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Tokyo Happy Coats『奥の細道』 【B-1】謎の”女ビートルズ”を追っかけろ!
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(本稿はアメリカのTokyo Happy Coats研究家Roy Baugher氏の許可を得て日本版サテライトコンテンツとして作成、画像や情報などを共有させていただいております。)
(【A-7】沖縄に入れば天勝が飛び出すイリュージョン)
から続く
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■もうひとつの謎雑誌、”女ビートルズ”はどこにいる?
GHLのグラビア写真が掲載された雑誌か新聞があるが、それが何という媒体なのか同定できないか、とBaugher氏から依頼を受けた。
I do not know the magazine or newspaper it came from. I think it might be an NHK publication. The images are from a show the band played at Yokohama on 17 May 1964. If you find what magazine or newspaper this article came from, let me know.
どの雑誌や新聞から来たのかはわかりません。NHKの出版物かもしれないと思います。画像は、1964年5月17日に横浜で行われたバンドの公演のものです。この記事がどの雑誌や新聞から来たのかがわかったら、教えてください。
つまり探求テーマの2番目、
2.『女ビートルズ』と銘打たれた雑誌グラビア記事の出所は何? 筆者はどんな人?(記事に掲載された画像は1964年5月17日に横浜で行われた公演の模様というが、掲載誌が不明)
である。この誌面に関するBaugher氏の元のフィードは以下。
Not the Fab Four, but the Fab Five! 😉 The Gay Little Hearts (later Tokyo Happy Coats) are likened to the Beatles in a...
Posted by Tokyo Happy Coats on Tuesday, June 27, 2023
◇ ◇ ◇
それにしても、”女ビートルズ”とは凄いタイトルだ。ステージ写真が1964年5月ということであれば、出版されたのは同年6月か7月初旬あたりか。記事の本文にはGLHが8月に渡米することが記されているので、それくらいの時期だろう。
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この時期といえば、ヨーロッパを席巻したビートルズが1964年2月アメリカに渡って『Ed Sullivan Show』に初出演、人気が爆発してついにビルボードHOT100の上位5位を独占する快挙を成し遂げた直後。
日本では、アメリカでの”ビートルマニア”の熱狂ぶりが伝わった1964年4月15日に東芝音楽工業が日本編集盤LP『ビートルズ!』をリリースし、国内でのブームに火が付いた。そんなご時世にあやかった記事タイトルである。
さらに「G.I.がしびれた」という見出しも、いかにも1960年代前半らしい言語感覚だ。今の若い人には「?」だろう。若者用語だった【しびれる】の語義は「音楽や芝居、容姿などに刺激を受け、非常に興奮したさまや魅了されたさま」を指す(日本語俗語辞典)。用例としては”ポールの笑顔にしびれちゃうー”など。死語と化して久しい。
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■記事の筆者「奥田宗宏」とはいったいどういう人物なのか?
本文を書いたのは、”NHKオールスターズ指揮者”の肩書きを持つ奥田宗宏氏だ。(以下敬称略)
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奥田のプロフィールや記事内容の検証については、Baugher氏の元フィードに詳細が記されている。合わせてフィードもご参照を。
彼は戦前からのベテランドラマーで、NHKのポピュラー音楽部門のハウスバンド『NHKオールスターズ』や、ソーシャルダンスに特化した『ブルースカイ・ダンス・オーケストラ』のリーダーとして活躍。また恵比寿駅前にあったジャズ喫茶『ブルースカイ』のオーナーでもあった。
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戦前からスタートしたキャリアの長い奥田は、所属していたNHKの書籍だけでなく、1950〜60年代の音楽雑誌『スイングジャーナル』『ミュージックライフ』をはじめ様々な専門誌や雑誌、年鑑などに数多く露出するほどの斯界の名士だった人。
◇ ◇ ◇
私が奥田が綴った本文で注目するのは、この箇所。
私が彼女たちがやっと楽器を弾くようになったころから一緒に仕事をしたことがあるが 最近はめっきり大人になり同時に見事なテクニックをつかんでいる
彼女らの楽器弾き始めといえば1955年頃か。アクロバットから音楽バンドへと持ち芸のスタイルを切り換えた(であろう)子供の時分に、同じ基地サーキットで両者は出会ったのだ。
GLHに馴染みの薄い日本人向けに、ビートルズを引き合いに出して米軍界隈での人気ぶりを紹介し、渡米とその後の飛躍に期待を込めた筆致。私はそこに、奥田の”親心”を感じてしまう。苦しい戦後の一時期を共有した者同士のシンパシーとでもいうか。
しかし、先のBaugher氏のフィードで言及されているが、奥田が願っていたGLH帰国凱旋公演はついに実現しないままに終わった。彼女たちは新天地アメリカでTHCとして生きていくことを選んだ。
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■それで、掲載誌の正体とは何なの?
結論からいうと、まったく尻尾が掴めずでやんした。はあ〜。
google検索+画像検索、国会図書館デジタルコレクションの全文検索+画像検索などを入念に行ったが、ピクリともせず。特に国会図書館デジタルでは、”奥田宗宏”で検索を掛けたら、1945〜1990年の幅でも300件以上の掲載誌や書籍が表示される。でも”女ビートルズ”に該当するものは顕れてはくれない。
さらに神頼みでChatGPTにも願いを托してみたが、そのご託宣は、
1964年に「女ビートルズ」という記事が掲載されたのは、女性音楽グループ「スリー・ビートルズ(The Three Beatles)」を特集したものです。このような記事が掲載された雑誌として知られているのは、少女向け雑誌『りぼん』です。当時、ビートルズの人気にあやかって様々な媒体で関連の記事や特集が組まれていました。
この情報は一般に知られているもので、具体的な号やページ番号については当時のアーカイブを調べる必要があるかもしれません。
The Three Beatles? りぼん?? 万事休す。
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■さあ、ハコモリ家”Family Histroy”探索の細道へ。
気を取り直して、次は5番目の探索テーマ、
5.姉妹の母の名はハコモリ・シメ。父親のファーストネームは不明。彼女たちには兄弟が2人いて、その兄弟は1960年代から1970年代にかけて体操選手だったらしい。→全国大会や五輪クラスでハコモリという体操選手が実在したのかどうか?
へと歩を進める。期せずしてその道中は、GHL/THCの”Family Histroy”を辿ることへと繋がっていく。
実は、このテーマ5を解きほぐす道すがら、意外な新事実に気が付いて、証拠物件が姿を現してきたのだった。
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