マガジンのカバー画像

NOTEでのオリジナル記事

83
他サイトからの転載、再編集ではなく、NOTE.COMで最初に書いた記事を集めます。後に他サイトに転載することはあります。
運営しているクリエイター

#タロット

象徴の3つのレベル、体系と実践

前稿の中で、象徴の3つ種類について、短く私論を書きました。 本稿では、これについて、神秘主義思想や密教の、実践や理論・体系を、例をあげながら考えてみます。 本投稿では、3つの象徴レベルを、1)表象的象徴、2)秘儀的象徴、3)合一的象徴と呼びかえます。 かなり長めの投稿になりました。 3つの象徴レベル まず、前稿では、以下のようなことを書きました。 「象徴」というこの言葉は、分野によって、人によって、様々な意味で使われます。 「象徴」は、言語が持つ比喩の働きから生まれ

魔術タロットの歴史4:革新と発展

「魔術タロットの歴史3:黄金の夜明け団」に続く、最後の投稿です。 本稿では、「黄金の夜明け団」やクロウリーのタロット理論を継承しながらも、斬新な改革を行った魔術師、及び、「黄金の夜明け団」を継承した新世代の魔術師、タロット魔術を発展させた魔術師の、歴史と内容についてまとめます。 タロットの神格を召喚するタロット・タリスマン魔術についても紹介します。 革新的なタロット理論 「黄金の夜明け団」のタロット理論に大きな変更を加えた二人の魔術師のタロット理論を紹介します。 >

魔術タロットの歴史3:黄金の夜明け団

「魔術タロットの歴史2:レヴィと継承者」に続く投稿です。 本稿では、タロットを実際に魔術に使用した結社「黄金の夜明け団」とその分派による、魔術タロットの歴史とその内容についてまとめます。 黄金の夜明け団 ・1879年頃 「英国薔薇十字協会(SRIA)」の主要メンバーで、フランスにエリファス・レヴィを訪問したこともあるケネス・マッケンジーが、タロットに関する書とカードの出版を予定するも、出版されずに終わる。 また、おそらく、「黄金の夜明け団」設立のきっかけとなる暗号文書を

魔術タロットの歴史2:レヴィと継承者

「魔術タロットの歴史1:遊戯タロット、占術タロット」に続く投稿です。 この投稿では、タロットが魔術用に使われるようになる前史をまとめます。 タロットの魔術化の重要な動きは、フランスで起こりました。 ユダヤ教のカバラ ・3C頃 アレキサンドリアで、ユダヤ神秘主義の書「セフィール・イエツラー(形成の書)」が書かれる。 この書には、1から10までのセフィロート(数)、及び、22のヘブライ語アルファベットの象徴体系が「智恵の32の秘密の径」として説かれる。 セフィロートは、6

魔術タロットの歴史1:遊戯タロット、占術タロット

一般の人にとって、タロットと言えば、占いの道具であって、胡散臭いものでしょう。 それが魔術の道具でもあると聞けば、さらに胡散臭さが増し増しになるでしょう。 証拠が残っている事実から判断すると、タロットは15Cの北イタリアで、遊戯用のカードとして生まれました。 その後、18Cにフランスで占いに使わるようになり、さらにその後、19-20Cにイギリスで魔術に使われるようになりました。 それに応じて、タロットの絵柄とその象徴的な意味は変えられてきました。 魔術タロットは、改変され