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NOTEでのオリジナル記事

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#意識

意識について 1(脳科学の統合情報理論などの観点から)

「意識」や「クオリア(意識の対象・内容となる質感を持つもの)」という不思議な存在については、若い頃から良く考えてきたテーマでした。 少なくとも人間にとっては、「意識」と「クオリア」を持っているということは、生きるということそのものだと思います。 「意識」について、前・中・後編、追加の4つの投稿で考えます。 この前編では、脳科学、特に統合情報理論を参照しながら、意識とその意味について考えます。 そして、中編では、夢理論のNEXTUPモデルを参照しながら、睡眠と意識につい

意識について 2(夢理論のNEXTUPモデルなどの観点から)

この「意識について」の中編では、最近の夢理論「NEXTUPモデル」も取り上げながら、夢と夢のない眠り、レム睡眠とノンレム睡眠について、そして、それらと対応する思考の種類について考えます。 *3つの投稿では、以下の意味で次の言葉を使います。 覚醒:寝ておらず、起きていて自分の体験に自覚のある状態 睡眠:夢のある眠りと、夢のない眠りの両方の状態 夢見:睡眠中に夢を見ている状態(意識がある) 熟睡:深い睡眠状態ではなく、夢を見ない眠りの状態(意識がない) 想起:記憶を思い出すこ

意識について 3(瞑想、インド思想、神秘主義、心理療法の観点から)

「意識について」の第3編です。 今回は、瞑想や、インド・仏教思想、神秘主義、ラディカルな心理療法の観点からの考察です。 瞑想的な状態で体験される特殊な変性意識を考えて、意識のマトリクスやメタ意識の意味について考えます。 かなり長めの投稿です。 瞑想における変性意識状態 脳科学で注目されている意識論に、「注意スキーマ理論」というのがあります。 これは、主体としての自己の内部モデル(の表象)と認知対象を関係づける注意スキーマが存在するとする理論であり、自我意識、自己認識が

意識について4(量子論の観点から)

この投稿では、意識について量子論の観点から考えた物理学者の3つの説を紹介します。 量子論的な脳理論というのは、脳をニューロンの電気回路と捉える古典的モデルではなく、場の量子論や量子重力理論のミクロな観点から考えるものです。 「意識について1(脳科学の統合情報理論などの観点から)」では、意識について、統合情報理論を紹介しながら、脳科学(神経生理学)的に考えました。 その中で、統合情報理論では、統合情報量が自然数で表されるので古典的に捉えられているけれど、ダブリン大学・トリ