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『Apple、布にセンサーを仕込む「スマートファブリック」で特許取得』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.11.11

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■Appleの布にセンサーをしこめる新技術、時計のバンドをセンサーにできそう

スマートウォッチやウェアラブルデバイスが普及する中、Appleはスマートファブリック技術で新たに特許を取得しました。

とはいえ、Apple Watch本体に心拍センサーなどがついていますし、スマートリングのように身に着けるセンサーはすでにいろいろ登場しています。「布にしなくても、センサー機器を付けるだけでよくない?」と思えるかもしれません。

しかし、布地そのものをスマート化するのは、結構使い道がありそうだなと感じます。

なぜファブリックなのか

従来型のウェアラブルデバイスには、いくつかの課題があります。

  • 装着を忘れる

  • 充電切れで機能が停止する

  • 違和感があって長時間の装着が難しい

  • 赤ちゃんやペットには装着が困難

一方、スマートファブリックは日常的に身につける衣服やベッドカバー、ペット用品に組み込めるため、

  • 装着し忘れがない

  • 洗濯可能な設計が可能

  • 違和感なく使える

  • デバイスが苦手な対象にも使える

と、これまでの課題をスマートファブリックで解消できるものが多そうです。特に赤ちゃんやペット、家畜には、硬いデバイスよりも柔らかい布状のセンサーの方が、怪我の防止、センサーの破損を防げるのが、従来のウェアラブルデバイスにはないメリットです。

実現できる機能

スマートファブリックには主に2つの基本機能があります。1つ目は心拍数、血圧、体温といったヘルスケアデータを測定するセンサー機能です。2つ目はタッチや圧力を検知し、位置情報も取得できるインタラクティブセンサー機能です。これらの機能をApple WatchやiPhoneといったデバイスと連携させることで、検知したデータの処理や分析が可能になります。

さらに、センサーだけでなくモーターやライトといった機器を組み合わせることで機能性が広がります。例えば、モーターを組み込めば姿勢補正や運動のサポート、振動によるナビゲーションが可能になります。またライトを組み込めば、健康状態の可視化や警告の表示、デザイン要素としての発光なども実現できます。このように、布地にさまざまな機器を組み込むことで、単なるセンシングを超えた機能を実装できます。

赤ちゃん、ペット、家畜に

スマートファブリックは、特に言葉で状態を伝えられない対象への活用が最も活きるのではないかと思います。

赤ちゃん、ペット、家畜といった対象は、従来型のデバイスの装着が難しく、また24時間の継続的な見守りのニーズがあり、スマートファブリックと相性がよさそうです。

赤ちゃんのケア

  • おむつや肌着での体調管理

  • うつ伏せ寝の検知

  • 睡眠パターンの分析

  • 快適性のモニタリング

ペットケア

  • 首輪やベッドでの健康管理

  • 異常行動の早期発見

  • 位置追跡

  • ストレスレベルの推定

家畜管理

  • 個体の健康管理

  • 群れの行動分析

  • 病気の早期発見

  • 生産性の向上

AI用の新しいデータが取れる

スマートファブリックの真価は、継続的なデータ収集能力です。

従来のウェアラブルデバイスでは取得が難しかった睡眠中のデータや、長時間の着用を避けがちな高齢者や子供のデータも、日常的に使う布製品として自然に集めることができます。また、ペットや家畜など、これまでデータの取得自体が困難だった対象からも、豊富なデータを収集できるようになります。

スマートファブリックによって得られる新しいデータが増えることで、AIの活用範囲が大きく広がります。

医療・健康分野

  • 24時間の詳細な健康データ収集による予防医療の進化

  • 投薬効果の正確な追跡

  • 個人に最適化された治療法の開発

スポーツ科学

  • パフォーマンスの最適化

  • 怪我のリスク予測

  • チーム戦術の分析

行動科学

  • 生活パターンの分析

  • ストレス要因の特定

  • 睡眠の質の評価

スマートファブリック、結構使えそう

スマートファブリックは、意外に流行りそうな予感がします。スマートリングも少しずつメーカーやバリエーションが増えていますが、使わない人は使わないものです。一方、布化されたセンサーは、リングデバイスよりも無意識に使えます。

加えて、これまで得られなかったデータが増えることで、AIの学習に活用され、新たな知見の発見や予測モデルの精度向上につながります。世界中の人が気象センサー付きの服を着ることで天気予報の精度が上がったり、なんていう副産物もあるかもしれません。

今回はセンサーというインプット用途だけだったのですが、個人的には「色や模様が変わるApple Watchのベルト」のようなアウトプット用途もほしいなと思います。

くすぐったそう

あと、ジョークグッズとして、人の背中に描かれるキーボード。押したらちゃんと文字が打てるやつも面白そう。こういうお遊びからスマートファブリックは流行るのかもしれません。

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