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ぼくきみ

いつかぼくはきみと一体化して、「ぼくきみ」になる。いつか「ぼくきみ」は、互いに言葉を交わさなくなる。息苦しく感じるのは、二倍の空気を肺に満たすから。融解、融合する。自我は形を成さなくなり、液状になって混ざり合う。ぼくの美化された記憶に取り込まれた、きみという名の幻。さよなら、もう二度とぼくの前に現れないでね。

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