新型コロナウイルスによる肺炎かなと思ったら、『イブプロフェン』の入った かぜ薬・鎮痛薬は、念のため飲まない方が無難！
新型コロナウイルスの肺炎に罹ったかなと思っても、なかなか検査も受けられず、結果が出るまでに時間もかかるようです。
その間、多くの人は、市販薬に頼ろうと考えると思います。しかし、特に、今回の新型コロナウイルスに関しては、初期の段階から、医師の処方なしに安易に市販薬（抗炎症剤）を飲むのは、サイトカインストーム （薬剤投与などが原因で、多臓器不全の内出血を起こし死亡する現象）や血栓による急激な悪化を避けるためにも控えたほうが無難です。
✖『イブプロフェン』は要注意！
フランスのベラン保健相は ２０２０年３月１４日、新型ウイルス感染時、イブプロフェンなど抗炎症薬服用は「悪化させ得る」とツイッターに書き込んでいた。これについて聞かれたＷＨＯ報道官は、危険性を証明する研究結果はまだなく「調査を進めている段階だ」と強調した。しかし「家で服用するならアセトアミノフェンを勧める。イブプロフェンではない」と述べた。また「専門家の処方がある時は別だ」とも指摘した。
世界保健機関（ＷＨＯ）報道官は１７日、新型コロナウイルス感染の疑いがある場合、医師の助言なしに抗炎症薬「イブプロフェン」を服用しないよう注意を促した。抗炎症作用の少ない「アセトアミノフェン」服用が望ましいという。
△『アセトアミノフェン』の方が無難？
商品例： かぜ薬 鎮痛薬 【どうしても飲む場合はこちら】
それでも、初期の段階から抗炎症薬よりも、葛根湯などの方がより無難！
微熱とともに、のどの痛みや咳が止まらない。風邪なのかコロナなのか、検査を受けるまで何とも言えない。そんな時、闇雲に手持ちの市販薬に頼ってはいけない。取り返しのつかない症状を引き起こすおそれがあるのだ。
さる薬剤師によれば、「イブプロフェンは『イブクイック頭痛薬DX』『ノーシンピュア』『ナロンエース』など多くの市販の解熱鎮痛剤に含まれていますが、これまでもインフルエンザの時にイブプロフェンを服用することでインフルエンザ脳症を引き起こすリスクがあると指摘されてきました」
その代用品としてWHOが推奨したアセトアミノフェンは市販薬「タイレノールA」「新コンタックかぜ総合」などで知られる。
浜松医療センターの矢野邦夫副院長が言うには、
「新型コロナは歴史が浅いので、投薬によってどんな作用が起きるかわかりません。副作用が少なく安全な『アセトアミノフェン』以外の解熱剤や鎮痛剤は、使いたくないのが正直なところです」
薬学博士で近畿大薬学部元教授の松山賢治氏はこう指摘するのだ。
「イブプロフェンだけでなく、新型コロナ感染が疑われた時には、同じ非ステロイド性消炎鎮痛薬（ＮＳＡＩＤｓ）であるアセチルサリチル酸を含む『バファリンA』や、ロキソプロフェンを含む『バファリンEX』『ロキソニンS』なども避けるべきでしょう」
ウイルスが体内に入ると、感染した細胞を攻撃するため、白血球などの免疫系細胞がサイトカインというたんぱく質を放出するのだが、
「NSAIDsを服用することで、この放出が過剰に起こり、免疫が働きすぎて健康な細胞まで攻撃してしまう『サイトカインストーム』を引き起こす危険があるのです。新型コロナ患者の場合は肺の組織が破壊され、肺水腫や、さらに進んで肺に穴が開き死に至ることもあり得ます」
2003年のSARS流行時、多くの若年層がサイトカインストームで亡くなっている。ゆめゆめ“素人判断”でコロナに立ち向かってはならない。
〇葛根湯などの漢方薬がお勧め！
サイトカインストーム対策としては、漢方薬がお勧め。
風邪の初期症状なら、『葛根湯』を熱めのお湯で服用。
それよりも、症状が進んだ場合は、『麻黄湯』をお湯で服用。
＊漢方と言えども油断せず、医師か薬剤師の指示に従いましょう。
葛根湯は比較的無難ですが、麻黄湯は安易に飲まないように。
〇海草類や、豆腐・納豆・味噌汁を普段の食事に！
海草類に含まれる「フコイダン」と呼ばれるネバネバ成分が、サイトカインを抑制するという論文が多数あります。
普段の食事で、適量のモズク（沖縄モズクの方がフコイダンの量が多い）、ワカメ、ヒジキ、めかぶ、岩のリ、ガゴメ昆布、アオサ、アカモク等を美味しく食べましょう。
また、大豆に含まれるイソフラボンという成分にも、サイトカインを抑制するという論文があるので、豆腐や納豆、味噌汁を頻繁に食べることも参考にしてください。
海草のフコイダンには、抗インフルエンザウイルス作用も多く報告されているので、予防にも役立つかもしれません。
日本国内で唯一、新型コロナウイルスの感染者０（４月２８日現在）を誇る岩手県の『昆布』『ワカメ』『豆腐』の消費量は、どれも全国トップクラスなのです。
【元某和漢薬研究所・研究員、元某県薬草指導員】
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