『ウォレットのない人に送金できるウォレット「Beam」』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.8.7
■ウォレットのない人に送金できるウォレット「Beam」
昨日、おとといの土日に、地元の夏祭りがありました。
コロナ禍をはさんで4年ぶりの夏祭り開催とあって、普段はシャッター街で寂しい商店街も出店でにぎわっていました。
町内が盛り上がっているのはとても嬉しいことなのですが、福祉国家スウェーデンの国王が視察に来るほど高齢化している町であるため、キャッシュレス決済できるお店は普段から1軒もありません。ましてや(?)夏祭りの出店での支払いは現金Onlyです。
普段は現金払いの店を全力で避けて生活しているのですが、夏祭りは仕方なく現金を用意して臨みました。
うちの町内に限らず多くの夏祭り会場が未だに現金払いなんじゃないかと思います。キャッシュレス化もままならない現状、暗号資産ウォレットを持ちトークン払いするような世界は当分来ないな、と実感しました。
そんな現状課題があるならば、解決できるソリューションはニーズが高いはず。
今回ご紹介する「Beam」という決済プロジェクトは、暗号資産ウォレットを持っていない人に送金できるというソリューションです。
TheCoffeeTimesというメルマガで紹介されていたものですが、元のニュースソースはTechCrunchです。
Twitter連携でウォレットを作れる
Beamのサイトにアクセスし、自分のTwitterアカウントと連携させることで「ウォレット」が作られてQRコードが自動的に生成されます。
このようなかたちで即座にウォレットアドレスが作られ、トークンを受け取れる状態になります。「Copy Link」でURLを相手に送るかQRコードを読み込んでもらえば受け取れます。
Beamユーザー名で送金
このウォレットアドレスの羅列はユーザーに極力見せないようにした方がいいと感じます。ウォレットという概念だけでも難解なのに呪文にしか見えないウォレットアドレスで多くの人が脱落するでしょう。
その難解なウォレットアドレスを意識させない方法として、一度Beamでウォレットを作ってしまえばユーザー名で送金できるようになるのは意外に画期的です。MetaMaskがわかりづらいのはユーザー名で送れないからというのも一因です。EMSも難しすぎます。
上記の文中に出てくる「Venmo(ベンモ)」は、アメリカで最も利用されている個人間送金サービスです。現在はPayPalの子会社が運営しています。Venmoアカウントに紐づけた銀行口座またはクレジットカードから引き落とされるかたちでVenmoアカウント間でお金を送るサービスです。
BeamはVenmoのクリプト版と言えます。
Moonpayで暗号資産を買える
Moonpayはクレジットカードなどで暗号資産を買えるサービスです。ただしMoonpayが暗号資産交換業免許を日本で取得していないため、日本国内からは利用できなくなっています。
この部分は多くの人にとって意味が分からないと思います。USDCがチェーン違いで使えないというのはクリプト全体で改善すべき部分だと感じます。
Webで即ウォレット作成と送金は便利
総じて、クリプト版のVenmoだと理解すれば非常にわかりやすいとは思います。BeamはVenmoと同じく送金の仲介業者で、銀行口座などの生の情報を教えることなく送金ができる便利サービスですね。
ウォレットアプリのダウンロード不要ですし、相手が暗号資産ウォレットを持っていなくても、BeamのWebサイトをその場で相手に教えて、Twitterアカウント紐づけの作業だけやってもらえば、こちらから相手にUSDCを送るだけ送っちゃうことが可能になります。
現実世界よりメタワールドで便利
「メタバース」はゴーグルをかぶって3Dの世界をアバターでうろつくアレをイメージしてしまうので「メタワールド」と表現しますが、現実世界と対になる仮想現実の世界では、さまざまなトークンを国をまたいで送金するニーズが高いと思います。
裏返して現実世界では、基本的にその国の法定通貨をそのまま使うことが多く、暗号資産を送るニーズは世界中を飛び回っていて両替が面倒に感じる一部の人に留まります。
うちの町内の夏祭りの屋台でBeam払いをする未来はたぶん来ませんが(笑)世界中の国境がなくなるメタワールドには、うちの町内からでもアクセスできます。
Beamのウォレットは現実世界とメタワールドをつなぐ現実側のソリューションですが、ウォレットを持っている人を気軽に増やし、メタワールドとつながる人口が増えることに寄与するソリューションだと思います。
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