![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164644427/rectangle_large_type_2_a62c2b50c67ca79c20dc6693601d797e.png?width=1200)
【㊗️A級昇級】秋期一軍戦振り返り
こんにちは、森野です。
先月行われた秋期一軍戦B級の振り返りをします。
私が所属する関西大学将棋部は春の一軍戦にA級からB級に降級しており、今期はA級復帰を目標に戦いました。B級は今期7大学で構成され、優勝した大学がA級に昇級、2位の大学はA級7位(8大学中)の大学と入替戦を行い、勝てば昇級という具合です。入替戦に回った場合、対戦するのは近畿、神戸、同志社のいずれかと予想しましたが、現状の戦力だとどこと当たっても不利な戦いになるため、B級は優勝しかないと引き締めて臨みました。
また、今回の一軍戦ではオーダー作成に参謀として関わりました。初めての取り組みでしたが、特にミスなくこなせたので良かったです。
[1日目]
vs大阪工業大学 6-1で勝利
vs甲南大学 5-2で勝利
vs京都産業大学 6-1で勝利
用事があったため、欠席しました。
部長の市丸が振り返ってくれることでしょう。
この日の難敵は甲南大学。元奨の中山氏や兵庫アマ名優勝の佐々木氏が今年加わり、7つのうち2つをほぼ確実にもっていかれます。残り5つのうち4つ以上を取れば勝てますが、三段の方もいるとの情報が入り、またこちらも主力が複数名出られない状況だったため、油断ならない相手でした。
結果は5-2。残り5つを全部しっかり取ってくれました。
[2日目]
vs和歌山大学 6-1で勝利
会場に着くと、部長の市丸がいません。どうやら寝坊してしまったようです。春秋連覇おめでとう。幸いにも登録14人中8人がいたため、なんとかオーダーを組めました。
私の対局は早めに終わったので全体を見ていましたが、残った対局3つが互角〜敗勢と芳しくありませんでした。
このとき関西3-1和歌山であり、3つ全て取られると負けてしまいます。
流石に不安になりましたが、しばらくして4勝目が確定し安堵しました。
また、同時間帯に大阪公立大学vs関西学院大学の対局が行われていました。どちらもこれまで全勝であり、この勝者に勝つことでB級優勝に近づきます。結果は公立4-3関学でした。よって次の大阪公立大学戦がB級優勝への大一番になりました。
公立vs関学戦を見終わり、和歌山戦の結果を確認すると6-1で勝っていました。6-1…?特に下村先輩は必敗の局面をどうやって捲ったんだろうと不思議に思っていましたが、お相手の時間切れで勝ったようです。やっぱり覇王色の覇気を纏っているんだ…。
vs大阪公立大学 5-2で勝利
5回戦の相手は大阪公立大学。全勝同士の対戦です。すでに優勝争いは関西大学、大阪公立大学、関西学院大学の3校に絞られており、既に関学戦を勝利した大阪公立大学に敗れると、大阪公立大学に全勝優勝されてしまう可能性が非常に高くなります。
今回の一軍戦では、オーダー作成の際に大阪公立大学を対抗1番手において考えました。
エースの上田先輩を十一将に置いたのも公立戦を考慮してのことでした。
これに限らず、様々な対策を講じて迎えた大阪公立大学戦。狙いの藤田-吉田、平-松本のカードが実現し、オーダーで一本取れた感覚がありました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164131204/picture_pc_09fc28af4e0cbccbec0adaf01bf57cd9.png?width=1200)
私の相手は平杉氏。春の一軍戦には未出場でしたが、大阪公立大学の主力メンバーの一人です。今回の記事の締めに振り返りますが、序中盤の内容は最悪と言っていいレベルでした()
終盤で誤魔化してなんとか勝てましたが、良くない勝ち方ですね。反省です。
さて、チーム全体はというと、実は私の勝利が4勝目で関西大学の勝利が確定したようです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164133435/picture_pc_b03862241cdfc96bf23704cc79a817b9.png?width=1200)
関西大学側のギャラリーがほとんどいなかったので、まさか4勝目だとは思っていませんでした。さて、大勢が決し、残すは平-松本戦のみとなりましたが、局面は既に勝勢となっていました。後述しますが、ここを取って5-2になるか、それとも4-3となるかで関西学院戦で要求される勝数が大きく異なるので、なんとしても勝ちきって欲しいところ。血も涙もない堅実な指し回しで5勝目を決めてくれました。流石です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164136196/picture_pc_870636fa5f5be2ba19bcd74ee5442573.png?width=1200)
勝負の大阪公立大学戦に5-2で勝利し、B級優勝を目前にした関西大学。最終戦前の昇級争いは以下のようになっていました。
関西大学 勝点5 勝数28 最終戦 関学
関西学院大学 勝点4 勝数23 最終戦 関大
大阪公立大学 勝点4 勝数22 最終戦 大工
順位は勝点>勝数>前期順位により決定するので、この時点で関西大学がB級優勝を逃すパターンは勝数で上回られることでした。仮に大阪公立大学が大阪工業大学に7-0で勝つとして、関西大学が関西学院大学戦を1-6で終えた場合、以下のようになります。
優勝 関西大学 勝点5 勝数29
2位 関西学院大学 勝点5 勝数29
3位 大阪公立大学 勝点5 勝数29
なんと3大学の勝点、勝数が全て並び、前期順位で優勝となります。2-5以上の結果なら言わずもがな。関西大学は最終戦で0-7負けさえなければB級優勝というところまで来ていました。(もし0-7負けならV逸はおろか、3位にまで沈む可能性があります。まさに天国と地獄である。)
仮に平-松本で平負けだと、『1-6以上で優勝確定』のところが、『3-4以上で優勝確定』になっていました。やはりこの1勝は大きい…!
👤『6つ負けられる。』
まぁ確かにそれは事実ですが、そんなこと言っていると本当に7つ負けてしまうので最終戦は予定のオーダーから1人入れ替えるにとどめました。
vs関西学院大学 5-2で勝利
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164140577/picture_pc_9c100ecf16f1afc07c0811dd73237b8d.png?width=1200)
誰か1人でも勝てば関西学院に負けても優勝でしたが、しっかり5-2で勝ち全勝優勝という最高の形で締めくくれて良かったです。
[来期に向けて]
主力の4年の先輩方が抜けるので、厳しい戦いが予想されます。全体に向けて言える人は他にいると思うので私個人の目標になりますが、A級で3勝できるよう棋力を高めていきます。
【対局振り返り】
大阪公立大学戦、平杉氏との一局。私が後手になりました。事前に中飛車党との情報を得たのですが、▲7六歩△3四歩▲6六歩で困惑。平杉氏とは1週間前から当たると予想しており、中飛車の対策ばかりやってきましたが、これは一本取られた形になりました。不利。
▲三間飛車石田流vs△右四間飛車ミレニアムになりましたが、度々あった仕掛けるタイミングを逃し、42手目にようやく仕掛けました。(図1)
自分の桂頭の歩を突いて…
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164355416/picture_pc_35dc448568afa9f2c34247740033fb9d.png?width=1200)
この男、将棋を分かっていない。
石田流を組まれ、やや先手ペースという将棋でしたが、このままだとじわじわと差を広げられて負けてしまうと思い突いた次第です。
もっと早よ仕掛けんかい。
進んで図2の局面。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164355920/picture_pc_42c87c4dd77fbcb1b3ff5f26c458e443.png?width=1200)
縦から攻めていきましたが、攻めが続かないと思ったので、ここから金銀を捨てて猛攻にでます。自爆では…?△同金▲同角△6二飛▲6五歩△3七歩▲同桂△同桂成▲同銀△6五銀▲同銀△6四飛▲同銀△6七角(図3)と進みました。
(手順前後あるかもです。)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164356534/picture_pc_e769ea3fb07dae5f8d2268c8141549b4.png?width=1200)
既に先手勝勢。こちらの攻めはあまりに細く、自玉の守りはちい◯わ…最低限のミレニアムです。
ここから▲7四飛△4九角成▲3八銀と進み、△1七金と打ちました。▲2九玉と逃げられると△5八馬と引くしかないですが、本譜は▲同香と進みました。△同角成▲同玉△3八馬とした局面(図4)は、3八の馬が4七の金、7四の飛車を睨んでおり、これで互角に戻りました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164636954/picture_pc_d8a8bac1a02bb6c320db184b2f2116f9.png?width=1200)
図4から▲6五角と指され、△3二香▲3三歩△同香▲3四歩△同香▲4三角成△3二歩▲3四馬△4七馬▲7一飛成(図5)と進みました。▲6五角と指された局面は△2五桂▲2六玉△3四銀が、角の成り込みを防ぎつつ詰めろをかける好手順で後手勝勢になります。本譜の△3二香も次善手で悪くないですが、△2五桂から迫る順はわかりやすく勝ちの局面になるので指したかったですね。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164638406/picture_pc_76c9b236e16108f054d64dce1b9344b8.png?width=1200)
図5から△2五桂打▲同馬△同馬▲2六金打△3九角打▲2八銀△同角成▲同玉△3七銀打▲同玉△4七金打▲2八玉△3七銀打▲1七玉△2六銀成▲同歩△3七金(図6)と迫ります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164641501/picture_pc_2aa522ed20d7cda8ac0556287be02b0a.png?width=1200)
次に△2七金打の一手詰と、△1六馬から端を活用して詰ます2通りの狙いがあり、ぱっと見は後手勝ちのようにみえますが先手勝勢です。どうやら▲3一龍で詰みor必勝の局面に持ち込めるようですが、この手は始めに飛車を渡すこと、長手数であることを考えると指しにくいと思います。しかし、▲1三桂と指されても先手勝勢でした。△同香や△同銀だと後手玉を詰ましやすくなり、△1二玉だと香車の効きを玉が閉ざしてしまうので端を活用して詰ませる順が無くなります。そこから▲4五角といった手で受け潰されます。
▲3一龍、▲1三桂の他に、▲2七銀(金だと即詰み)もありますが、これは激戦。
本譜は▲1三桂を入れずに▲4五角とされたので△1六馬▲同玉△1五歩▲1七玉△1六歩▲投了となり、勝つことができました。
また頑張ります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164644296/picture_pc_d9d6005e36519b3714412257fbd968a2.png?width=1200)