『「お守りNFT」が神社から発売。「時限式NFT」のおもしろさ』~【新しいWeb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.8.3
■日本初。「お守りNFT」が神社から発売。【NFT×地方創生】Web3神社が地域活性化を図る。
私モリプトをSTEPN沼に連れて行ってくれたマルセロさんも関わっていらっしゃる古事記projectからとても興味深いNFTプロジェクトが発表されました。
NFTでは一般に、ブロックチェーンに刻むことで永続性を作るんだ!実データもIPFSに置くんだ!フルオンチェーンだ!と言っている中、1年間で自動的にBurnされてしまうという、実物のお守りのメタファーそのままの仕様をなぞらえたNFTになっています。
■1年後の自動Burn後も「変化」、Burnを楽しめる仕様
お焚き上げに持っていくのに合わせて新年用に新しいお守りを購入する、というルーチンを促すのが実物のお守りですが、NFTはデジタルアイテムならではの「変化」の仕掛けを持っているようです。
確かに実物もお焚き上げせずにコレクションする人もいます。旅の思い出で買ったものは手放したくないですからね。元のかたちからは「変化」しますが、思い出を手元に残せるというのは地方活性化の文脈からも良い仕様だと思います。
■10種類の豊富なラインナップ
「豊富なラインナップ」と表現するのか、とクスっとしましたが10種類のご利益を設定。
このあたりがNFTらしいご利益。
あと7種類は実物のお守りと同様です。
■二次流通ロイヤリティや値上がり益は1年後から?
二次流通の売買ロイヤリティ収益をほぼ捨てている仕様です。
また1年で期限が切れることから、基本的には値上がり益も期待させない仕様でもあります。
常に公式ショップから新品を買ってもらうことを是としているのがNFTらしからぬ部分です。しかも新品の価格は今のところ0.005ETH、約1100円くらいです。神社の売り上げは単価としてはそれほど大きくありません。
もしかすると1年後にBurnされ「変化」したあとのほうが価値が高まる可能性はあります。なにせ1年間きっちり待たないと「変化」したものを目にすることができませんので、「1年かけてリビールされるガチャ」のような楽しみ方と、NFT・Web3の世界で1年間という時間の貴重さから意外な値上がりや取引の活性化が起きるかもしれません。
NFTの流行り廃りはありますが、神社はもともと長く存続してきたものです。1年後にも神社は変わらずそこにあるでしょう。
1年後に価値を持ち始めるNFT、という時間間隔も神社らしいと思えます。
■これをGameFiに使えないか?
GameFiではNFTをいかに長期間持ち続けてもらうかがトークノミクス設計上の重要な課題です。
1年後に価値を持ち始めるという期待があれば、「有効期限」が近づいてきたものほど価値が高まる可能性があり、1年近く所有することも促せるかもしれません。
「お守り」としての機能は初期1年できちんと発揮し、1年後のBurnと変化のタイミングが近づいてくれば、ガチャやリビール的な期待値が高まって徐々に値上がり。キャピタルゲイン狙いの人は初期からたくさん仕込み買いしておいて1年寝かす。ガチャ好きの人は間もなく1年経つという「直前モノ」を買ってリビールを楽しむ。
人々の期待と欲望と、1年というNFTにとっては長すぎる期間を使ったNFTのホールド設計。結構おもしろいかもしれません。
期間の長尺があってもいいかもしれませんね。定期預金や国債のように。3か月モノより1年モノ、3年モノの方がえらいことが起きそう、とか。10年モノはさすがに色物すぎますかね(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?