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「千年チョコレート」-川柳34

左目で奇妙な寺が見渡せる

ささくれる月を剥いては一輪車

ずいぶんと落馬に近い朝ぼらけ

千年の孤独を知ったチョコレート

海開き一〇階建てのビルが生え

定規からたちまち闇が溢れ出す

ざんざざん定時で帰る波の音

轟きは歯医者持ち去るスクラップ

消失でまばゆいばかりのお友達

ラーメンになるとのの字もお辞儀する

#川柳 #現代川柳

※第21回川柳マガジン文学賞 尾藤川柳氏選 秀逸

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