映像美への追及 / 内製と連携を重視するクリエイター集団「ufotable(ユーフォーテーブル)」とは⑦《制作部・企画演出部&シナリオ制作編》
アニメスタジオ・ufotable(ユーフォーテーブル)について解説・考察する記事第7弾。今回は「制作部・企画演出部」についてです。プロデュースや制作進行だけではなく、シナリオ制作から声優まで多方面で活躍しているufotableを支える彼らの仕事ついて紹介します(2024年6月更新)。
前回の記事はこちら↓↓↓
ufotable制作部・企画演出部とは
制作部・企画演出部はufotable設立当初から稼働している企画・制作管理部門です。2024年6月現在で48名のスタッフが所属しています。さらに細分化すると主に「制作部」「企画演出部(システム部、クレイ部、漫画班)」「コンテンツ事業部」「文芸部」の4つに別れるようです。
制作部はアニメの制作管理を務める部署であり、どの元請アニメスタジオにも必ず存在する部門です。元請を名乗るスタジオの中には、制作部門のスタッフ数人のみで活動するスタジオもあるそうです。
制作部
「制作部」とは、演出・作画・仕上げ・美術・デジタル映像部など、アニメーション制作における各部署の制作工程の管理・サポートを行う部署です。元請作品の企画管理・制作プロデュースのほか、各話数・作品ごとのスタッフ編成、参考素材準備、ロケハン、予算・納期等のマネジメント、協力会社やフリーアニメーター等との発注・交渉、原画などの発注素材回収など、現場全体を見渡して制作をコントロールしていきます。全部門を繋ぐパイプ的な部署であり、実務能力・コミュニケーション能力を求められる部署でもあります。
制作部に所属している職種は上記のような管理を担う『制作進行』という職種です。ufotableのTVアニメ作品では、2013年より制作担当協力や制作担当補佐に表記が変更され、2015年以降のTVアニメ作品では『制作話数担当』と表記されています(劇場作品では「制作進行」表記)。
制作進行とは別に各種デザイン設定について、デザイナーへの発注や設定資料の管理・運用チェックを行う職種は『設定制作』として別に表記されます。この職種は設定資料が正確に運用されているのかを確認したり、各種設定について監督と同等かそれ以上に把握して、時には会議で設定に関する意見も出さないといけないため、作品のクオリティコントロールの一端を担う大事な職種となります。そのため、話数ごとに担当が変わる制作話数担当とは違い、全話数を通して同一人物が担当することが多く、演出家の登竜門の一つともいわれています。ちなみに、設定制作は作品によっては別のスタッフが兼任する影響でクレジットされない場合もあります。
脚本に関する管理者は『文芸担当』と表記され、脚本管理のほかにも、作中に登場するプリントやラベル・ポスターなどの文章作成も行います。そのため、文芸担当を経て脚本家の道へ進む人も多く、脚本家の第一歩的な職種でもあります。
上記の職種全てを束ねる役職として、制作進行を統括する『制作デスク』と呼ばれる役職があります。ufotable作品では2004年の『ニニンがシノブ伝』から置かれている役職であり、2007年より『制作担当』と表記が変更されています。制作担当は各作品ごとに異なり、その作品において各話数の制作進行スタッフを統括しています。また、制作担当のスタッフが各話数の制作進行として参加する場合もあります。この役職が置かれた2004年から2007年までは鈴木龍氏が制作デスクを長年務めていました。その後、鈴木氏がラインプロデューサーに昇格した後は、それぞれ異なる所属スタッフが各作品で制作担当を務めています。
上記の制作部のメンバーを束ねるリーダーが『ラインプロデューサー』です。ufotableでは2007年の『劇場版 空の境界』より新設された役職であり、その後、2014年の『Fate/stay night[UBW]』からは『制作マネージャー』という表記で統一されています。ufotableでは制作マネージャーを同社設立初期メンバーである鈴木龍氏が全作品で務めており、制作部全体を統括しています。各作品の演出家や作画監督に関しては、担当話数や作品を主に鈴木氏が選定しているそうです。
ufotableでは、制作進行業務の傍らで、制作話数担当者が撮影業務の補佐やツール開発など映像制作のセクションに参加することもあります。これは、「1つの職種に縛られない」というufotableの理念からきているそうです。また、ufotableでは企画演出部や文芸部なども含めた制作部の全スタッフが事務関連や実制作管理などを通じて制作担当が担う制作進行業務をサポートしています。制作担当を除くそれらの職種は2011年以降のTVアニメ、OVA作品では「制作補佐」「協力」とクレジットされています(ちなみに、デジタル映像部のスタッフやカフェのスタッフなどもクレジットされている場合があります)。ufotable作品で「協力」というクレジット表記があり、多くの名前が記載されているのは上記の理由があるからです。
ちなみに、『劇場版 空の境界』(2007-2010)より「製作委員会」(劇場作品のみ)のクレジットに同じく多くのスタッフが表記されていますが、そのスタッフ全員が製作委員会のメンバーであるという認識は間違いないです。しかし、全員が定例会議に参加しているというわけではなくそれぞれに役割が異なり、書記や各種事務・管理業務、窓口スタッフなどが総じて、ここにクレジットされているそうです。
企画演出部
ufotableの元請作品に関連する自社グッズの企画・開発、関連書籍の編集、それらグッズの販売及びWebショップの運営、同社経営のカフェ・映画館の運営管理、イベントの企画・運営、公式HPやTwitter、Instagram、Facebookなどの運営管理を主な業務としています。以前は「企画管理部」という名称でしたが2023年後半頃より現名称に名前が変更されました。
制作進行以外のスタッフはこの部署に在籍していますが、同部署のスタッフの中には、別セクションの作業を並行して行っているスタッフもいます。また、企画演出部にはシステム部、クレイ部、漫画班の3つの部門が併設されています。
さらに、同部署にはアニメ制作スタジオとしては珍しく声優が所属しており、同社運営のカフェでバイトをしていたことをきっかけにスカウトされた女性声優の江原裕理さんが声優業と掛け持ちをしながら同社作品の制作補佐として活動しています。
システム部(企画演出部)
ufotable初期メンバーの一人である笠原健一郎氏のみが所属。同社のサーバーシステムやWebシステム関連の管理全般を務めるほか、同社が主催、又は参加するイベント関連全般の運営管理を担当しています。イベント運営管理をしている関係上、ufotableスタッフの中ではアニメ業界内で顔が知られているメンバーでもあります。この職種は2005年の『フタコイ オルタナティブ』以降、『システム・webマネージャー』と表記され、2007年以降は『システムマネージャー』とクレジット表記されています。
2023年よりシステム関連の求人に関して、『ufotable エンジニアチーム』として採用を開始。今後、更なる強化が期待できそうだ。
漫画班(企画演出部)
2003年より活動。現在は、企画演出部も統括する桧山彬氏をチーフとして活動しています。活動名義も存在しており、オリジナル作品のコミカライズでは『TARTAN CHECK(たあたんちぇっく)』と表記されています。メンバーはネーム・作画担当の桧山彬氏のほかに、漫画班のシナリオ担当であるチョン・ソダム氏が在籍。基本的に作画に関しては演出・作画部のスタッフが担当していることが多いです。チョン・ソダム氏はシナリオのほかに同社が発行する各種出版物の編集・デザインやHPのデザイン、カフェ運営を主とする韓国法人の代表取締役社長も務めます。桧山彬氏は漫画班チーフ以外にも、絵コンテ、脚本など様々な職種で活動しており、企画演出部の統括も務めています。
漫画班の作品は以下の通りです
なお、漫画班の関わらない漫画コラム作品として、メディアミックス展開をしているオリジナル企画『おへんろ。』があります。
クレイアニメーション部(企画演出部)
大堀久美子氏のみが所属。2003年の初元請作品『住めば都のコスモス荘~すっとこ大戦ドッコイダー~』から2013年の『空の境界 未来福音』まで、ufotable作品のEDアニメーション及び劇場上映前のマナームービーで使用されていたクレイアニメーションの制作全般を担当していました。
クレイアニメーションを使用する作画スタジオは日本では珍しく、この表現手法はufotableの特徴のひとつでもありました。2014年以降はクレイアニメーションを採用する機会は無くなりましたが、現在でも同社運営カフェに展示されている人形等の造形を務めています。大堀氏自身は各作品の制作協力(制作補佐)のほか、『おへんろ。』などで脚本を手掛けるなど多方面で活動しています。
コンテンツ事業部
ufotableが著作権を有するコンテンツ作品における国内外での様々な企画・展開を行う部署。他の企業を例にすると、劇場やテレビ局、ネット配信企業とのライセンス交渉や映像媒体の販売、グッズ展開に関する各企業との交渉、新たなコンテンツ展開の企画立案などを行い、国内外にその企業のコンテンツを広めていくための部門として設立されているようです。......が、ufotableのコンテンツ事業部が具体的にどのように活動しているかは、まだ知られていません。
というのも、この部門が確認されたのはまだ2018年と比較的最近であり、その時に名義のみ表記されただけで、後の作品では表記すらされていないからです。
所属スタッフとして確認されているのはufotable各地のカフェ・ダイニング店舗を渡り歩き、各店舗の店長を務めたほか、最終的には飲食部部長に就任した同社名物スタッフの一人、市川修三氏。古くからの各店舗常連客からは「コスプレおじさん」として知られるufotable内でも比較的顔の知られた人物であり、各種イベントでの司会進行も務めています。
コンテンツ事業部の具体的な活動として現在知られているのは、同社所属の声優・江原裕理さんのマネージャー業務と飲食部門のサポートのみです。
ただし、『コンテンツ事業部』という名前があるのですから、水面下でufotableのコンテンツ展開に関する各企業との交渉や企画管理などをやっているのではないかと思っています。
文芸部
旧名・脚本部。設立は2010年。所属しているのは同社設立初期よりフリーの脚本家として各作品に脚本で参加し、2010年よりufotable所属脚本家となった佐藤和治氏。活動としては同社元請作品のシリーズ構成・脚本制作、主題歌・挿入歌の作詞などを行っています。
実は、正式に文芸部に所属している脚本家は佐藤和治氏のみ。更にいえば、脚本家として様々なスタジオで活動してきた実績があるのも佐藤氏のみであり、同社で脚本執筆をしている残りのメンバーは佐藤氏から脚本制作について学んだ制作進行や企画演出部のスタッフです。
文芸部の佐藤氏と共に脚本を手掛けるスタッフは企画演出部統括・漫画班チーフの桧山彬氏、制作進行・文芸担当の高中優氏。この3名がufotable制作のTVアニメ・劇場アニメのシリーズ構成・脚本を担当するコアメンバーです。その他にufotableでは漫画班シナリオ担当のチョン・ソダム氏が漫画作品全般のシナリオを担当。クレイアニメーション部の大堀久美子氏が『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』の脚本協力や新聞連載『おへんろ。第3部』の全話脚本(途中より佐藤氏と共同)を手掛けます。
制作部・企画演出部・文芸部の5名のほかにも、ufotableで脚本を手掛けるメンバーが演出・作画部には在籍しており、恒松圭氏、栖原隆史氏、永森雅人氏がTVアニメ・OVA・新聞掲載作品にて脚本を手掛けた実績があります。
さらに、『コヨーテ ラグタイムショー』(2006)、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(2016-2017)、『活撃 刀剣乱舞』(2017)、新聞連載『おへんろ第2部』(2017-2018)のシリーズ構成・脚本に関しては代表取締役社長・制作プロデューサーの近藤光氏がほぼ全話数の脚本を担当。
同社のシリーズ構成・脚本制作に対する思想や制作体制については、別の項目で詳しく述べたいと思います。
制作部・企画演出部 クレジット表記早見表 / TVアニメ・劇場・OVAなど
ここで、制作部・企画演出部の各作品クレジット表記を記載します。
※2007年以降の作品で表記されている「協力」「制作補佐」「製作委員会」のクレジット表記は人数が多いため省きます。
※スマホ版から本記事を見る場合、表記が読みづらくなります。
「シリーズ構成・脚本制作:ufotable」とは / 企業名義でのシナリオ制作
ufotable作品で最初に『シリーズ構成:ufotable』と表記されたのは下請けとして初めてTVアニメの総グロスを担当した作品、『ヴァイスクロイツ グリーエン』(2002)。それ以降はしばらくの間スタジオ表記は無く、劇場作品の際に脚本家の名前の横に『○○○○(ufotable)』と表記される程度でした。その後、2011年より放送されたTVアニメ『Fate/Zero』にて脚本表記に『ufotable』を使用。2014年より放送された『Fate/stay night[UBW]』より『シリーズ構成・脚本制作:ufotable』表記を採用し始めました。以降はTVアニメ、劇場作品共に『脚本制作』『脚本制作・構成』『シリーズ構成・脚本制作』と表記されています。
なぜシリーズ構成が企業名義になっているのか。それにはまず、アニメの「シリーズ構成」とは何かを説明する必要があります。
アニメ制作におけるシリーズ構成とは、TVアニメ作品に置かれる職種であり、大まかにいえば以下の作業を行う人です。
大まかにいえば上記のような内容ですが、その作業方法は作品によって大きく異なり一概には言えません。例として、多くの場合は以下の通りの作業を行っています。
上記は一例であり、先に述べたように作業内容は作品によってケースバイケースです。まず、最初の『シリーズ構成案』の時点で、どれくらい細かく内容を書くのかは同じ脚本家でも作品の作風や制作スタイルに合わせて異なります(同じ脚本家でも1話Aパートを1行のみで表すこともあればAパートのみで1ページ丸々使って案を書く場合もある)。ほかにも物語の方向性を伝えるために第1話の脚本をシリーズ構成が務めることもあれば、構成会議で物語の構成のみを手掛けたら、以降の作業(脚本家の選定や脚本の執筆・監修・脚本修正など)には一切関わらない場合もあります。各話脚本家への指示も大雑把に流れだけ指定して脚本家それぞれの個性に任せることもあれば、細かく指示を出したり、ほぼ全てを修正してシリーズ構成が手掛けたも同然の脚本になることもあるらしいです。作品によってもシリーズ構成が実質の原作者となりシナリオ全てを主導することもあれば、監督やプロデューサーの発注をそのまま反映するだけの「アイデアのまとめ役」に徹するのみであることも。たとえ、制作スタジオや監督、脚本陣が全て過去作と同じであっても、製作委員会の方針や作品の作風、制作スタイル次第でその手法は全く異なるのです。
ここまで読むとわかると思いますが、物語のシナリオは決してシリーズ構成を担当する脚本家のみで手掛けることはありません。監督やプロデューサー、製作委員会の各企業のプロデューサー、そのほかの主要スタッフたち、時には原作者・原作編集者などとも協議して物語を練り上げていきます。つまり、作品にもよりますが事実上の共同執筆状態なのです(なのでシナリオの良し悪しにシリーズ構成自身の腕前がどの程度重要な要素になるかは作品の制作体制次第ということです。そもそも、コンテ以降の工程で演出家がシナリオに手を加えることもありますし)。
さて、では本題の『なぜシリーズ構成がufotableという企業名義になっているのか?』ですが、結論から言えば『監督、プロデューサー、脚本家、主要スタッフ陣らと協議しながら共同で構成を手掛けている。そのメンバーが全員、ufotable所属スタッフだからチーム名として企業名を採用している』ということです。もちろん、そのメンバーにはスタッフ全員の意見をまとめて文字にまとめる、一般的に「シリーズ構成」としてクレジットされるタッフもいますが、その点については後述します。
監督・プロデューサー・脚本チームなどがシナリオを協議して、それを脚本家がまとめるという体制自体は一般的な制作スタイルと変わりません。しかし、そのメンバーが同社に所属しているスタッフ陣であるため、シリーズ構成に企業名義を採用しているのです。
アニメスタジオに脚本家が在籍している例は多くありますが、基本的には、フリーの脚本家を集めたり、脚本専門のスタジオに依頼する作品がほとんどです。しかし、ufotableでは2011年の『Fate/Zero』以降、2010年に設立した脚本部(現・文芸部)を中心とした社内脚本チームを全作品で結成しています。同社設立最初期から脚本に参加し、2010年に正式に所属スタッフとなった佐藤和治氏を中心に、2011年以降は基本的に所属するスタッフで脚本を手掛けます。
所属スタッフ中心ではありますが、2011年以降の作品でも外部の脚本家が各話脚本で参加した事例はあり、初めて社内脚本チームでシナリオを制作したTVアニメ『Fate/Zero』ではゲームシナリオライターである実弥島巧氏が同作と劇場作品である『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』(2013)にそれぞれufotableとの共同脚本(『ufotable & 実弥島巧』)という形でサポートに入っています。また、『活撃 刀剣乱舞』(2017)では同作の原作作品に関わるシナリオライター・鋼屋ジン氏とフリー脚本家の関根アユミ氏が、それぞれ1話ずつ脚本で参加しています。
上記以外の作品では2011年以降、社内脚本チームを中心に構成・脚本を手がけます。それ以前の作品では金月龍之介氏と平松正樹氏、前述の佐藤和治氏の3名が主に手掛けていました。これら脚本の歴史については次の項目で。
では、社内に脚本チームが常駐していることの利点は何でしょうか?常駐の脚本チームでシナリオを手掛けることの利点は以下が予想されます。
まず、社内に常駐脚本家がいることにより、一からシリーズ構成や脚本家を探したり、スケジュールを確保する必要がなくなります。その浮いた時間で企画を早く進行することができ、作業期間の確保につながります。また、脚本家が社内に常駐しているため、監督などの主要メンバーと常に意見を交わしながら社内で構成や各話脚本を執筆できます。各種会議の日程も、常駐脚本家であれば通常のシナリオ会議から緊急の会議も含め、すぐに日程を組むことができます。さらに、通常の脚本家が関わらないコンテ以降の作業でも台詞の新規書き下ろしなど、追加作業をスムーズに行えます。このように、シナリオ作業全体の効率化が図れるのが社内脚本家の魅力の一つです。
また、社内にシリーズ構成・脚本担当者がいることで、各スタッフが常にシナリオについて確認を行うことができ、スタッフ全体の価値観の共有がより密に行えることも魅力だと思います。もちろん、特定のスタッフのみによるシナリオ制作にはデメリットもありますが、この作業スタイルがufotableの円滑な作業スケジュールに繋がっていると感じます。
ちなみに、ufotableの設定・構成・脚本制作では、原作となる作品の原作者&編集者(原作が小説・漫画の場合)、ゲーム開発陣(原作がゲームの場合)に設定監修やシナリオ会議への参加を依頼しています。また、ときには設定やシナリオだけではなく絵コンテ等の監修を依頼することもあります。
現在の日本のアニメでは原作関係者がアニメ関連の監修することは然程、珍しいことではないです。むしろ、「原作者がアニメ制作にどこまでかかわるべきか?」が問題となることも多いほどです。その考え方については人それぞれ、作品それぞれあるでしょうが、ufotableの場合は作品を問わずに原作付きの作品であれば必ず原作側に「一緒に作りましょう!!」とアプローチをかけます。
なぜ、ufotableは原作関係者と一緒に作品を作りたいと思うのか。それは、『原作作品を第一に尊重し、ファンだけではなく原作者側に「観たい!」「アニメになって良かった!」と言っていただける作品を制作する』という理念からきているそうです。この理念は設立当初からあるもので、その甲斐あってか、初期からの作品も含め原作者や各企業プロデューサー陣とは今でも親交があるとか。「ベストカップル」と原作側本人たちが言うほどの関係を築いた奈須きのこ氏&武内崇氏らTYPE-MOONとも、当初はアニメ企画を完全に任せて関与しないつもりでいた奈須氏を半ば強引に脚本会議に参加させたことが、今日までの関係に繋がっています(奈須氏自身も作品の映像に感動して『空の境界 未来福音』を執筆したほど。)
社内チームによる挿入歌の作詞作業
ufotableといえば、2019年に『鬼滅の刃』の挿入歌『竈門炭治郎のうた』の作詞を担当したことで話題となりました。そのとき、「アニメスタジオが作詞をやるなんて珍しい」という話しが広がっていましたが、ufotableが作詞を担当した作品はこれだけではありません。古くは2005年の『フタコイ オルタナティブ』より、2023年までに12作品で、15曲の主題歌、挿入歌の作詞を手がけました(スタッフ個人の名義を含む)。これは音楽にこだわる傾向にあった近藤光社長の意向が大きかったのだと推測されます。
ちなみに、他にもufotable作品の音楽の特徴として、
以上の点が挙げられます。また、2005年以降は作詞以外にも楽曲を映像に合わせて制作する「フィルムスコアリング」をTVアニメ作品に積極的に採用したり、作品内で音楽ユニットが結成されたり(Kalafinaなど)、音楽関連には一層のこだわりがあるようです。
ufotableの脚本の歴史 / 外注から内製へ
ここからはufotable作品のこれまでの脚本の歴史について触れていこうと思います。『鬼滅の刃』よりufotable作品に触れた人は「なぜ脚本名義がufotableで、個人の名前が無いのだろう」という疑問を持つ人もいるみたいです。ですが、実は各話脚本の個人名義が全話数で明かされていないのは『鬼滅の刃』シリーズのみ。他の作品では誰が「どの作品」「どの話数」の脚本をやっているのかは、ほぼすべてクレジットされています(一部、SPアニメなどではクレジットされていない作品もありますが、そちらもインタビュー等で明かされています)。つまり、『鬼滅の刃』のみが特殊なクレジット表記だったのです(前述の通り、シリーズ構成に関しては2011年以降、ufotableで表記されているのみです)。
では、そんなufotableの脚本の歴史について、
上記の3つの時代に分けて解説していこうと思います。
ufotableの脚本の歴史 / 初期:金月龍之介氏時代(2000年~2007年前期)
まずは創立から同社の転換期となる2007年までの初期のufotable作品から紹介します。初期のufotable作品を語るうえでまず欠かせないのが、アニメーション監督のまついひとゆき氏と脚本家の金月龍之介氏のコンビ。この2名は2004年までのコメディ路線であったufotableを支えた監督&脚本家です。
まつい氏はufotable初のTVアニメ全話グロス(下請け)担当作品である『ヴァイスクロイツ グリーエン』(2002)にて監督を務めて以降、初元請作品であるTVアニメ『住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー』(2003)、『ニニンがシノブ伝』(2004)、初OVA作品である『蒼い海のトリスティア』(2004)まで、設立からオリジナル路線に入る手前の2004年までの初期のufotable作品すべてで監督を務めました。まつい氏はその後も、『コヨーテ ラグタイムショー』にてOPコンテ・演出としてかかわっています。これらの作品に深くかかわった脚本家が金月龍之介氏です。
深くかかわっていたと書きましたが、実際には金月氏だけではなく、彼と一緒に現・ufotable所属脚本家の佐藤和治氏も、当時はフリーの脚本家として数々の作品に関わっています。
金月氏と佐藤氏は『ヴァイスクロイツ グリーエン』(2002)にて共同で脚本を務めました。この時は佐藤氏が7本、金月氏は4本の脚本を担当しており、佐藤氏主導の体制だったのかなと感じます(シリーズ構成はufotable)。OVA『蒼い海のトリスティア』(2004)は佐藤氏が脚本を担当しています。
金月氏は『住めば都のコスモス荘 すっとこ大戦ドッコイダー』(2003)より、ufotableのメイン脚本家として本格的に参加しました。この作品でも金月氏と佐藤氏が共同で脚本を担当していますが、金月氏が6本、佐藤氏が4本で金月氏主導の体制だったことが予想されます(シリーズ構成は立てられていません)。『ニニンがシノブ伝』(2004)からは金月氏がシリーズ構成・全話脚本を担当しました。
そして、オリジナル路線に入った2005年から2007年、金月氏は『フタコイ オルタナティブ』(2005)、『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』(2007)にてシリーズ構成・脚本を担当。オリジナル路線期の2005年から2007年までのufotable作品のシナリオを支えました(オリジナル路線期は近藤社長、現・徳島スタジオ統括の野中卓也氏、2015年まで所属していた平尾隆之氏らが各作品で監督やディレクター職を務めています)。
更に細かく見ていくと、『フタコイ オルタナティブ』では共同脚本も含め全話数で脚本も担当(本作は一応原作となる設定はありつつも、ほぼufotableによるオリジナル設定・シナリオで物語が展開される意欲作となっています)。『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』でもほぼ全話数で脚本を担当しました。さらに、『テイルズ オブ』シリーズのOVA作品『テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION』(2007~2012)でシリーズ構成・全話脚本を担当。金月氏のufotableにおける最後の大仕事となりました。
2007年までの間には金月氏、佐藤氏による脚本作品以外にも、同社代表の近藤光社長がシリーズ構成・脚本を務めた『コヨーテ ラグタイムショー』(2006)という作品もあります。本作は第1話&第2話の脚本を金月氏が担当。以降は2話数ほど佐藤氏と共同脚本を務めつつ、近藤社長が”逢瀬祭”名義で脚本を担当しました。本作以降、近藤社長は2014年まで脚本に関しては執筆していません。
以上のように、金月氏はコメディ路線(設立~2004)からオリジナル路線(2005~2007前期)がメインであった頃のufotable作品を支えた脚本家です。初期作品のシナリオ構成は金月氏の要素も強く出ており(オリジナルに関しては近藤社長の要素も濃いですが)、そこに佐藤氏が助っ人(時にメイン)で参加する体制でした。コメディだけではなく挑戦的なオリジナル作品の多かった2007年までのufotable作品。個人的には、この時のような作品をまた見てみたいところです。
ufotableの脚本の歴史 /中期:平松正樹氏時代(2007年後期~2011年前期)
ufotableに所属する古参スタッフたちが声を揃えて「ufotableの転換期」と語る時代があります。それが、2007年後期から2011年前期までのufotable作品です。
2007年末、『劇場版 空の境界 全8章』(2007~2010)の順次公開が開始されました。本作は、ufotableがアニプレックスやTYPE-MOONと初めて組んだアニメーション作品で、本作でufotableの方向性や制作体制が決定づけられたほか、その後のアニプレックスやTYPE-MOONの展開にも大きな影響を与えています。
そんな本作より2011年までの4年間、ufotableで脚本を担当したのが、ゲームシナリオライター・平松正樹氏。各章で監督の違う本作のシナリオのまとめ役として、作者・奈須きのこ氏にすら難解と言われたシナリオを監督らと共に映像向けに再構成しました。
平松氏は『劇場版 空の境界 全8章』(2007~2010)の脚本のほか、OVA版『トリコ』(2009)、OVA『みのりスクランブル!』(2011)、コミカライズ版『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』(2006~2008、14話から参加、金月氏と共同)と、2007年から2011年の『Fate/zero』が放送される直前までのufotable作品のメインシナリオライターを務めました。『空の境界』の脚本制作時はufotable社内に入り活動していたそうですが、所属というわけではなくフリーライターとしての参加でした(そのため、他社のゲームシナリオなどにも同時期に参加しています)。
また、この時期は当時所属していた演出家・平尾隆之氏が本格的に監督業をスタートさせた時期でもあり、現在もufotable CINEMA限定で上映している映画『桜の温度』(2011)、OVA『ギョ』(2011)と自身が監督を務めた作品で脚本も担当しています。また、当時はOVA作品『百合星人ナオコサン』(2010~2011)を制作するためにアニメーターの竹内哲也氏が一時的に常駐しており、脚本のほか、監督・キャラクターデザイン・絵コンテ・演出・作画監督・原画をすべて一人で担当しました。ほかにも、2007年から2015年までufotableで制作進行を務めた吉田晃浩氏が『ギョ』で平尾氏と共同脚本を務めたほか、後に『Fate/Zero』(2011~2012)にも共同脚本で参加しています(基本は制作進行業がメインで脚本作業はお手伝い程度だったとか)。
以上のように、『劇場版 空の境界』をメインにufotableの転換期となった2007年後期~2011年前期は平松正樹氏が脚本を務め、同時期に平尾隆之氏が監督・脚本としての経歴をスタートさせた期間となりました。この時期にufotableのシリアス・アクション路線が定着していきます。平松氏は現在、本業であったゲームシナリオや漫画原作をメインに活動しており、『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズにも参加しています。
ufotableの脚本の歴史 /佐藤和治氏(文芸部)&ufotable内製時代(2011年後期~現在)
ここからは、ufotable内製のシナリオ体制へと移行した2011年後期から現在までの脚本の歴史を紹介します。
まず、シナリオの内製化に伴い、設立から現在まで、脚本で何度も参加していた佐藤和治氏が2010年よりufotable所属となり、ufotable社内に新たに脚本部(現・文芸部)が設立されました。佐藤氏はufotable作品のメイン脚本家として脚本を手掛ける傍らで、制作部・企画演出部のスタッフから新たに脚本担当を選定して育成を始めます。
文芸部設立後、ufotable脚本チームの第一作として制作されたのが2011年放送のTVアニメ『Fate/Zero』です。本作では全話数を通して4名のスタッフが共同脚本としてクレジットされています。エンディングクレジット表記では『脚本:ufotable(佐藤和治、桧山彬、吉田晃浩)and 実弥島巧』と表記されています。メイン脚本は佐藤氏。サブライターとして、企画演出部統括&漫画班チーフの桧山彬氏が本作よりアニメ脚本に初参加。さらに前の項目でも書いたように、当時所属していた制作進行の吉田氏かサポート役で参加しています。そして、新設された脚本部のサポートとして、フリーのゲームシナリオライター・実弥島巧氏も本作に参加しました(実弥氏は本作以外にも『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』に参加しています)。
2013年からは徐々に活動が軌道に乗り出し、佐藤氏は劇場作品『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』で平尾氏や実弥氏と共同で脚本を手掛け、同作の前日譚となるノベライズも佐藤氏が単独で担当しました。一方、桧山氏も同年に『劇場版 空の境界 未来福音』で単独脚本を担当。以降、本作の監督・須藤友徳氏とタッグを組むことになります。
このように、2010年の設立から2012年までに体制を整えた後、2013年の作品より、本格的にufotable内製による脚本制作がスタート。2014年よりクレジット表記も、『シリーズ構成・脚本制作:ufotable』となりました。
ここからは脚本チームの活動が本格的にスタートした2013年以降、ufotable作品のシナリオを手掛けた4名の所属メンバーの担当作品を紹介します(なお、近藤社長は脚本チームとは別で紹介します)。
佐藤和治(ufotable文芸部所属)
まず一人目はufotable文芸部の唯一のメンバーである佐藤和治氏。前述の通り、ufotable設立時から多くの同社元請作品に脚本で参加していた脚本家であり、ufotable所属の脚本陣の中では唯一、他のスタジオ作品でシリーズ構成や脚本を手掛けた経歴があります。活動歴も文芸などで下積み後、1999年から業界内で脚本家として多くの作品に参加しており、経歴の長いスタッフです。
佐藤氏の2010年以降の仕事内容は、『Fate/Zero』(2011-2012)全話数共同脚本、『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』(2013)の共同脚本&ノベライズ小説執筆、『Fate/stay night[UBW]』(2014-2015)22/26話分の脚本を担当。その他、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(2016-2017)の脚本協力、『活撃 刀剣乱舞』(2017)の第10話共同脚本、徳島新聞連載作品である『おへんろ。第3期』(2018-2020)の共同脚本を担当。脚本作業以外では、制作進行補佐の仕事も請け負っているようです。
上記の内容から、『Fate/Zero』と『Fate/stay night[UBW]』に関しては、佐藤氏がメインライター的立ち位置でほとんどの脚本を手掛けていると思われます。また、唯一の本業脚本家&文芸部所属という立場から、恐らく2010年以降の多くの元請作品で佐藤氏かシリーズ構成的な立ち位置で各スタッフの意見を文字でまとめているのかなと思っています(近藤社長がメイン脚本を務める作品以外ですが)。
桧山彬(ufotable企画演出部統括・漫画班チーフ)
続いては企画演出部の統括であり漫画班チーフも務める桧山彬氏。ufotableの古参スタッフの一人で元々は制作進行補佐のほか、絵コンテクリーンナップ(ラフ絵コンテの線を整える作業)や漫画班の統括・ネーム・作画などを担当していました。
杉山氏の初脚本は『Fate/Zero』(2011-2012)。佐藤和治氏の監修のもとで全話数の脚本を佐藤氏らと共同で担当しています。その後、須藤友徳監督の初監督作品『劇場版 空の境界 未来福音』(2013)にて、2作目にして初の単独脚本を務めました。以降、『Fate/stay night[HF]』(2017-2020)全三章にて脚本&各章パンフレットのドラマCD脚本を務めるなど、須藤監督作品の全てで脚本を担当。須藤監督の伝えたい想いや、彼を通してみる奈須ワールドを文字で表現しました。
桧山氏の担当した脚本作品は、特にTYPE-MOONファンからの評価が高く、恐らくufotableの脚本家の中では一番名前を知られているかもしれません。桧山氏は他にも『Fate/Zero』や『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス 』で絵コンテを担当。今後、脚本、演出の双方での活躍が期待されるスタッフです。
高中優(ufotable制作部所属)
3人目は高中優氏。専門学校卒業後、2006年12月にufotableに入社。2007年より制作進行として各作品に参加しています。元々はアニメの編集を志望していましたが、『コヨーテ ラグタイムショー』第1話をみて作品の面白さに惹かれ、制作スタジオを調べたところ色々な挑戦ができる可能性を感じ入社したとのこと。
入社後は『セイクリッドブレイズ』(2009)でゲーム内アニメーションの編集も経験したそうですが、「このまま制作の仕事を続けていきたい」という想いから、その後も制作の仕事を続けています。
『Fate/stay night[UBW]』(2014-2015)より脚本専門の制作進行である文芸担当になり、以降、脚本面にも関わるようになっていきます。
『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(2016-2017)では脚本協力として全話数に参加。そして、『衛宮さんちの今日のごはん』(2017-2019)にて全話数の脚本を初めて担当しました。全話数といっても近藤社長との共同名義となっており近藤社長のサポートの元で初脚本を努めた形になります。
新人脚本家として進みだしたばかりの高橋氏。今後のufotableのシナリオを支える一人になってくれそうです。
チョン・ソダム(韓国法人代表取締役社長、企画演出部・漫画班所属)
4人目はチョン・ソダム氏。2010年よりufotable企画演出部で活動しており、各作品で制作補佐としてサポートもしています。ufotableでのメインの仕事は、ufotableのHPや各種印刷物のデザイン全般をメインに担当。ufotableが発行する出版物の編集者でもあります。また、カフェを運営する韓国法人の代表取締役社長も兼任するなど、かなり多忙なスタッフの一人です。
そんなソダム氏、漫画班にも在籍しており、2012年より漫画班のシナリオ担当を務めています。作品としては『Fate/ゼロカフェ』(2012-2014)や『Fate/ステイナイトカフェ』(2014-連載中)などアニメ誌に月刊連載するコミカライズ作品のシナリオを長年担当。
シナリオ以外にもufotable著書の小説で挿絵イラストを担当するなど様々な作業を兼務するな多才な人物です。メインで手掛ける脚本は漫画連載のみですが、映像作品だと『Fate/ゼロカフェ』の映画館限定上映作品の脚本も担当した経験があり、もしかしたら今後、アニメーションの脚本も手掛けていくかもしれないですね。
以上の4名が、2011年以降、近藤社長がシリーズ構成・脚本を担当する作品以外で構成・脚本を手掛ける脚本チームのメインスタッフです。最近ではクレイアニメーション担当であった大堀久美子氏も、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(2016-2017)の脚本協力や新聞連載『おへんろ3期』(2018-2020)のメインライターを務めています。今後も、制作部・企画演出部から新たな脚本家が誕生するかもしれません。
ほかにも、ufotable演出・作画部から脚本に参加しているスタッフは多く、前述した平尾隆之氏(2016年まで所属)は自身の監督作品である『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』(2013)や『GOD EATER』(2015-2016)で共同脚本を務め、ufotableの副監督的立ち位置の演出家・恒松圭氏も『GOD EATER』で平尾氏と共にほぼ全話数の共同脚本を手掛けています。長年、同社に所属し、近年もufotable作品に参加している三浦貴博氏は限定公開された短編アニメーション『アニメ店長×東方Project』(2010)にて監督・脚本を務めたほか、『Fate/stay night[UBW]』(2014-2015)の一部話数の脚本、『衛宮さんちの今日のごはん』(2017-2019)の一部話数の脚本を担当。ほかにも、演出部の栖原隆史氏は『活撃 刀剣乱舞』(2017)で一部話数の共同脚本、徳島スタジオ所属のアニメーター・永森雅人氏は徳島新聞連載『おへんろ 第1期』(2013-2017)の脚本を手掛けています。
さて、上記でも少し触れましたが、社長の近藤光氏も2014年放送のTVSP版『テイルズ オブ ゼスティリア 〜導師の夜明け〜』にて、2006年以降では久しぶりの脚本を手がけました。そして『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』(2016-2017)にて全話数のシリーズ構成・脚本、『活撃 刀剣乱舞』(2017)のシリーズ構成・メイン脚本を手がけています。さらに、漫画連載作品『おへんろ 2期』(2017-2018)の全話シナリオも担当、『衛宮さんちの今日のごはん』(2017-2019)では高中優氏の脚本をサポートするなど2016年から2019年まで脚本家として活発に活動していました。脚本を活発に手掛けていた理由としては、「スタッフが映像にしたいと思える作品を提供したい」という想いがあったそうです。
ここまでufotableに所属する脚本陣を紹介しましたが、脚本が内製となった2014年以降も外部脚本家が参加した事例があります。それは『活撃 刀剣乱舞』(2017)にて、原作ゲームに関わるニトロプラス所属の鋼屋ジン氏、フリー脚本家の関根アユミ氏がそれぞれ1話ずつ参加(関根氏は栖原氏と共同)しています。鋼屋ジン氏の参加についてはニトロプラスが『活撃 刀剣乱舞』の設定制作に参加していることが影響しています。このように、現在のところ1作品のみですが外部から脚本家が参加することもあります。
さて、ここまで見ていただくとわかると思いますが、ufotable作品の各話数各劇場作品の担当脚本家は基本的にすべて公開されていました。それでもネット上で「ufotableの脚本家って誰?」となるのは、シリーズ構成名義がufotableだからという点が一つ。そして、ufotableの知名度が一般にまで知られるようになった『鬼滅の刃』シリーズにて、各話脚本名義もufotableで統一しているためだと思われます。この措置は恐らく『鬼滅の刃』のみだと思われますが、これからどうしていくのかにも要注目ですね。
改めて、ufotableのアニメーション脚本の歴史をまとめると
このようになります。こうして振り返ると時代ごとの作風がシナリオからも感じ取れそうですね。
そして、今後のufotableのアニメーションのシナリオは、
佐藤和治氏を中心として、この3名が支えていくのかなと感じます。そこにコミカライズ担当のチョン・ソダム氏や大堀久美子氏も参戦する可能性がありますね。ほかにも、所属演出家の恒松圭氏や栖原隆史氏などが参加作品で脚本として参加していく形になりそうです。
今後、制作部・企画演出部や演出家を問わず、脚本を手掛けられるスタッフが増えていきそうです。
一人だけの制作プロデューサー / 今後の変化は?
【2021年3月記載】
ufotableでは設立から2020年現在まで、創設者の近藤光社長が経営からプロデュースまでの全てを統括していました。所謂ワンマン経営です。ただ、近藤社長が他と違うところは、作品の脚本や絵コンテ・演出にも直接関与するクリエイターでもあるということです。これまでも監督やコンテ、時には音響監督まで、幅広くかかわっています。特に、音響・音楽面へのこだわりは強く、TYPE-MOONの奈須きのこ氏、武内崇氏が各作品の陰の功労者として近藤社長の名前を挙げているほど、細かなところまで手掛けているそうです。その他、社員の育成や内製化路線の強化など様々な施策を打ち出しており、ufotableを語るうえで避けては通れない人物となっています。近藤社長が総監督をつとめた『フタコイ オルタナティブ』は個人的に今でも胸に深く刻まれる傑作ですし、シリーズ構成・全話脚本を務めた『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』も毎週楽しく視聴しました。
「ufotable作品に近藤光あり」と言っても過言ではないほどに、2020年までの全ての作品で近藤社長はクリエイターとしても重要な人物です。
そんな近藤社長ですが、2020年6月に東京地検より脱税容疑で告発されました(報道自体は2019年3月)。このニュースはファンとしてもショックでしたが、信じてついてきたスタッフが一番ショックだったでしょう。実際に、最初に疑惑が報道された2019年3月末を境にufotableを退社したと思われるスタッフも複数人います(時期的な要素からの予想ですが、中にはそのことについてツイートしていた元スタッフもいます)。近藤社長はufotableを成長させた一流のプロデューサーであり、その功績は今でも凄いと思っています。しかし、この事件に関してはファンだけではなく、作品やその関係者、そして自社の社員にとっても裏切りに等しい行為だったと思います。その責任はしっかりとってほしいと考えています。
所属スタッフ(全体)
制作部・企画演出部・文芸部には2024年6月現在、48名のスタッフが所属しています。
制作部・企画演出部・文芸部に所属する48名のうち、10年以上活動しているベテラン・中堅組は15名、5~10年間活動してきた中堅組は6名在籍しています。あとのスタッフは『鬼滅の刃』制作時~以降に入社した所謂若手スタッフです(そのほか、他社からの移籍組が多数)。
今回は各部門をまとめているベテラン組のメンバーや中堅組を中心に紹介していきます。
制作部(所属スタッフ)
・鈴木 龍(すずき りゅう / 制作マネージャー)
ufotable初期メンバーの一人。当初はCGスタッフとして入社しましたが、当時のufotableの方針である「全員が制作進行の技能を身に着ける(各セクションの仕組みを学ぶため)」という方針の元、制作進行業務も兼任。その後、設立されたばかりの撮影部で撮影・CGスタッフとして活動しながらも、制作進行・制作デスクとしても作品を支えていました。
2007年『劇場版 空の境界』よりラインプロデューサーに就任。以降はラインプロデューサーとして現場を統括。当時は制作部に人が足りておらず、鈴木氏がラインプロデューサーを務めながら制作進行としても複数の話数の制作を掛け持ちしていました。その後、制作部のスタッフが拡充したことに合わせ、2014年から役職名を制作マネージャーに変更。以降は、ufotable制作部全体の統括をしています。
各話・各作品のコンテ・演出、作画監督の配置を決める役割を担っており、制作進行に業務を渡す段階で既に担当が決まり絵コンテも完成していることがあるとか(監督を担当するスタッフの決定権も含め、決定権は近藤社長と鈴木氏の両名にあるらしいです)。設立当初からのufotableを知っている数少ない人物であり、ufotableの大黒柱の一人といっていいでしょう。
・中澤 匡佐(なかざわ きょうすけ / 動画スタッフ管理)
ufotable初期メンバーの一人。ufotable設立前よりAICで制作として活動しており、業界における活動歴はufotableの中でも近藤社長や脚本担当の佐藤氏に次いで長いです。設立時より2010年代前半まではufotable作品のほぼ全ての作品で設定制作を担当。2013年以降は後進に役割を譲っており、現在は新人育成のほか、作画部の動画メンバーの管理を担当しています。
ufotableのベテランスタッフ陣の中にはAIC出身も多く、中澤氏の在籍も影響しているのかなと思っています。
・近藤 亮(こんどう りょう / 人事担当)
2006年よりアニメスタジオ・東京キッズで制作進行として活動。同社ではufotable作品のグロス回にて制作進行を務めました。その後、東京キッズの倒産をきっかけに2008年よりufotableに移籍。以降、ufotableにて制作進行として活動。制作担当(制作デスク)としても複数の作品を担当しており、各作品の制作現場を鈴木氏と共に取り仕切ることも多いです。現在は東京スタジオの人事担当も務めています。
人事担当として、各専門学校の就職説明会やイベントの講演会でufotableについて話す機会も多く、メディアへの露出は制作部内でも比較的多いです。ちなみに近藤社長との血縁関係は一切ないです(本人もネタにしている)。
ちなみに、中央大学国際情報学部の非常勤講師も務めている。
・高中 優(たかなか すぐる / 脚本・制作進行)
映画の専門学校を卒業後、2006年12月にufotableに入社。元々は編集志望であり、ufotableに編集部門はありませんでしたが、ufotableのHPをみて面白そうと感じて入社したとか。
入社後は『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』より制作進行として活動を開始。2009年~2012年前後にはゲームアニメーションの編集も担当できたとのこと(『セイクリッドブレイズ』で編集を担当したほか、同時期に編集がゲーム内でクレジットされていない『Fate/stay night [Réalta Nua]』OPアニメーションでも編集を担当している可能性があります)。ufotableで制作進行を経験してきた経緯から制作としての仕事にもやりがいを見出したとのことで、将来的にプロデューサーを目指すのもいいかもとインタビューで答えています。
そして、2014年より『Fate/stay night[UBW]』にて文芸担当となり、脚本陣を陰で支えています。その経験からか、Web配信『衛宮さんちの今日のごはん』(2017)にて全話の共同脚本を担当。今後もufotable出身の脚本家としての活躍が期待されます。
・松本 秋乃(まつもと あきの / 制作進行)
マッドハウスの制作出身。2012年頃よりufotableに入社。現在は『鬼滅の刃』シリーズにて制作担当として活動しています。
・戸田 隆志(とだ たかし / 制作進行)
2013年頃にufotableに入社。『衛宮さんちの今日のごはん』にて近藤亮氏と共同で制作担当を務めます。
・篠原 啓吾(しのはら けいご / 制作進行)
2014年頃にufotableに入社。近年は制作担当として複数の作品を担当。
元々は徳島のアニメイベント『マチ★アソビ』のVol.10(13年5月)にボランティアスタッフで参加していた経歴を持つ。
・丹羽 一希(にわ いつき / 3D制作)
CGスタジオ・クリープでCGアニメーターとして2015年頃より活動。CGプロデューサー、営業、進行管理、ディレクション、クリエイターの採用業務も担当していた。
その後、設立したばかりのYostar Picturesに2020年に移籍し、同社制作CMやMVのアニメーションプロデューサー、プロダクションマネージャー、ラインプロデューサーなどを担当。
2023年にufotableに移籍し、2024年以降から3D制作(CG関連の管理業務)を担当している。
その他、若手組では2017年頃に入社した玄 晨光(スアン・チェングァン)氏、渡辺 春菜(わたなべ はるな)氏が各作品で設定制作・制作進行を担当しています。そして2018年以降にも、杉浦 悠斗(すぎうら ゆうと)氏(2018年)、渡辺 竜一(わたなべ りゅういち)氏(2019年)、大島 真理佳(おおしま まりか)氏(2020年)、佐々木 海里(ささき みさと)氏(2020年)、徳本 菜祐(とくもと なゆ)氏(2020年)、坂井 なるみ(さかい なるみ)氏(2021年)、河野 優樹(かわの ゆうき)氏(2022年)、清川 瑛資(きよかわ えいすけ)氏(2022年)、北原 咲(きたはら さき)氏(2022年)、東山 風季(とおやま ふうき)氏(2023年)、赤佐 凌(あかさ りょう)氏(2024年)、兪 杭琦(ユ・ハング)氏(2024年)が制作進行として入社したほか、2020年にはアニメスタジオ・projectNo.9で制作デスクを務めた金田 優(かねだ ゆう)氏、2021年にはOLMやシンエイ動画に在籍していた谷 賢吾(たに けんご)氏、2024年には同じくOLMを中心に活躍した野坂 愛(のざか あい)氏がufotableへ移籍しており、特に谷氏は『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』『鬼滅の刃 柱稽古編』で制作担当を務めます。若手組(金田氏はベテランですが)が今後、ufotable作品で重要な役割を果たしていくかもしれないですね。
企画演出部(所属スタッフ)
<漫画班>
・桧山 彬(ひやま あきら / 企画演出部統括・漫画班チーフ・脚本家)
2007年頃よりufotableで活動中。現在は企画演出部統括のほか、入社時に配属された漫画班「たあたんちぇっく」のチーフも務めています。
ufotable配属直後はWeb漫画「清く正しく美しく」のネーム・作画を担当。その後、絵が描ける関係からufotable演出陣のラフ絵コンテの清書も担当するようになりました。『Fate/Zero』では脚本を担当することになり、脚本家・佐藤和治氏の元で共同にて脚本を執筆。同時にアニメオリジナル要素の強い第10話にて初の単独絵コンテも担当しました。
以降は脚本家としての活動がメインとなり、特に須藤友徳監督作品の全てで脚本を担当。須藤氏と共同で奈須きのこ氏の世界観を描き、高い評価を得ました。おそらく、今のufotableで一番名前が知られている脚本家ではないでしょうか。
脚本もコンテもできる制作スタッフであるため、今後は演出家としても活躍していくかもしれない、ufotableコアスタッフの一人です。
・チョン・ソダム(韓国法人代表・漫画班シナリオ担当・各種デザイナー)
2010年よりufotableに所属。ufotable企画演出部にて公式Webサイトや各種出版物の編集・デザイナーとして活動しています。また、漫画班にも所属しており、月間NewTypeで2012年より現在まで、『Fate/ゼロカフェ』(2012-2014)『Fate/ステイナイトカフェ』(2014-現在)の長期連載漫画作品のシナリオを担当しています。デザイナーとしてイラストを自ら描くこともあり、挿絵やPOPイラストも制作することがあるそうです。
その他、2018年3月より設立された韓国法人(カフェ運営のための組織であり、アニメーション制作等の事業は一切行われていない)の代表取締役社長に就任。今後、多方面での活躍が期待されるスタッフです。
<システム部>
・笠原 健一郎(かさはら けんいちろう / システム部・システムマネージャー)
ufotable初期メンバーの一人で企画演出部内にあるシステム部の唯一のメンバー。システム部設立から現在に至るまで、ufotable内のWebシステムなど各種管理ツールを全て統括・管理しています。
元は鈴木氏らと同じくCGスタッフとして入社し活動していましたが、鈴木氏が制作部に転属した頃と同時期にシステム管理スタッフとしての活動を開始。システムマネージャーを務める傍らで時折、制作担当・制作進行業務に関わることもあります。
各種イベントの運営スタッフとしても活動しており、内製路線で外部スタジオへの伝手が少ないと言われる同社において、業界内の各企業・スタジオのスタッフにも顔が利く数少ないスタッフの一人らしいです。
<クレイ部>
・大堀 久美子(おおほり くみこ / クレイ部・クレイアニメ担当、脚本制作)
ufotable初期メンバーの一人。企画演出部内にあるクレイ部の唯一のメンバーで、初元請作品『住めば都のコスモス荘~すっとこ大戦ドッコイダー~』から2013年の『空の境界 未来福音』まで、ufotable作品のEDアニメーション及び劇場上映前のマナームービーで使用されていたクレイアニメーションの制作全般(絵コンテ・演出・造形)を担当していました。
2014年以降はクレイアニメーションを採用する機会は無くなりましたが、現在でも同社運営カフェに展示されている人形等の造形を務めています。大堀氏自身は各作品の制作協力(制作補佐)のほか、近年では『おへんろ。』第3部の脚本を手掛けるなど多方面で活動しています。大堀氏が所属している限り、もしかしたら今後も何らかの形でクレイアニメーションが復活する可能性はありますね。
<その他、企画演出部スタッフ>
・江原 裕理(えはら ゆり / 声優・制作補佐)
ufotable所属の声優・制作補佐。元々は同社運営のマチ★アソビ CAFE北九州でアルバイトをしていたことがきっかけとなり、2014年にufotableオリジナル作品である『おへんろ。』の登場人物・ちわ役でデビュー。その後、2016年4月に上京し、ufotableに入社。マウスプロモーション付属俳優養成所で技術を学びながら声優業を開始しました。
ufotableでは制作部にて、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』『活撃 刀剣乱舞』『劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]』全三章で制作補佐や撮影協力という形で参加しています。また、『アニメギルド』のOPジングルにてナレーションも務めています。
声優としても少しずつ様々な役を担当しているので、今後は声優業メインで活動していく可能性もありますね。
・尾崎 修深(おざき ふみかず / アシスタントプロデューサー)
2009年頃にufotableに入社。企画演出部に所属しながら制作進行補佐として制作部のサポートをしていました。その後、2017年よりufotable各種作品でアシスタントプロデューサーに就任し、プロデューサー業務を補佐しています。プロデューサーの登竜門とも呼ばれる職種であるため、将来的に尾崎氏がufotableのプロデューサー・制作プロデューサーになる日も来るかもしれませんね。
・山口 哲弘(やまぐち てつひろ / Webショップ管理・出版物編集者 / アシスタントプロデューサー)
2014年よりufotableで活動。ufotable Webショップの管理のほか、同社が出版する各種出版物の編集をチョン・ソダム氏らと行っています。
2023年からは『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』でアシスタントプロデューサーを担当しています。
そのほか、各種出版物の編集者として、2018年頃に入社の福岡 彩(ふくおか あや)氏、李 佳英(リー・ガヨン)氏、菅原 由騎(すがわら ゆき)氏、2020年頃に入社の村山 小波(むらやま こなみ)氏、2023年頃に入社の佐分利 尭永(さぶり あきと)氏の5名がソダム氏、山口氏と活動しています。
そのほかに、企画演出部に所属する若手・新人スタッフは以下の通り。
このように、多くのスタッフが活動しています。制作進行関連はアニメ業界でも3年以内に退社して業界を去る人が多い職種で、同社も他のスタジオよりは比較的多くのスタッフが長年活動しているとはいえ、決して例外とは言えません。若手から今後活躍するスタッフが何人生まれるのかも注目です。
文芸部(所属スタッフ)
・佐藤 和治(さとう かずはる / シリーズ構成・脚本)
2010年より所属。同年新設された脚本部(現・文芸部)に所属する唯一のスタッフであり、所属脚本陣の中で唯一、外部スタジオでもシリーズ構成・脚本経験のある本業脚本家です。
元々は1996年頃より、有限会社トライアングルスタッフ(2000年に事業停止)の設定制作・文芸担当として活動。その後、1999年より脚本家として活動を開始。『サクラ大戦』『しあわせソウのオコジョさん』『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』『モンキーターン シリーズ』『ノエイン もうひとりの君へ』のほか、2010年までに多くの作品で各話数脚本に参加していました。また、『勇午 ~交渉人~ パキスタン編』『パピヨンローゼ New Season』にてシリーズ構成・脚本を担当。
ufotableでは設立初期より多くの作品で脚本に参加。2010年に脚本部が設立され正式にufotable所属となった後は、近藤社長担当作品以外の多くの作品でメインライターを務めています。同時に後進の育成を行ったり、制作進行補佐としても現場をサポートしています。
ufotableで唯一の本業脚本家である佐藤氏。今後もufotableのシナリオを担う柱の一人として活躍していくと思います。
コンテンツ事業部(所属スタッフ)
・市川 修三(いちかわ しゅうぞう / コンテンツ事業、声優マネージャー、飲食部門統括)
2012年に開業した『ufotable DINING』に副店長として就任。様々なコスプレをして客を賑わせる店舗の名物スタッフとして常連客に知られるようになります。その後、その功績から2014年に新オープンした、『マチ★アソビ CAFE 北九州』の店長に就任。現在、ufotableに所属する声優・江原さんの発掘にも関わりました。2017年にはufotable旧スタジオ内に新オープンした『マチ★アソビ カフェ TOKYO』の初代店長に就任。
現在は飲食部門統括としてカフェ運営を支えつつ、コンテンツ事業部に所属して江原裕理さんのマネージャーも務めています。ufotableの名物スタッフとして、今後、メディアへの露出も増えていくかもしれないですね。
以上、ufotable制作部・企画演出部のスタッフ紹介でした。
今回はufotableの「制作部・企画演出部」について紹介しました。クリエイターたちを支える彼ら・彼女らの活躍により、制作現場は動いています。この職種に興味のある方はP.A.WORKS制作の『SHIROBAKO』を見ていただくと、より理解が深まるかもしれません。視聴者にはわかりずらいであろう制作部の活躍、今後も注目していただければと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回は『⑧《関連店舗編》(最終回)』を掲載予定です。
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参考資料・出典↓↓↓
・ブラック★ロックシューター THE GAME OPENING ANIMATION OFFICIAL COMPLETE WORKS
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