伐倒体験: チェーンソーで木を切りました
10月中旬の晴れの日、
佐賀県神埼市のとある山で伐倒体験をしてきました。今回の記事はその感想記事です。
森林をつくろうと縁の深い木材会社さんにお世話になり、今回は1人1本(多い人は2本以上)の木をチェーンソーを使って伐らせてもらいました。
『木を1本』と言っても、今回伐倒したのは
直径30〜40cm、大きい物では50cm以上、
高さも30m近くある大きなスギの木です。
※ 林業では、直径を測るのは胸高直径と言われる
高さ1.2m位の位置の直径が基準になります。
なので、実際の切り株はもっと太くなります。
はじめに、いつも作業をされているプロの皆さんから見本を見せていただき、その後、参加者がプロの皆さんにサポートされながら伐倒体験をしました。
最初のお手本は、さすがプロ。
10分もしない間にスギの木は切り倒されました。
伐倒は簡単に言うと以下の3ステップで行います。
①受け口をつくる。
受け口とは、図のように三角に切ることで木を倒す方向を決める大事なカットです。
②追い口を切る。
追い口とは、①の反対側から木を切り、木を倒すためのカットです。
ここにも位置など色んな注意点があるのですが、ここでは割愛します。
③追い口にクサビをハンマーで打ち込みます。
細い木だと②までで倒れます。
私たちはサポートされながらでも、①②のカットは、チェーンソーではなかなか思うように切れません。
そして、うまく切れないので時間もかかり、チェーンソーがどんどん重く感じられるようになってきます。
音も凄いし振動もすごい。
チェーンソーからガソリンの匂いもし、チェーンソーがフルで頑張ってくれているのが肌でよく分かります。
そうこうして、やっと15〜20分かけて
1本の木を切り倒すことができました。
倒した時は、
『ドスーン!』と大きな音と衝撃が生じます。
木を倒せた、という達成感。
1本木が倒れるだけでも日差しの差し込みが増え
空がより明るい景色に変わるので
ものすごく爽快感がありました。
木を倒した後、
サッとプロの方々の切り株の角を切り落としている姿がありました。
理由を尋ねると、
この後別の木を切り倒したときに、倒した木が切り株の角に当たって
キズがついてしまわないように。とのこと。
50年60年と育ってきた木を
誰にどう使って貰えるといいか、を考え
材を大事にしながら木を伐っていくことが必要。当たり前にしないといけない。
とおっしゃっていました。
チェーンソーを使って木を倒すこと、を体験させてもらいましたが、
その技術や大変さだけでなく、
長い間育ってきた木を切らせてもらったことや
この木を次に繋げていくことへの想いも
伐倒体験から感じることがありました。
この伐倒体験は、森林をつくろうの設計コンペにも林業体験を入れられないか、というアイデアから、まずは自分たちで体験してみようと今回協力いただき、実施しました。
木造建築の木材のことを、林業の視点からも見てほしい!という思いなどなどありますが、
体験してみて感じたことが沢山あり、
人それぞれ、様々な立場で感じるものも違うなぁとも思いましたので、ぜひ実現せねば
※ 伐倒;
立っている木を切り倒すこと。林業では倒す方向をコントロールしながら切る技術を求められるため、特に切り倒す作業を示して、伐倒といいます。