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早く行けば良かった!一度は行きたい屋久島はやはり一度は行くべき島だった vol.1



前書き

今年の夏、いつかはと思っていた憧れの地、屋久島へとうとう行ってきた。多くの人が語るように、この島は訪れるべき場所であり、皆がそういう理由もそこにある。いたるところで心を奪われ、自然の偉大さに圧倒されながら過ごした日々を記しました。もしいつか行ってみたいと思っている人がいたなら、今すぐ行って体感せよ!と迷わず言葉を送るでしょう。この島の素晴らしさを自分の目で確かめ、感動の旅路を体験してほしい。
とりあえず備忘録的に書いてみる。



屋久島への憧れ


2024年7月。ついに人生で一度は行ってみたいと願っていた屋久島へ足を踏み入れた。きっかけは昨年の5月、久しぶりに会う友人との何気ない会話。「来年あたりに、熊野古道か屋久島へ行きたいんだよね。亡くなった父が行きたいと言いながら、結局行けなかった場所なんだよね」。もちろん父が口にしていたのは事実だけども、森に関わる活動を始めて、その2つは行かないといけない場所の気がしてた。けれど、その話を交わしたこときは軽い思いつきレベルで、具体的に行動するほどのモチベーションは、まだその時には持ち合わせていなかった。

その時が来た

今年の友人の年賀状で「ところでいつ行こうか?」とすでに話は進んでおり、私も同じモチベーションだったかの如く、そうだね行先はどっちにしようか。そんな返答を送ってみた。結局行く先は2択であってなかったようなもの。二つとも考えてはいたものの、心の中では何となく屋久島だと決まっていた。誰もが「良かった」と口を揃えて絶賛する島。いつか訪れたいと思っていた私にとって、半世紀も経っていたことに今更ながら気づいてしまう。行くと決めたら意外と早く、遠いと思い込んでいただけで、案外あっさりといろんなことが決まっていった。来るべき時が来た。単なるやる気の問題だけど、こういうものは来るべき時に来るものだ。いや1000%友人が起こしてくれたやる気だけど。

屋久島行きが本格的になって初めて知る地形。こんな感じだったのね。

いざ屋久島へ

屋久島へは飛行機を利用して、福岡からは1日1便だけの小型プロペラ機で向かうことにした。関東に暮らす友人とは、福岡空港で合流することに。7月の予定で気になるのは天候だったけれど、予想的中で梅雨が明けて天気にも恵まれた。しかし旅行初日の移動日は雲が多く、久しぶりに上下に揺れた。機内で前の席の子供が、怖がりながらお母さんへ抱きついていた。こんな時、電車ならばつり革が、ジェットコースターなら手すりがあるのに、しがみつくものがない飛行機のなんと心許ないものか。私はどこをつかんでいいのかわからず、気持ちがフワフワとして、こういう事態のときにはどうしたら良いか、事前確認を失念していたことを後悔した。とはいえ、絶対的に信頼している日本の飛行機。まもなく屋久島空港の滑走路が見えてきて、ここにきて旅行気分のスイッチがONになる。

始まりの実感

無事に到着すると、デッキを下りてゲートまで歩いていく。こういうカントリーサイドの空港は嫌いじゃない。地に降り立った瞬間、まさに降り立ったという形容詞がぴったりで、一気に旅の始まりを実感させてくれる。

無事に到着して安堵感と期待感で変な高揚 振り返って記念にパシャリ


屋久島は飛行機の到着時間の関係で、初日は半日ほどしか時間がない。それなのにレンタカーの予約が思ったように取れなかった。もともと台数が少ないところに、このインバウンドによる人気っぷり。調べたところ、シーズンで予約が取れないのはいつものことらしい。なめていた。空港からはバスで移動することにして、一人旅らしい若い女子としばし待つ。しかも異国の方。屋久島、やっぱり人気なのね。
予約がなかなか取れなかったが、初日は空港から少し離れたレンタカー屋さんで、レンタカーを短い時間だけ借りることができた。屋久島は島の周りを周回するような道しかなくて、常に山々が私たちを見下ろしている。カーナビに紀元杉を目的地とセットしナビを開始。どこまで走っても高い山々がやっぱり見える。
これが屋久島なのか。どんな巨樹や風景が見れるのだろう。ナビの案内通り道なりを進んで右折して、徐々に山に向かって登り始める。

明星岳展望台にて 

曇り空と夕刻が重なり、あたりは徐々に薄暗くなってきた。夕方の山は少し不気味な感じもするが、心の中の期待感がそれを上回り、まずはこの目で確かめたい一心で車を蛇行しながら進めていく。

静寂の森と紀元杉


もう少しでお目見えかと思っては、思ったほどにはすぐ着かず。道中の植生を楽しみながら運転をしていると、ふとその時はやってきた。紀元杉と書かれた看板。事前情報通り、道からすぐにお会いできるようだ。
自分でも驚くほど、なぜかドキドキした。屋久島の巨樹に会えるというだけなんだけど。

遠くにちらっと見えるがまだ全貌は見たくない気も


整備されてるデッキを歩く 

静寂が支配する中、耳に届くのは鳥のさえずりと風の音だけ。その瞬間、紀元杉の姿が現れた。その圧倒的な存在感に言葉を失う。何千年もの時を経てここに立ち続けるこの巨木に、畏敬の念を抱かずにはいられなかった。初めて会ったのに、前から知っていたような不思議な気持ちが沸き上がり、やっと挨拶に来たかと言われたようだった。

下から見上げてどこまで高いのか見えない

紀元杉の前に立ち、手を伸ばしてその幹に触れると、長い歴史と自然の力を肌で感じた。周りの空気が一変し、静寂の中に包まれる。しばらくその場に立ち尽くし、何か伝えようと思ったけれど、すべてが嘘っぽく思えて何も言えなかった。

大きすぎてとても写メでは入り切れない

小雨が降っていて薄暗かった。光はなかった。けれどその薄暗さが更に静寂を深めていて、そこに佇んでいる紀元杉の歴史を深く感じるようだった。落ち着いてから、目を閉じてみた。遠くに水の音が聴こえる。小川か滝か、そこからは見えない。鳥の声も聞こえる。ずいぶん遠くに。明朝に来ればきっと違う音も聞こえるのだろう。
周りにある苔も陳腐な表現だが思わず綺麗と言ってしまった。雨だれが美しく、瑞々しさで一層花開いたように見え、すべてが絵のようだった。さすがの私も屋久島バイアスがここまで来たかと思ってしまった。
平日のこの時間だからか。周りは誰もいなくなり、私たちと紀元杉だけになったようだった。薄暗さが一層増して、離れがたいがそろそろ後にしなければいけない。

小雨がしっとりと降っていて一層瑞々しく


再び車に戻り、静かに山を下り始めた。紀元杉への挨拶で、ジワジワと雨が土に染み入るように、屋久島へやってきたことが私の体にも染みわたっていった。この地には、まだ見ぬ巨樹たちが静かに息づいている。彼らとの出会いが、どんな感動をもたらしてくれるのか、やはり心が高鳴っていた。

つづく…



屋久島への行き方

私の場合 ⇒飛行機で行く
本土と屋久島を結ぶフライトは、
JALグループのエアライン「日本エアコミューター(JAC)
大阪(伊丹)・福岡・鹿児島の3空港から直行便があります。
シーズンによっては満席になりやすいため、早めのご予約を。



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