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正社員退職2か月後の今の心境

正社員を辞めるまでの経緯

2024年に、長年勤めていた会社を一念発起で辞めて、まったく違う業界に転職しました。

そこは以前からあこがれていた業界で、胸躍らせて入社日を迎えました。しかし出社したオフィスには誰ももおらず…。デスクでパソコンの設定などをしながら待っていたら、午後になってやっとパラパラと社員の方々が出社し始めました。

労働状況は想像の斜め上いくもので、求人情報とはまったくことなるものでした。早朝出社~深夜帰宅当たり前。土日の勤務も当たり前。そして誰も勤怠を付けない…。
採用面接時に勤務時間がフレックスであること、残業が多いことはさらっとは伺っていました。「結構大変だけど大丈夫ですか?」と。
本当はここで平均残業時間や平均的な業務開始~終了を聞いておくべきだったと思います。でも「この会社で働きたい!」という気持ちが先だって、確認する勇気が持てなかったことが大失敗でした。

ある日は14時~2時、翌日は6時~23時という変則的な長時間労働。若い社員の方ばかりで、皆さん疲弊しながらもなんとかくらいついているという感じでしたが、勤続年数を聞くとだいたい1年未満、3年以上の方は皆無。
会話させていただいた一人は、「20代でないと体がもたない。超絶ブラック」と嘆き、もう一人は1対1で話しているときに突然泣き出してしまいました。私の上司にあたる方は「俺は土日も毎週仕事してるけど、勤怠つけたことがない」とどこか誇らしげに話していました。

きっとこういう業界は、こうやってずっとやってきたんでしょう。現場の皆さんは、この状況をなんとかして変えようとは思ってない感じがしました。ただ、会社の中で人事部だけはこの状況をヤバいとわかっていて、それでとにかく労務管理ができそうなミドル層を、と私を採用したようでした。今思えば若き人事部長も藁にもすがる思いだったのだろうと思います。

でもこの状況で、この若いメンバーを救うことは私にはできなかったと思います。上層部の理解のない中で、人を早急に増やし速やかに育成して、健全なシフト体制を構築する…やるべきことは想像できます。でも労務のプロではない私が助けようとしても、一緒に溺れてしまうのが容易に想像できました。理想の体制を構築するまでに数年はかかり、そこまではこの激務を並行してこなさねばなりません。
また我が家は犬を飼っているのですが、夫も激務で、夫婦二人の不在の時間が長くなる場合はペットシッターに来てもらう必要があります。このシッター代で1回4500円の出費というのも切実な悩みでした。

仕事自体は本当に興味のある業務で、数日眠らなくてもいけるような強靭な若い体があるなら、自分の100%をかけて取り組む価値があるかもしれない。でも現実的には自分は40代で、守りたい家族もいて、家族のために働きたいと思ってきました。
目が回り、混乱するなかで夫と相談。辞めるということは、現場に迷惑をかけることになる。会社の上層部とも相談し、それなら深くプロジェクトに関わる前のほうがいいだろうということで、入社後1か月で退職が決定しました。

会社の人事部は必死に「あなたには若い人と同じ働き方は期待していない。会社を変えていく側として一緒に働いてほしい」と踏みとどまるよう言ってくれました。ひょっとしたらあの時「午後はリモートワークさせてほしい」「深夜勤務できない」と自分の働き方を主張していたら承諾して貰えたかも…今となってはわかりません。
でも私はそういうところが下手で生真面目で、「現場の若いみんなが激務で働いているのに、自分だけ特別扱いなんて道義的に許されない。現場のみんなから反感を勝うに違いない」と、試してみることなく、辞表を提出してしまいました。あまりにも潔すぎたかもしれません。

今思えば会社の上層部の方々も、現場のスタッフも、殺人的な忙しさの中でもこちらを気遣ってくれて、人としては優しい良い方たちだったと思います。もしかしたら、あと数年かけて成熟して働き方の制度や環境が整ったら、安心して働き続けられる会社になっているかも。でも私はその数年は待てませんでした。

退職後2か月の心境

退職して2か月。現在は派遣社員として、ゆるゆると短時間で働いています。前職、前々職とはまったく関係のない会社の事務職です。「誰でもできるような業務」と聞いてはいましたが、本当にそうで絶句するほど。

派遣の仕事をすることになった経緯としては、長年勤めた会社で得た資金を投資信託にコツコツと預けてきたところ、2024年の為替の影響で運用資産が大きく増えたため、「正社員時代並みに稼がなくても、なんとかやっていける」というめどが立ったこともあり、夫が「派遣でもいいんじゃないの?」と声をかけてくれました。

再度転職活動してすぐにも正社員の職にありつきたい気持ちでしたが、この年齢での転職が楽ではないことは前回の転職で痛感しており、マッチする仕事が見つかったとしても3か月~半年はかかると想定できます。何日も無職の期間が続くことは精神的にもキツかったため、取り急ぎ派遣会社に登録したところ、こちらはすぐに良い職場を提案していただくことができました。

ただし派遣のお仕事は最長でも3年の期限付き。3年後には40代後半になっており、職探しはますます厳しくなっているはず。転職活動も可能な範囲で続けつつ、資格取得やフリーランスとしての生き方も模索し続けたいと思っています。この3年の選択が、今後の半生の試金石になるとひしひしと感じています。

正社員を辞めて感じた後悔


派遣の仕事を始めてみていくつか、自分で気づいていなかった自分の特技や長年の仕事で自然と身についていた使えるスキルがあることに気づきました。たとえば業務のシステム化。同じことを誰もができるようにすること。業務フローを再現性のあるように整備し、わかりやすいマニュアルを作ること。それと無駄な業務の削減、効率化も、自分では無意識でやっていましたが、今の職場で感謝されることが多くて驚いています。

今になって、辞めてしまった過去の職場で、このスキルをもっと生かしておけば良かったなと思います。「自分はこれができます」とアピールして、仕事をもらえるように働きかければよかった。在職中は、自分とあの人の仕事を交換したほうがよさそうだな」と思うことがしばしばありましたが、自分から積極的なアピールや人の仕事に口出しすることができなくて、結局「自分に向いてない仕事」を必死にやっていた気がします。

ある程度の年齢になったら、自分の得意分野や得意スキルを見極めて、そこをガンガン伸ばす。その分野のエキスパートとして地位を確立して、心理的安全性を確保することが大事だと思います。…というのを、辞めてからつくづく感じています。

在職中は「全力でやり切った」「もう無理だ」と思っていたのに、辞めてから「ああすればよかった」「もっとできたかもしれない」という思いがどんどん湧き上がってきてしまいます。後悔してももはや戻りようがないのですが…。

一つ自分への反省、他の方へアドバイスとしてお伝えしたいのが、在職中は狭い世界で視野が狭くなり、考え方も凝り固まってしまっている可能性があります。そんな時は可能なら制度等を使って数週間、数か月休職でもして、その間に転職活動をしてみて、自分の市場価値や足りないスキルなどを見極めてみるのがいいと思います。外の世界を見て見ることで、自分の今いる環境が非常に恵まれている、なかなか得難いポジションだと気づくかもしれません。

つらつらと長文になってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。
忘れないうちにと思って書き連ねましたが、時間ができたら上の文章は再整理したいと思います。

次回は「40代で転職失敗、ここからどう生きるか」について書けたらなと思います。また人生で初めて派遣で働いてみて感じていることも多々あるので、そういったことも書いていけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします!


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