『OpenAIのAIを搭載した画面のないウェアラブルスマートフォン「Ai Pin」はC3POだ!』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.11.10
■OpenAIのAIを搭載した画面のないウェアラブルスマートフォン「Ai Pin」の詳細がリークされる
「スマートフォン」というカタチをしておらず、
ディスプレイなし、服の胸部分にマグネットで貼り付けるというウェアラブルスマートフォンが発表されました。
スマートフォンの次はこうなる、という提案です。
本体に画面を持たず、投影されるレーザーを手などに映して使います。
また、カメラが常に周囲をとらえており、AIがカメラを通じてモノや人を認識します。操作はほぼ音声で行います。
AIで動く、AIが動くことを前提とした次世代スマートフォン。という位置づけのこのデバイス、コンセプトモデルかと思いきや、米国時間で11/9、つまりつい先ほど、実際に699ドルで発売されることが発表されました。
これが次世代スマートフォンなのかと言われれば、まだだまかな?とは思います。しかし面白い提案だと感じますし、スマホやスマートウォッチなどに変化をもたらすきっかけになるかもしれないなと感じます。
次はVRゴーグルじゃない、というプレゼンテーションがおもしろい
開発したAppleの元社員であるImran Chaudhri氏のプレゼンテーションを見ると、モニターレスのデバイスにしたことに少し納得しそうになります。
Apple社の中で、Macのデスクトップ期からハードウェアの開発に携わっていたChaudhri氏が、
「デスクトップPCは素晴らしい相互接続への道を開きましたが、机の上から動かせません」
「ノートPCには携帯性がありましたが、使う時には腰を下ろす必要があります」
「スマートフォンは我々を今のような繋がり合った人類へと進化させ、ポケットの中からインターネットを使える能力を万人に与えました」
「スマートウォッチはスマートフォンへの窓となり、様々な健康面のサポート機能を腕時計に詰め込みました」
とこれまでのハードウェアの歴史を整理し、
「次に来るものは何でしょう?」
と投げかけます。
「このようなAR/VRゴーグルが答えだと考えている人もいますが、それは身の回りにすでにある画面を目玉の前に持ってくるというだけで、私たちと世界との間にある障壁を増やすばかりです」
「未来は顔の上に載るものではありません」
と一刀両断します。
そして続けます。
「2017年に伝説的な技術系ジャーナリストのウォルト・モスバーグは、その最後のコラムの中で、テクノロジーはやがて目に見えなくなるだろうと書きました。コンピューターは消えると。」
つまり、デバイスの小型化の究極系は「消える」としています。
従って、AR/VRゴーグルのようにむしろ大型化するのではなく、今回発表された「Ai Pin」のように小型化し、服と一体化して「消える」ほうが歴史的に正しいのだ、という主張です。
実際には、大型コンピュータがデスクトップPCになり、ノートPC、スマートフォンへと進化したのは、
「できることは拡大、画面解像度も拡大、なのに本体は小型化」
というのが正史なので、単に小さくすればいいというものではないという突っ込みどころはあります。だからこそスマートウォッチはスマホの完全な代替にはなっていないわけです。
しかしAR/VRゴーグルを「画面を目玉の前に持ってくるだけ」と処理するのはなるほどなぁと思わされます。
レーザーがスターウォーズ風になれば?
「Ai Pin」の映えるシーンはやはり上記のレーザーで情報を投影しているシーンでしょう。
しかし、ポストスマートフォンという表現が大げさだと一番感じるシーンもココではあります。
そう感じる一番の理由は、青一色の簡素な見た目だからだと思います。
では、スターウォーズのホログラム投影のように、フルカラー・高解像度・立体ホログラムで、しかも動いてしゃべって見せる、というところまでできればどうでしょう?
驚きは5万倍だと思います。
R2D2が「ディスプレイを持たないAIスマートフォン」に見えてきませんか?
カメラの目とマイクの耳で情報を捉え、AIで自律的な判断ができるのがR2D2です。そしてこれを小型化して身に着けられるサイズにしたのが今回の「Ai Pin」だと考えると、結構悪くないなと思えます。
「英語とスペイン語での通話や対面での同時通訳」は、スターウォーズではC3POの役割ですね。
人型ロボットになり大型化する方向もあるかもしれませんが、「Ai Pin」はR2D2やC3POが小型化しウェアラブル化したものだと捉えると、あながち「こんなものがポストスマホになるわけがない」とは言えないと思いませんか?