無意識という他者との関係を変えていくこと
心理学は不要なようで、自分について知ることができるヒントがたくさんあり、意識し始めることによって、無意識は動き出し、気づかなかったことに気づいたりする。
誰にでもあると思うけど、例えば女性問題に興味をもつことがあると、それについて書いてある記事などネットの海からすぐに目にとまる、本屋に行くと関連の本をすぐみつける、という関連のものに目がいったり、それについて話している人によく出会うようになる。
そのうち深く考えていくと、寝ているときやぼーっとしているような時間に無意識のほうから訴えてくるものが出てくる。
通常、人はそのメッセージを素通りしてしまうことも多く、関連づけることもしない。
ユング心理学について学ぶと、意識と無意識の関わりについての見方がだんだん変わってくる。
読むと書くでおこなわれていた大塚伸一郎さんの「ユング心理学の歩き方」全12回を受講した。これまでもユング系の本は読んでいたものの、ユング自身の本が難しくてなかなか理解できなくて、河合隼雄さんの本を読むことのほうが多かったけれど、この講座を受けてユング自身がやっていたことやユング心理学のことがすべてでは全然ないけど、その中のエッセンスの何パーセントかの理解が進んだように思う。
それは河合先生の本とはまた違う視点からの解説だったから、とても興味深くあった。
まず最初の回で「無意識」というのは「内なる他者」である、というのを学んだ。
無意識を他者としてみること、そしてその他者とどんな関係で、どんな風につきあっていくのかという考えがとてもわかりやすく、これまで「無意識」も自分の一部と思っていたから、もちろんそうだけど、他者という捉え方にするとあっさり、その人との関わりをみていくといいのかと受け入れやすくなった。
他にも目からウロコ的なことがたくさんあったり、途中難しくてわかりにくいところもあったけれど、毎回面白く、興味深くて、私自身の無意識も活性化していたように思う。受講者のレベルが高くて質問が高度だから、ついていけない部分もあったけど、コンプレックスやタイプ論、ペルソナ、アニマとアニムスなどの概念が自分がこれまで思っていたものとまた違ってて、実はそんなに理解してなかったなということもわかった。
無意識という他者とどんな関係であるのかをまず知り、相手の言い分を聞きつつ、対話を繰り返し、関係性をよりよいものにしていく・・というのがユング心理学の大きな部分だということ。
夢分析や箱庭療法、アクティブイマジネーションなどはそのための手法にすぎず、心理療法の大きなテーマである「変容」はそうした無意識との関係を変えていかない限りはおこらないということだ。
現代の心理療法はソマティック心理学のように、会話主体ではなく、感覚や体感、イメージなどからだとのつながりが大事で、安全にゆっくりおこなわれる。無意識が動き始めるには「安全」であることが必須だから、セラピストとの信頼関係はベースとなる。そのため、安全であるという感覚にこころから受け入れるのに時間がかかることも多々ある。
私はフラワーエッセンス療法をやっているから、心理療法そのものではないけれど、花というイメージやアーキタイプは使う。そしてその花のエッセンスがその人の中で開くように待つことが仕事だ。自分の仕事においても今回の講座はいろいろ役立つ部分があったかなと思う。
まだまだ消化しきれてないけど、無意識のことや心理療法についての学びは理論のみではなく、自分で取り組みながらでないと本当の理解には至らないことは承知している。
まずは、「無意識」という他者の存在を意識してみよう。
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