大人向け性愛教室
男優業から片足洗い、性愛の本質を探求したり、その学びや気づきを広める活動を増やしていきたいと思っています。
時々自分が何者なのかわからなくなるのですが、最近は肩書を性愛コミュニケーター or セクシャルコミュニケーターと名乗っています。いまいち定義が難しい性愛をわかりやすく伝えていく役割や、男女間における違いやすれ違いを性愛の視点から紐解いていく活動です。
中でも1番ニーズがあるのは、性愛行為の具体的なテクニックの解説、実践練習の手引きで、動画にすることで多くの方に届けられています。
次いで求められている体感があるのが、性愛に関する事象やその解釈、その背後にある社会的文化的事情の説明です。入り口はレスの相談や、パートナーシップに関する質問だったりしますが、少し踏み込んでいくと、大体ここに帰結していきます。
そして、この先にあるのが、自分との向き合い方であり、自己認識、内観、内省になります。この時に、補助線的役割をするのが性愛だと考えています。自身の性愛のあり方、考え方を見つめることで、自分のことがかなりわかってきます。
性愛が充実してなくても生きていけますが、性愛と向き合うと自分らしい生き方が少しわかります。性という字が、心(りっしんべん)が生きていると書くのは、そういうことだったのかと勝手に解釈してます。
これからやっていきたいのは、いろいろと刺激を増やして快を増幅させていくものではなく、内側にある感覚をより多く感じ取れるようになることで快が深まる性愛行為の啓発です。仕事柄、刺激的な行為はいっぱいしてきて、それの善し悪しの判断は各々に委ねつつ、今僕が1番嬉しく幸せを感じる性愛を伝えたいのです。
大人向け性教育の講座でどんなことを話しているのか、ざっと説明しておきます。質問やご要望、ご依頼があれば、コメントに書き込んでください。
(1)大人向け動画の正しい見方
性的興奮を促すことを目的とするエロ動画と、人間が根源的に持つ性愛を描く動画は違う。前者をAVと呼び、後者を映画やドラマと呼ぶことが多い。
ただし、人が何で性的興奮を覚えるかは、各自の感性や性癖に影響を受けるので、一概に区別することはできないが、AVと呼ばれるものが、性行為をどういう描き方をするかには特徴がある。
具体的には、性器に特別な卑猥性、貴重性を持たせた描き方をする。また、男女ともに、オーガズム(絶頂)を最大の見せ場とするものがほとんど。
それから、人の体(特に女性)を物として無意識に捉えている。男性がテクニックにこだわるのは、女性の体を物として捉えているので、それの扱い方、攻略の仕方を知ることが、セックスの上手さや高い評価に直結すると思っているから。
では、相手を物として捉えない性行為は、具体的にどのようになっていくのか?
それは、心ある存在として感じていくもので、タッチの仕方も、触る(さわる)ではなく触れる(ふれる)になる。触る(さわる)という動作は、対象を形ある物として扱うときの動きであり、触れる(ふれる)の場合は、対象に内面性がある存在としてその内側(熱、感情、エネルギー、気)を感じていく動きになる。
AVの中にも、触れる(ふれる)ことを意識しているものもあるが、多くはメインとなる女性の体をいかに美しく、卑猥に、魅力的に見せるのかに注力しており、ジャパネットのようなことをしているのがほとんどである。
この区別がつかないと、大人向け動画をファンタジーとして捉えることができない。
(2)知識と社会的常識や文化、感想の区別
性の持つ要素には、生殖、快楽、親密がある。このどれにも、自分と他者という2つの立場が存在するのが、他の3大欲求(食欲、睡眠欲)と異なる点。他者が存在することで、暴力や契約、同意といった要素が付随してくる。
また、歴史の中で、時の体制側によってコントロールされたり、意味や価値付けを変えられてきていることが多い。例えば、女性の性がその筆頭で、中絶する権利は今でも多くの国で議論が続いている。
これからの性教育においては、価値や意味付けをリニューアルしていき、各自が自分で考えていけるようにするのが望ましいとされている。具体的には、LGBTQの教育がそれにあたる。
それから、医学やテクノロジーの進歩により、明らかになってきていることが多くあり、それらを正しい知識として知っておく必要がある。その知識があることで、自分の性をあるがまま受け入れ、素直に喜び、他者を自分と同じ位大切にすることができるようになる。
知識を学ぶのに、お勧めのサイトは以下になります。
●セイシル
https://seicil.com/
(3)大人の性に関する悩みからの逆算
20代以降の男性の性に関する悩みは、性器の機能(早漏、遅漏、勃起不全)か、性器の形状(大きさ)、性欲の減少、相手を喜ばせるテクニックです。
一方、女性は、性行為をしてもいまいち快楽を得ることができないことやオーガズムを体験できないといったことや、相手から求められないことに対する不満や不安になります。
それぞれの根っこに、どういった価値観や社会的背景があるかを紐解き、実際に性行為をする前に、どのような取り組み方をしてればいいのかを提案をします。
(4)性と愛
性は生きてる心と書きます。体が生きていれば、心が生きているわけではなく、体が生きていても、心が生きていないことがよくあります。心が生きているとはどういったことでしょうか?それを考えていくヒントに性があります。
性は、仏教の考えの1つに、本質の心と解釈するものがあります。心は感情であるとイメージされますが、感情は揺れ動くものです。それらを煩悩と呼んだ時、煩悩を1枚1枚剥がした真ん中にあるのが性であり、変化することなくずっと変わらずにあるもので、魂と呼ばれるものと同じです。
同性愛者の方が、一生懸命に異性愛者になろうと頭を使って、意思で、頭で、条件で人を好きになろうとするが難しく、どこまでいっても自分が好きになるのは同性である場合、心の本質がそうだということです。親や家族、社会がどれだけコントロール、教育しようとしても変わらずにあるのが性であり、本質の心です。
自分らしくあるとは、自分の中にある本質の心と深くつながっていくことです。これがすごく難しいのですが、その手助けを性がしてくれます。あるがままの性、そのままの本質の心を認めた時、受け入れた時、そこに気づけた時、心が生きているとなります。
あるがままの自分を受け入れることができた人は、他者のあるがままを受け入れることもできます。自他を同じ位大切にすることができるようになると愛するということが可能になります。
愛とは、相手を欲しい、知りたい、独占したい、1つになりたいという気持ち(入手願望)と、相手は自分のものにはならない(自他の境界線への絶望)という矛盾した気持ちや考えを両立させ、相手をあるがまま大切な存在として思い続けていくことです。
これが、親子関係で築けてると、大人になったときに、他者ともできるようになります。親子関係でうまくできなかったとしても、この考え方を知っておくことで、経験を積み重ねる中でできるようになっていきます。
性教育の最終的なゴールはここにあると考えています。
大まかにこの4つのテーマの中から、掘り下げたり、もっと具体性を持たせた方が良いものは広げていきます。
僕が講演したり、予定されている講演会やイベントを紹介します。
⭐️2024年12月7日( in 東京)
女性限定イベント
詳細は近日中にアップ
⭐️2024年12月8日( in 大阪 )
◆西日本泌尿器科学会(2024年)
https://wjua2024.nksconv.com
◆日本感染症学会学術講演会(2024年)
https://www.c-linkage.co.jp/jaid98-jsc72/overview.html
◆性機能学会(2020年)(2023年)
http://www.secand.jp/work/img/pdf/873-1.pdf
https://site.convention.co.jp/33jssm/program/
◆日本性科学会(2025年予定)
https://sexology.jp/seminartop-html/
性教育に関して取材を受けたり、記事になったものは以下になります。
◆朝日新聞https://digital.asahi.com/sp/articles/ASRD55170RCKPOMB00B.html
◆読売新聞https://www.yomiuri.co.jp/otekomachi/20240404-OYT8T50059/#google_vignette