桜はなぜか見に行きたくなる
4月になり急に暖かい日が続いている。
桜の花びらも散り散りになっているだろうけれど、今日は晴れた休日だ。
こんな日は外に出ないとなぜかもったいない気がしてしまう。
しかし、行きたいところやしたいことは特にない。
散り散りの桜を眺めるのも粋というものではないか?
そう思った私は趣味で始めた一眼カメラを持って家を出た。
目的地は地元では穴場の桜スポットである公園だ。
道中では様々な魅力的な飲食店が私を誘惑してきたが、その手には乗らずに一直線に公園へと向かった。
私は公園に着く前からわかっていた。桜はすでに散り始めて葉桜だということを。
できれば満開の桜をこの目で見たかったという欲を抑えながら公園の駐車場に車を停めた。
車から降りるとさっきの邪念が嘘のように吹っ飛んだ。
ああ、これもいいな。
散り際の桜の健気さや、花びらがなくなった後の姿に目が離せなくなった。
満開の桜はもちろん美しい。しかし、満開ではない状態の桜も美しいんだな。
こんなに様々な桜の状態をしっかり見たのは初めてかもしれない。
一眼レフのシャッターを切る手が止まらなくなって楽しくなってきた。
気づけば公園に着いてから1時間が経過していた。
お腹も空いたし、さっきの誘惑してきた飲食店にでも行こうか。
そんなことを考えながらニヤニヤしながら過ごした昼下がり。
今日は本当に外に出てよかった。
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