「独身」をNewKAWAIIにする
来月結婚する大学時代の友人が若干のマリッジブルーになっている。
「私って既婚者になるのか」と言っていた。
既婚者。
既婚者って無駄に『老』を感じるな。
うん、そう思う。友人も言っていた。
『既』という漢字が時間の経過を感じさせるのだろうか。原因は不明瞭だが何だか若々しさを感じないネーミング。
独身。
「独り身」と書いて独身。『独』を選択しているところに名付け親の嫌みな感じが現れている。絶対に未婚者を馬鹿にしていたに違いない。
そもそも、既婚者も独身も何だか堅苦しすぎる。現代はせっかく結婚が自由化しているのだから、もう少しくだけたネーミングでも良いだろう。
例えば、パートナーがいない人のことを「ぴちぴち★オンリーワン」と呼ぶのはどうだろうか。絶対に★は入っていた方が良い。戸籍上の人物がその人オンリーだったとしても、★がついていれば悲壮感が出ない。好んで一人でいるのだろうなと思わせる無邪気さがあって良いのだ。
反対にパートナーがいる人たちは「わくわく★2人でいればこわくない」と呼ぼうか。暮らしを共有するのはわくわくするに違いないからだ。どんな不安があっても、2人いれば何とかなるという根拠のない安心感を表現するのにちょうど良すぎる。
それぞれ提案すると、私の友人はそれらの略称を「ぴちワン」と「わくツー」とした。実に良い。今の時代にあまりそぐわないが、もし相手にパートナーがいるか気になるときは「お前ぴちわくどっち?」と聞けば良い。どちらで返されても、気まずくならないだろう。
この言葉たちで流行語大賞を狙いたいが、「ぴちぴち★オンリーワン」の無邪気さから未婚であることのハードルが下がり、少子化問題が深刻化すれば、私が「社会問題の元凶」呼ばわりされるかもしれないので、今から少し怯えている。