『都営地下鉄、GoogleのARナビ「インドア ライブビュー」導入。地下でのナビ需要の拡大』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.1.25
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■都営地下鉄、GoogleのARナビ「インドア ライブビュー」導入
スマホが普及して以降、お出かけする時に目的地までの道筋を調べなくなったという人は多いと思います。クルマにおけるカーナビもそうですね。目的地をナビアプリに設定すれば、だいたい到着できます。
そんな今でもちょっと厳しいのが、地下街の道案内。
空が見えずGPSの電波が届かない地下ではナビが不安定で、まったく機能しない場面もよくあります。
ナビが使えないと思われてきた地下でもナビが使えるどころか、このように空間に道案内が浮かんで表示されるサービスが、東京の都営地下鉄で導入されることが発表されました。
人口の都市集中や温暖化によって地下街そのものが広がるだろう未来に向けて整備されるべき技術です。
インドアライブビューは場所ごとに対応が必要なサービス
東京は地下街があちこちにありますが、すべての地下でナビが使えるわけではありません。
Googleの持つグローバルローカライゼーション技術がベースではありつつも、「都営大江戸線都庁前駅で1月25日から利用可能で、順次、導入駅を拡大」とある通り、場所ごとにセッティングが必要なサービスです。
2021年7月6日には先行して渋谷駅内でインドアライブビューが使えるようになっています。
場所ごとにセッティングが必要な理由は
「グローバルローカライゼーション技術」が、大量の現地画像の収集と分析で実現されているからです。地上でGoogleカーが走り回って路面を大量に撮影してストリートビューを実現するのと同じようなやり方ですし、GPSに頼れないぶん一層たいへんです。
ストリートビューもそうですが、地下街は様子が頻繁に変わるため、こまめに撮影し直しが必要です。最近では再開発も多く、昨年のデータが使えないということも起きがちなはずです。
世界初、ミュー粒子による地下ナビゲーションに成功
ニッポン放送「科学のラジオ」というポッドキャストで知ったのですが、地下でもGPSと同じように位置情報を特定する技術が開発されつつあります。
東京大学やNECなどの共同研究で、宇宙線ミュー粒子を測定することで地下でも場所がわかるのだそう。
GPSの電波は建物や地表などで遮られて地下に届きませんが、
ということで、このミュー粒子を測定することで位置情報を把握するのだそうです。
スマホでミュー粒子を測定するのは難しいでしょうから、地下のポイントごとに測定器を設置して位置情報をデータとして発信するというやり方になるんじゃないかと思います。
これが実用化されれば、Googleのグローバルローカライゼーション技術のように大量の画像を使う方法よりも汎用的に地下でナビが動くようになるんじゃないかと期待できる技術です。
未来、人類は地下に住むようになる
未来の人類は地下に居住空間を広げるだろうと予想しています。
・地球の人口がもっと増えた時に、地上の面積が足りない。
・ビルの高層化ではワンフロアあたりの交流人口が少なく、出入りが不便(タワーマンションでは既に課題になっている)・
・都市への人口集中、地方の過疎化がもっと進み、大都市の土地需要が一層高まる。
という人口増の問題と住む場所の集中化の問題、
・温暖化のさらなる進行によって地表に住むよりエネルギー効率が良い地下に住むようになる。
という気候問題に起因する地下への移動、
・EVの普及で地下でも排気ガスを出さずに道路移動ができるようになる。
という地下居住での課題解決、
などの要因で、地下に住む人が増え、地下での移動が増えるだろうと予想しています。
来るべき地下居住の時代に備えるためにも、地下でのナビゲーション技術は必須になるでしょう。