『「web3で、サポートが必要な子どもたちに教育機会を提供したい」というお問い合わせへの回答をそのまま公開します』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.7
■「web3で、サポートが必要な子どもたちに教育機会を提供したい」
・・・というご相談を、noteを読んでいただいている読者の方からいただきました。
貧困などで十分な教育機会を得られないケースが想定されているように受け取りました。
毎回ちゃんと答えられる・応えられるとお約束はできないのですが、今回はお相手が面識のある方なのでメールでお返事しました。その内容をわりとそのままお伝えしたいと思います。
web3に興味を持ち出したが学びはじめたばかりの方です。
これから興味を持つ方がもっと増えそうな昨今、同じような悩みを持つ人も増えるんじゃないかと思います。そんな方の一助になれば幸いです。
■「Learn to Earnモデルでトークンを稼ぎながら学ぶ環境を子どもたちに提供したい」に対してのアンサー
ここから回答内容です。
やりたいことをまとめた資料にLearn to Earnと記載されていましたのでココから書き出します。
「いま興味があるやり方は
Learn to Earn、学ぶと稼げるto Earnモデルの方向ですね。
このサイトもご覧になったことがあるかもしれません。
サイトの冒頭に書かれている
ビジョンやコンセプトは共感されそうですよね。
中間に
と書いてあります。Learn to Earnの部分です。
しかしこれ以上の具体的な仕組みが書いてないです。
いただいた資料と同じですね。
ではここを具体化してみましょう。
■基本的なto Earn構造の説明
to Earnの構造はだいたい同じです。
・最初に「カリキュラム受講NFT」を買います。
・受講すると少額のトークンがもらえます。
トークンが稼げること=学習継続意欲になります。
・払ったNFTの額を稼いだトークンが上回れば利益です。
受講者からは上記のように見えてます。
■to Earn構造の課題
しかしこのやり方は課題があります。
1.カリキュラム受講NFTは「誰が買うのか?」
ふつう受講者本人が買います。
しかし貧困な子どもは買えません。
2.NFTの額を上回るトークンを「誰が支払うのか?」
初期投資以上に必ず稼げるなら、運営が損しています。
NFTの売り上げしか収入がなく、それを上回るトークン払いがある
なら運営は潰れます。
3.カリキュラムは「誰が用意するのか?」
コストがかかります。
もしこのビジネスモデルが儲かるなら
カリキュラム提供者自身がやります。
4.法定通貨に換金可能なトークンを「どうやって発行するか?」
法的にいろいろ問題があります。
海外にペーパーカンパニーを作る方法がむしろ一般的です。
to Earnなサービスをやる人は全員
上記のクリア方法に悩みます。
■課題の解決方法
1.NFTを貧困な子ども以外が買うモデル
あしながおじさん。
儲け関係なく寄付してくれる人がいれば実現できます。
どうやってあしながおじさんを集めるか、にアイディアが必要です。
2.トークン代の原資はNFT販売益
つまり、あしながおじさん。
3.カリキュラム提供は2パターン
資金提供者とカリキュラム提供者をわける場合と
同一人物の場合と考えられます。
しかしどちらも「寄付者」であってほしい。
無償または安価でカリキュラムや授業を提供してほしい。
安価でも報酬を払うならあしながおじさんのお金が原資なので
子どもたちへの支払いが減ります。
4.トークン発行方法
基本、難しいです。
ここで無理すると先に進まないので、
1~3の解決を優先したほうがいいです。
XRP(リップル)など送金手数料がほぼ無料な
既存の暗号資産を使うのもひとつの手です。
独自トークン発行だけが方法じゃない。
運営者もあしながおじさんのお金に頼っているので
運営の利益を増やすと子どものEarn量が減ります。
あしながおじさんがたくさんお金をくれれば
子どもたちも運営も十分なお金が回ります。
あしながおじさんからお金を集める方法が
NFTを使ったクラウドファンディングです。
このNFTを買ってくれたら10人の子どもが半年間勉強できます、とか。
子どもにリーチする方法は、当事者団体がいいでしょう。
■すでにこのモデルを実現しているのが「赤十字」
NFTとトークンを使わずにやっているのが
赤十字とかですよね。
寄付モデルは儲からない、儲けを出すと怒られる
ので信念も必要です。
運営が利益をできるだけ取らなければ子どもが救われる
というバイアスがかかります。
両立するには規模を大きくするしかない。
それが赤十字モデルです。
こんな感じでしょうか。
やりたいことの解像度を上げるといいと思います。」
・・・と、ここまでが回答内容でした。
■エンタメ要素を入れれば規模を作りやすい
メール返答に書かなかったことをひとつだけ追記します。
本気で学びたい人と慈善的に寄付したい人をマッチングさせるのは巨大な財団の方が上手で、かつ市場が限定的です。
より大きな輪を作るためには、エンタメ要素を入れていった方がいいと思います。学ぶ側も支援する側も楽しめる、とか、支援する側も儲かる可能性があるとか、儲からなくても楽しい思いができるとか。
本当に支援が必要な人に、と考えると線引きも難しくなりますし、広い意味では困ってない人はいないとも言えます。
であればもっと大勢を巻き込むためにエンタメ的にアプローチする、運営ももっと豊かに楽しむ姿勢。の方が結果的に規模も大きくできるんじゃないかと思います。
「本気で学びたい人と慈善的に寄付したい人」の対象をもっと広げてあげるのがいいんじゃないかと。そのためにエンタメ感を入れていくほうがよさそうだと思いますがいかがでしょう?
■みんなで知恵を出し合うのがweb3っぽい
もしこのプロジェクトの目指すビジョンに興味がある方で、もっといいアイディアがある、ソリューション持ってる、関わりたい、という方がいればおつなぎしますのでお気軽にご連絡ください。
みんなで解決。web3っぽいと思います。