薬食同源)とアロマで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策
某和漢薬研究所の研究員・某県薬草指導員・森林セラピストの経験から、自身と家族で行なっている新型コロナウイルス対策を、食事とアロマをメインにご紹介します。
対策であって、効果・効能を示すものではありませんのでご注意ください!
海藻(フコイダン)
新型コロナウイルスで問題になっているのが、急激に症状が悪化するサイトカインストーム。
昆布・ワカメ(メカブ)・モズク・アカモクなどの海藻に多く含まれるネバネバ成分の フコイダン が、このサイトカインストームを抑制するとの論文が複数あります。
*海藻に含まれるヨード(ヨウ素)の取り過ぎは、甲状腺機能の低下を招く恐れがあるので、特に女性は食べ過ぎに注意しましょう!
『過ぎたるは、及ばざるがごとし』
どんなに体に良いと言われるものでも、食べ過ぎは厳禁です! なんでも少量をバランス良く食べるのが、健康の秘訣!
海藻の抗ウイルス作用
アオサに含まれるラムナン硫酸の抗ウイルス作用
新型コロナウイルスの症状悪化原因として、血栓が報告されているが、アオサのラムナン硫酸には抗血栓作用 が確認されている。
ガゴメ昆布フコイダンの抗インフルエンザウイルス作用を動物実験において確認
新型コロナウイルスの感染者が0の岩手県は、昆布(2016年)とワカメ(2010年)の消費量が、全国でトップ!
豆腐・納豆
大豆のイソフラボンを摂取することで肺気腫の抑制、改善ができる(大阪市立大学)
浅井准教授らの研究グループは、喫煙曝露により慢性閉塞性肺疾患(COPD)を発症するマウスにイソフラボンを投与したところ、炎症細胞の減少や肺気腫の抑制効果を認めました。また、肺組織中の炎症形成に関わるサイトカイン等の上昇を抑制することも確認しました。
イソフラボンのチカラ (フジッコ)
ここで、再び 抗コロナウイルス最強県・岩手県・盛岡市のデータ!
家計調査結果から見る「豆腐購入量・金額の推移」
平成1~30年で、購入数量で22回も1位に輝いている!
納豆の購入金額も全国1位(2012年・2018年)
緑茶
お茶の効用を科学する(茶学術研究会編)
緑茶にはインフルエンザの原因となるウイルスや小児の風邪の原因となるウイルスに直接作用して、これらのウイルスの感染を無力化する成分が含まれています。茶カテキンはその代表です。インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子の表面からスパイク状に突き出した2種類の タンパク質を利用して喉や鼻腔の細胞に感染します。茶カテキンは、スパイクタンパク質に直接作用して、その働きを抑えることでインフルエンザウイルスの感染を防ぎます。茶カテキン の中でも特にエピガロカテキンガレート(EGCG)が強い作用を示すことが明らかになってい ます。
エピガロカテキンガレート(EGCG)は、熱いお湯で淹れるほど多く抽出されるので、インフルエンザウイルス予防には、熱いお茶を飲むのが有効。
茶カテキンは、インフルエンザウイルスの表面にある突起(スパイ ク)に結合し、宿主細胞表面へのウイルスの吸着を阻害して感染を防ぎます。この効果は、インフルエンザ ウイルスの型にはよらないといわれています。
緑茶を飲むことでHIV ウイルス(AIDS)に感染するリスクを下げることが、米国・テキサス州にあるシェフィールド大学とベイラー医科大学の研究により明らかに。
エピガロカテキンガレート(EGCG)と呼ばれる緑茶の成分が、免疫系細胞に最初に結合すると、HIVが定着する余地がなくなるとのこと。
梅干し
梅酢ポリフェノールによるウイルス増殖抑制作用&ウイルス不活性化作用
(和歌山県・田辺市共同発表 /和歌山信愛女子短期大学)
梅酢ポリフェノールは梅干しを製造する際に20%が梅酢として抽出され、80パ ーセントが梅干しに残存することが分かっているので、梅干しを食べることで、上記の効果が期待できます。
梅の効用 (田辺市)
農林水産省の研究で、梅エキスから血液をサラサラにする「ムメフラール」という物質が発見され、血流を改善し、動脈硬化などの生活習慣病を予防することが解ってきたそうです。新型コロナウイルスの重症化に血栓という要因があるので、梅干しも予防になりそうですね。
マヌカハニー【消化器系対策】
マヌカハニーは、ニュージーランド原産の蜂蜜です。
とても高価なので、普通の蜂蜜として使うのにはもったいなさ過ぎます。
わが家では、インフルエンザやコロナウイルス予防に、国産つまようじに絡めて、ほんの少し舐める程度です。(熱に弱いので、過熱厳禁! 熱いお茶に入れるのも、もったいない)
のどがイガイガする時に、お勧めです。
https://www.bee-lab.jp/grant/report/honey_04.html
マヌカハニーの有効成分は、MGO(メチルグリオキサール)で、MOGの数値が高いものほど、抗ウイルス作用が高いです。値段もね!
わが家では、MOG400を使っています。
https://www.bee-lab.jp/grant/report/honey_05.html
レモングラス・ティートリー・ヒバオイル(アロマオイル)【呼吸器系対策】
レモングラス
メディカル・アロマセラピー 京都府立医科大学院・今西二郎
レモングラスは、0.1%の濃度で強い抗ウイルス活性が見られ、完全にウイルスの増殖を抑えることができた。0.05%、0.005%でも抗ウイルス効果を示した。(1型単純疱疹ウイルス・試験管内)
ティートリー
ティートリーは、1%濃度のエッセンシャル・オイルで、完全にウイルスの増殖を抑えることができた。
ヒバオイル 能登ヒバ除菌剤人気 新型コロナで注目 (北國新聞)
ヒバに含まれる成分「ヒノキチオール」には抗菌や防虫効果があるとされる。日本食品分析センター(東京)などが実施したインフルエンザウイルスに対する効果試験では、3時間後に感染能力を98%減らす効果が確認された。
アロマを使ったウイルス対策
抗ウイルス作用の王者・レモングラス。香りが良いので、お洒落な電気(火を使うロウソクよりも安全・安心)のアロマポットで楽しんでいます。
ティートリーも、もちろんアロマポットで楽しめますが、本当に喉がヤバそうなときは、コップに1滴だけ垂らして、うがいをしています。(これは、使用法外なので、良い子は真似しないでくださ!。他の種類のオイルは厳禁です。)
外出時に、ティートリーをマスクの内側中央に、1滴だけ垂らしています(レモングラスだと、強すぎる印象です)。
ヒバオイルは、他の海外生産のオイルに比べれば、比較的割安なので、水道水で希釈してルームスプレーとして使っています(少量だけ作って、短期間で使い切り)。
オーガニック・オイル使用が鉄則!
アロマ・オイルは、オーガニックが鉄則です。オイルの香り成分は脳にダイレクトに影響を及ぼすそうなので、高価ですが、絶対にオーガニックを使用とのこと。(アロマセラピー学会の先生のご指導です)
アロマオイルとマヌカハニーに関しては、強い抗菌性や抗ウイルス性があるということは、体に不利益をもたらす菌やウイルスだけではなく、有益なものに対しても同様に作用するということを理解しておいてください!
従って、常用することなく、本当にヤバそうなときだけの緊急用と考えたほうが無難です。また、薬ではないので、効果効能は言えません。
*アロマに関しては、下記の学会の意見を参考に。
新型コロナウィルスに対するアロマセラピーに関しての学会統一見解(2020/01/31) 日本アロマセラピー学会
幾つかの精油には抗菌作用(抗ウイルス作用)があります。
しかし新型コロナウイルスに直接的な抗ウィルス作用を示したエヴィデンスは、当学会が知る限りではありません。
したがって、現時点では、「新型コロナウイルスに精油が有効である」とするには時期早尚であるとするのが、日本アロマセラピー学会の統一見解です。
まとめ
日本は、欧米に比べれば、新型コロナウイルスの感染者数や人口比の死亡率は圧倒的に少ない数値となっています。
本来であれば、このウイルスを体内に取り込む受容体ACE-2を最も多く持っているのが日本人と言われているので、まさに真逆の結果となっています。
これは、よく言われるように、日本人の衛生観念の高さが影響していると考えられますが、もう一つ、海藻や大豆食品、発酵食品(腸内細菌の多様性を高める)の摂取量の多さが一因と考えられます(感染者数0の岩手県・盛岡市が実証)。
日々の食事で、沖縄モズクやアオサ等の海藻類、豆腐や納豆、みそ汁などの大豆食品、漬物などの発酵食品を、無理なく適度にバランスよく(自身の体が欲する程度に)食べることをお勧めします。
新型コロナウイルス対策には、バランスの良い和食が最善ということです。
大福茶(おおぶくちゃ)
京都に古くから伝わる慣わしで、元旦に一年の幸福と健康を願って頂くお茶。結び昆布(海藻)と梅干をお茶に入れて頂きます。
平安時代、京の都で疫病が大流行した時に、空也上人が梅干しを入れたお茶を病人にふるまったところ、疫病が下火になったとのこと。時の村上天皇がこれにあやかり、毎年元旦にこのお茶を服されるようになったことから「皇服茶」「王服茶」と呼ばれました。
やがて、この習慣が庶民にも広まり、「大福茶」という縁起の良い名前に変わっていったようです。