大浜大豆について
まもなく大浜大豆の収穫時期になります。大浜大豆は現在、珠洲市のみで作られている幻の大豆です。なぜ幻かと申しますと、大浜大豆は収穫時期が他の大豆と比べ1ヶ月ほど遅いため、能登半島では一般的であった出稼ぎに間に合わず、また葉たばこの生産が盛んになるにつれ、大浜大豆を生産するメリットがなくなり、衰退していき、一度生産が途絶えてしまったからです。
その後、全国各地で町づくりや一村一品運動が盛り上がる中、平成9年に横山振興会という全戸加入の組織が立ち上がりました。しかしながら、なかなか良い品が打ち出せずにいた中、石川県の推奨品種であるエンレイ種の大豆とそばを生産が始まり、寄せ豆腐やつと納豆などで一定の評価を得るようになりました。平成15年に大豆が不作になりましたが、集落の中の一人が保有していた大豆で試食会などのイベントを乗り切りました。これが偶然にも大浜大豆であったのです。翌年からは大浜大豆の生産が始まり、一度生産の途絶えた大浜大豆が復活しました。
珠洲市折戸町の広い砂浜を大浜といい、その周辺で作られていたことが大浜大豆と名付けられた由来です。特徴は甘味とコクの強い品種です。森八ではこの大浜大豆をきな粉にして使っています。大浜大豆を使用した豆腐は地元以外にも県外の豆腐店にも出荷され、高い評価を頂いています。
ちなみに大豆の国内自給率は7%です。産地は全国に拡がり、1000ha以上の県が24県あり、産地は分散していますが約半数が北海道です。油に使われることが多いのでなかなか高価な国産大豆が使われず、輸入大豆が使われることが多いのが現状です。しかしながら輸入大豆は遺伝子組み換えのものが多いので注意が必要です。少しでも国産大豆が普及することを祈っています。
今回もお読みいただきありがとうございました。