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農場自動化へ向けて
こんにちは。トクイテンの森です。
10月に農水省のSBIRという補助金に採択され、申請書の準備や体制づくりなどで怒涛の日々を過ごしております。
この事業が11月から開始されたことでトクイテンの事業も大きく進むことになりました。そのなかで、1haを超える自社農場を作っていくにあたり、農場自動化についても考えを整理しました。
今回の記事はトクイテンが今後進めていく農場の自動化についてになります。
農場自動化の構成要素
これまでは収穫ロボットに集中し、その他の要素についてはゆっくり進めていこうと考えていました。SBIRに通ったことで、創業時の理念である農場全体の自動化をさらに進めることが可能になったと考えています。
農場全体の自動化を進めるためにも優先順位をつけて取り組みます。
持続可能なハウス内環境制御システム
収穫ロボット
運搬ロボット
噴霧ロボット
収穫後・出荷までの自動化(選果・パック詰め・梱包など)
その他の自動化(葉かき・芽かき・誘引)
持続可能なハウス内環境制御システム
現在すでにビニールハウス内に気温、湿度、CO2などのセンサを備えて環境制御を行っている。大規模農場でも引き続き進めていくが、持続可能性をさらに向上するため重油を使う暖房や外部購入しているCO2を工場などの排熱や排気などから回収できないかと考えている。また、堆肥熱や太陽熱、太陽光発電なども多角的に考えたい。
収穫ロボット
引き続き、吸引収穫の考え方で進めていく。日々の運用の中で収穫適期トマトの50%を収穫することを目標とする。残りを人間で収穫するとしても省力化の観点からは有用となる。
50%が達成できれば、収穫の難しい枝や葉に隠れたトマトなどにも取り組んで100%の収穫率を目指す。ただし、100%を目指した開発は進めるが、50%→51%と90%→91%の難易度は全然違うので、開発をしながら一定の性能で見切りをつけることも考える。
有機農業では土耕での栽培となるが、不整地での走行は考えず、当面はレールを走行する前提の開発を進める。栽培の都合上、畝の間の通路に敷いたレールを年一回片付けて敷き直す必要があるが、一旦、レールを敷く労力は仕方ないものと割り切る。畝間通路の移動は、AGVを利用してロボットの下から持ち上げる形で行う。
運搬ロボット
収穫物、葉かきの残渣、各種作業用ロボットの移動などに運搬ロボットが必要になる。新しい農場では必要な場所はコンクリートの平坦な床とすることで倉庫自動化用などの市販の安価なAGVを適材適所で利用することを考える。
自社で開発していた不整地走行ロボットも適宜利用する。
噴霧ロボット
有機栽培では有機農薬などを噴霧する必要がある。しかし、一般の化学農薬に比べて効きが弱いため噴霧の頻度が多く、作業者の疲労感も大きい。市販のレール上を動く噴霧機の導入を考えるが、必要なら自社開発する。
収穫後・出荷までの自動化(選果・パック詰め・梱包など)
既存の選果機やパック詰め装置を改良して、可能な限り人の介入なしに出荷の自動化をしたい。ロボット収穫されたトマトをそのまま運搬ロボットで運び選果機へ投入し、その後の作業も全自動化されることが理想。コストを考えて人の介入も適宜利用する。
その他の自動化
難易度の高い葉かきや芽かきの自動化に関わる開発などは大学などとも協力して進める。可能と分かれば収穫ロボットと同様に一気に進めたい。
収穫ロボットの進捗状況
収穫ロボットは農場でのテストを進めています。模型でのテストを繰り返してきましたが、実際の畝でのテストを来週から進めていく予定です。
来年の7月まで、実際の出荷を行うためのトマトを自動収穫する運用を続けるつもりですので、思ったような性能が出るのか、改善できるのか、怖さ半分、楽しみ半分と言ったところです。
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採用活動
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