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脳と時間をむしばむ悪習慣


スマホが及ぼす影響


「朝起きた瞬間」

「ご飯を食べているとき」

「通勤通学の時間」


「仕事のちょっとした休憩時間」

「一日の仕事を終え、帰宅した隙間時間」


ついさわってしまう。何が良くて触ってしまうかわからない。だけど、気が付いたら触ってる。試しに意識的に次のように観察してみると、客観的にこんな光景が目に映ると思います。

電車で回りを見渡してみると、9割を超える人がスマホの画面に映る何かを見ている。

赤信号を待つたった数十秒でも、無意識的にスマホを手に取り、何かを見ている人たち。

飲食店でご飯を食べている間、人間が五感をフルに使って楽しむことができる食事という最高の瞬間を集中せずに、食い入るようにスマホに映る何かを見ている人たち。

現代においては、多くの人が多くの時間をスマホに映る「なにか」を見ています。しかし、その「なにか」はほとんどの場合、人生に対して重要ではないもので、人生の貴重な時間を「なにか」を見るために消費しています。ショート動画が普及してから、その傾向はより強まったように感じます。

この光景を俯瞰で見たとき、とてつもない恐怖に襲われました。何百万人という人たちが取りつかれたように、アルゴリズムに誘導させられ、大量生産されたコンテンツに貴重な人生の時間を消費している。

インターネットを通じてスマホに映し出されるコンテンツは、脳の報酬系のシステムを巧く使った、中毒性を持つように設計されています。

私たちは、それらのコンテンツに無意識的に時間を消費するように、仕向けられていると言っても過言ではないかもしれません。

ユーチューブなどのsnsが広く認知され、普及したのは、2014年頃ですが、その時から私たちはいったいどのくらいの時間をスマホに費やしているのでしょうか。

一日に触るスマホの時間を仮に2時間として、これをサービスが普及してから10年間続けていたとします。この時、丸々10か月間、朝から晩までぶっ続けでスマホを視聴していることになります。

時間に換算すると7300時間となります。10000時間、何かをやるとプロになれるいう法則がありますが、それに匹敵するほどの時間をスマホを見ることに消費していることになります。

スマホに消費された時間が戻ることはありません。ついさっき見た動画の内容も覚えていないでしょう。特にショート動画は、中身がなく、人間の報酬系が喜ぶように設計されているので、つい見てしまうが、何も得ることができません。


もちろん、スマホによって私たちの生活は想像もつかないほどに便利になりました。スマホは私たちの生活には欠かせないものの一つです。おそらく、この記事をスマホで見ている人もいると思います。

この利便性をすべて無視するほど、スマホの利用を制限することは現代に生きる人にはできないことです。


問題は、その気軽さゆえに使用方法の区別が認識できないということです。利便性と依存性は表裏一体の関係にあります。

連絡をする機能、調べ物をする機能、エンタメを見る機能、などのいい意味でも悪い意味でも、ありとあらゆる機能を持ち合わせているのがスマホです。

特定の機能だけを使おうとしても、コンテンツを見るきっかけがあまりにも身近にあって、そのハードルがあまりにも低いために、コンテンツを消費することに流れてしまう。


何度も言うようになってしまいますが、スマホを触って何かコンテンツを見るときに、そこに意志とかそういうものはないです。ただ、無意識的に導かれるかのようにコンテンツを流見しています。なぜ、見ているのか説明することはできないです。なぜなら、自分の意志で見ているのではないからです。人間の脳が依存してしまうように設計されたシステムの上で、時間を消費するように促されてしまっているのです。


本能レベルで、依存してしまいます。そして、それに気づくことが難しいこともあります。

私たちは、意識的にスマホの使用方法について向き合う必要があります。そこでここからは、どのようにしたらスマホの使用をコントロールすることができるのか、具体的な対処方法を説明したいと思います。また、悪習慣を断ち切るための記事を書いているので気になる方はこちらもご覧ください。


人が行動をとる仕組み

人が行動をとる仕組みはおおよそ以下の流れになっています。

きっかけ

報酬の予測・欲求・願望

行動

反応・報酬

そのため、これらの一つ一つの段階に対して分析して、対策をデザインしてくことが重要になっていきます。

また、これは裏を返せば、良い習慣を取る方法にもなっています。ぜひ取り入れたい良い習慣のこともイメージしながら読んでみてください。


スマホ依存を防ぐために

これから挙げる項目は、ノートに書くようにしましょう。考えるということは肉体的な作業を必要とします。スマホやパソコンにメモするのではなく、ノートにペンで手を動かしながら、物質として文字を書くことが重要です。ぜひ、ノートとペンを用意してから読んでみてください。


①問題を認識する

まず、スマホの使用がどのように生活に影響しているかを認識することが重要です。

そこでまず、スマホで消費してしまった事実をノートに書き出しますその時、その行動の前と後でどのような感情になったのかを正確に書きます。

具体的には、以下の点をノートに書き出してみましょう。

  • スマホを使う具体的な時間帯と状況

  • スマホを使う前後の気分や感情

  • スマホの使用が引き起こすネガティブな影響(例:睡眠不足、集中力の低下)


② トリガーとなるものを周囲から取り除く

次に、スマホ使用のトリガーを特定し、それを取り除きます。
スマホをつい触ってしまうのは、通知がなるからでしょう。通知がならなかったら、スマホに気を留めることはなかったはずです。さらに言うと、スマホが手元になかったら、そもそも存在自体が頭にないでしょう。

よって、トリガーとなるものを物理的に取り除くか、環境を変える工夫をします

具体的な対策として

  • スマホの通知をオフにする

  • 就寝前や仕事中にスマホを別の部屋に置く

  • スマホの利用時間を制限するアプリを活用する

が有効です。

③魅力をなくす

snsやユーチューブで時間を消費することがどれだけ不利益かを具体的に想像し、ノートに書き出します。

スマホを触り続けた先にどのようなことがあるのか、感情とともにできるだけ具体的にノートに書いていきます。自身の経験したことでもいいですし、予想されるようなことでもいいです。

  • スマホを触り続けたさきにどのような未来が待っているのかを感情とともにノートに書く。

  • 例えば、夜遅くまでスマホを使うと、翌日の体調や仕事の効率にどれだけ悪影響を与えるかを感情とともに具体的に書き出しましょう

こうすることで、スマホの使用を避ける動機が強くなります。


④難しくする

そもそも、スマホが手元になかったり、使用するのが面倒なら、スマホに触る頻度は少なくなるでしょう。そのため、スマホを使用することを物理的に難しくし、特定の機能以外の使用する際の工程を増やします。以下の方法が効果的です。

  • スマホのアプリをアンインストールする

  • スマホを使うためのパスワードを複雑にする

  • スマホを使用するために特定の条件を満たさなければならないようにする(例:家族にパスワードを設定してもらう)

  • 作業に取り掛かる際は、ポケットではなく、バッぐの中にしまう


⑤報酬を少なくする

人間の脳は報酬を求めて、行動をします。スマホを触るのを減らしたければ、スマホを触った時の報酬を少なくするような工夫が必要です。そこで、効果があるのが、代替となる活動を見つけ、相対的にスマホによる報酬のランクを下げることです。他に報酬を得られる行動を身に着けることができれば、スマホを触る時間があればその行動をしたいと思うようになります。例えば

  • 暇な時にスマホを触るのではなく、料理や読書をする

  • 気分転換に散歩やストレッチを行う

  • 時間が空いたら勉強をするようにする


最後に

時間の使い方が変われば、日常の習慣が変わる。日常の習慣が変われば、思考のパターンが変わる。思考のパターンが変われば、行動が変わる。行動が変われば、結果が変わる。結果が変われば、人生が変わる。

スマホの使用を一切やめることは現代に生きている限りはできません。実際に、この記事をスマホで見ている方もいると思います。しかし、使用方法について意識的になることができれば、時間を消費することをなくせると思います。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。この記事を読んで、人生の時間の使い方を見直すきっかけになられたのなら幸いです。



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