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NOTEでのオリジナル記事

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#ルドルフ・シュタイナー

3つのレベルの意識と瞑想

意識の3つのレベルという観点から、それぞれのレベルの意識を変えるプロセス、方法についてまとめます。 具体的な部分では、仏教、人智学、プロセス指向心理学の理論と実践について触れます。 意識の三つのレベル この稿では、意識に「合理的意識」、「夢的意識」、「直観意識」という3つのレベルがあるという図式で考えます。 この3つのレベルの意識の大まかな特徴は、思考の観点からは、「論理的/連想的/直観(直感)的」です。 それぞれの意識で使用されている重要な要素は、「概念的言語/象

意識について 3(瞑想、インド思想、神秘主義、心理療法の観点から)

「意識について」の第3編です。 今回は、瞑想や、インド・仏教思想、神秘主義、ラディカルな心理療法の観点からの考察です。 瞑想的な状態で体験される特殊な変性意識を考えて、意識のマトリクスやメタ意識の意味について考えます。 かなり長めの投稿です。 瞑想における変性意識状態 脳科学で注目されている意識論に、「注意スキーマ理論」というのがあります。 これは、主体としての自己の内部モデル(の表象)と認知対象を関係づける注意スキーマが存在するとする理論であり、自我意識、自己認識が

ゲーテ「メルヒェン」とシュタイナーの解釈

ゲーテの「メルヒェン(緑の蛇と百合姫のメルヒェン)」は、ゲーテの「ドイツ避難民閑談集」(1795年)の最後の物語です。 「ドイツ避難民閑談集」は、物語の中で多数の物語が語られる枠物語という形式の物語です。 「メルヒェン」は、非常に謎に満ちた物語です。 ゲーテ自身は、「わたしの黙示録である」とか、「100通りの解釈ができる」と語りましたが、それ以上の具体的な解釈については語りませんでした。 また、物語中では「物語は解釈してはいけません」とも語られます。 そのため、「メルヒェ

ブラヴァツキー夫人(神智学)における秘密教義とミトラ教の堕天・帰天神話

近代神智学の創始者であるブラヴァツキー夫人は、キリスト教が堕天使や悪魔として描いた存在は、人間の進化のために人間に受肉した霊的存在であったとし、これが秘教・秘密教義の核心であると考えました。 ブラヴァツキー夫人のこの宇宙・生命進化論と神話解釈のバックボーンとなるのは、イラン系宗教、特にミトラ系宗教の堕天・帰天神話です。 この投稿では、これらに加えシュタイナーによる宇宙・生命進化論と神話解釈について、簡単にまとめて紹介します。 ミトラ系宗教とマズダ教・キリスト教 まず、