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『デジタルノベルティとメタバースとラジオと。』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2025.1.3

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■江戸時代後期の着物の柄をメタバースで楽しむ 大丸松坂屋が新春を彩る3D着物を発売

大丸松坂屋の挑戦:メタバースで楽しむ3D着物

大丸松坂屋百貨店が、伝統とデジタルを融合させた新たな取り組みを始めました。江戸時代後期の着物柄をモチーフにした「3D着物」をメタバース空間で楽しめるアイテムとして発売したのです。これらの着物は、同百貨店が所蔵する「松坂屋コレクション」を基にデザインされ、メタバースの特徴を活かした自由なアレンジが施されています。

振袖や帯などのディテールは、専門家の監修のもと、細部にまでこだわり抜かれています。特に、リアルな着付けが不要で、誰でも手軽に着用できる点はデジタルならではの魅力です。この試みは、デジタルファッションが持つ可能性を示すとともに、日本文化を新たな形で世界に発信する大きな一歩となっています。

メタバースファッションの新しい可能性を象徴する大丸松坂屋の3D着物は注目ですが、同時にいくつかの課題も浮き彫りになっています。現在、メタバースを楽しむ利用者の数は限られており、こうしたデジタルアイテムを「見せる」相手が少ないという現実があります。ファッションの本来の目的の一つである「人に見られる喜び」を十分に感じることが難しい状況なのです。

もしメタバースがSNSのように日常的な存在となり、多くの人々が利用するプラットフォームに成長すれば、こうした課題は解消され、メタバースファッションもより広く受け入れられるでしょう。そのためには、メタバース自体の普及が鍵を握っています。

デジタルコミュニティの規模という面では、「ラジオ」はちょうどよいのではないかと個人的に考えています。

ラジオ業界でのデジタルノベルティ:伊集院光さんの提案

TBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』の大晦日放送回において、パーソナリティの伊集院光さんが、ラジオ業界の課題とデジタルノベルティの可能性について語りました。伊集院さんは、ラジオ業界が予算の制約に直面している現状に触れつつ、AIで生成した楽曲やデジタルアイテムをプレゼントとして提供することで、送料や発送作業といったコストを削減できる点を強調しました。

デジタルノベルティは、物理的な郵送に伴う破損や紛失、個人情報のやり取りといったリスクも回避できるもので、確かにラジオ業界の財政事情を鑑みれば検討に値します。一方、伊集院光さんは、AI生成コンテンツを番組ノベルティとして送ることの法的な問題の有無や、不正コピーによる流通リスクについても課題が残っていると述べています。

コミュニティとデジタルノベルティ

ラジオ業界におけるデジタルノベルティの最大の魅力は、リスナーや消費者同士のつながりを強化する可能性にあります。例えば、ラジオ番組のパーソナリティが制作したオリジナルのデジタルアイテムが、SNSやメタバース内で使用されれば、リスナー同士が自然と交流を始めるきっかけとなります。「このアイテムはどの回で配布されたのか?」といった会話が生まれ、共通の趣味を持つ者同士がコミュニティを形成することが期待されます。

さらに、投稿やイベント参加の成果としてデジタルアイテムが贈られる場合、それがリスナーの満足度や忠誠心を高めることにもつながります。デジタルノベルティは、単なるプレゼントを超え、ラジオリスナーのコミュニティを活性化する鍵となる可能性を秘めています。

radikoがラジオコミュニティのDXハブに

このようなデジタルノベルティの可能性を最大限に活かすためには、radikoのような既存のラジオプラットフォームが進化を遂げることが求められます。全国規模で利用されるradikoは、すでに1000万人近いラジオリスナーを抱えています。このプラットフォームに、デジタルアイテムのやり取りやリスナー同士の交流を促進する機能が追加されれば、ラジオというメディアの価値が大きく高まるでしょう。

また、デジタルアイテムの販売やクラウドファンディングを通じた収益モデルを構築することで、広告収益に依存しない新たな事業展開が可能になります。高齢化や広告市場の縮小という課題がある中で、全国的かつ世代を超えたリスナー層を取り込む仕組みを整えることが重要です。

共感資本主義時代のラジオ

共感資本主義が進む現代では、ラジオが持つ「声」という媒体を通じたつながりの強さは、他のメディアにない特長です。この特長を活かし、radikoがデジタルノベルティを通じたコミュニティ構築に力を入れれば、ラジオの新たな未来が切り拓かれるでしょう。

大丸松坂屋の3D着物や、伊集院光さんが提案するデジタルノベルティは、デジタル時代の新たな可能性を示しています。ラジオリスナーのつながりを強化し、デジタル技術とコミュニティの力を融合させた未来のラジオには、大きな期待が寄せられています。ラジオ業界の挑戦はこれからが本番です。

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