#ありがとう創作大賞 「やってはいけなかった医療」を振り返って
豆島圭さんのご提案 #ありがとう創作大賞 に、遅ればせながら便乗させていただきます。
書こう!逃避、書く!逃避。
なかなか継続的に向き合えず、焦燥を募らせながら十数年。
気持ちの変化があったのは去年。
森仁(もりと)を亡くしてからの年月と同じ時間が経過すれば、自分の両親が亡くなった年齢になる。
そう考えると、この先とてつもなく長いわけではない。
人生のゴールを今までより身近に感じ、過去を振り返って嘆くよりも、現在そして未来に向かって歩めるようになりました。
「note」に会員登録をしたのは5年前。バッチのご褒美だけを受け取り、そのまま放置。久しぶりに開いたnote。そこで見つけたのが創作大賞2024。
自分の中で期限を設けなければ、何もしないまま月日は流れてしまう。
明日どうなるかわからない。このままあちらの世界へいくことになれば、後悔だけが残り、もがいて昇天できないであろう。
いい加減本腰を入れなければ…。
2024年5月半ば、参加を決意!
目標、7月初旬に投稿!!
しかし、文章を書くことから遠ざかっており、脳内がぐちゃぐちゃで途方に暮れる。果たしてまとめられるのだろうか。脳のさびを落としながら、書き始めてみる。
当時の日記、手帳、写真、寄稿集、カルテ、資料…を久々に読み返す。日記は書きっぱなしであり、あの時以来初めて目を通す。
花粉症の季節はとうに過ぎていたのに、ティッシュはあれよあれよと減り、鼻の皮膚はボロボロ。
少し文字を打っては、涙を拭き鼻をかむの繰り返し。まぶたは三重に。
あー、つらかったね。
よく頑張ったね。
それなのに…ごめんね。
と遺影の森仁に語りかける。
そして、おじさんになった長男と、お兄さんとおじさんの境目の三男に、どんなにか大変だったろうと思いを馳せる。そして、また涙が溢れる。
どうにかこうにか形にし、トータル20000字程になった作品は、エッセイ部門からオールカテゴリ部門に変更して、締め切り当日滑り込みで投稿。
期限を設けるために応募を決めた創作大賞は、森仁との深い対話を可能とし、人生最大の課題をひとまず完成させて、安堵という副産物を得ることができました。
そして「スキ」をいただき、読者の方に届いていることを実感しました。
森仁の命を奪った医師、この件を闇に葬った病院に対し、社会的制裁を加えることが、森仁の命を無駄にしないことにつながるのではないか。
そう考えていた時に発信していたら、攻撃的で読みづらい文章になっていたかと思うと、亡くして19年が経とうとしている今この時期の投稿が、必然だったのかもしれません。
ここまで辿り着くことができたのは、心強いサポートがあったから。伴走してくれたのは、がんの子どもを守る会主催の「小児がんの子どもたちの絵画展」で知り合った福美ちゃんとママ。
福ちゃんもまた、別の病院で別の医師による「やってはいけなかった医療」の犠牲者。
福ちゃんのママに進捗状況を報告。ママから応援のメッセージが届く。完成を自分のことのように喜んでくれた福ちゃんのママは、まるで「お母さん」のような存在でした。
そして天からの応援、福ちゃんありがとう。感謝!
大病ばかりでなく、感染症や生活習慣病のような身近な疾患でも、医療者任せにせず、病気と健康、医師や医療機関に関する情報を収集し、医療者とコミュニケーションをとり、病状や治療法などを理解した上で、自ら意思決定する患者力をつける。
そして医療者は、倫理観を持って患者の尊厳を守り、安全な医療を提供する。
身近な人へ患者力を啓発していただければ、森仁の命を無駄にしないことにつながります。
「これをやるまで死ねない。」の課題は一区切りつきましたが、次なる取り組みについて只今妄想中です。