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【全員】ナミビア④
さて、旅も終盤。長かったドライブも過ぎてみればあっと言う間。
現在は、Cape Crossのキャンプ場で目覚めたところです。
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全長、1,375kmの旅もゴールが見えてきてしまいました。
「ナミビアへ行ってくる」と友人たちに伝えるたびに、「ナミビア…どこ?何があるの?アフリカ?」と聞かれて、「砂しかないみたい(笑)」なんて言っていましたが大間違い。
もちろん、砂も多い。でも、間違っても「それだけ」じゃない魅力の塊。それがナミビア。来ればわかる。
ここまでの旅はこちら
本日のドライブ
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と言うことで、今日のスケジュールはこちら。
08:15 チェックアウト
08:30 オットセイ保護区
11:00 座礁船(Zeila Shipwreck Namibia)
12:00 ハンティス・ベイ(Hentiesbaai)
12:30 ガソリン入れてランチ
14:00 ヒンバ村(スピッツコッペ)
15:30 The rock arch
20:00 ウィントフックの宿に到着
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メインは「スピッツコッペ(Spitzkoppe)」です。
お目当てはヒンバ族の村に行くこと。
そのまま、ウィントフック(首都)に戻ります。
長いようで短かった車の旅も終わりです… 😢
オットセイ保護区
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私たちが宿泊した「Cape Cross Lodge」のすぐそばにあるのが、このケープ・クロス・オットセイ保護区です。
ここにいるのは、ミナミアフリカオットセイ。10万頭から20万頭のオットセイがガーガーブーブー鳴きながらひしめき合っています。
まずは、ゲートの手前の駐車場に車を停めてレセプションの建物へ入ります。ちょっと怖めのお姉さんがいますが、優しいので安心してください。
※この駐車場のトイレには、トイレットペーパーは無いのでご注意。
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ゲート通過には、大人1人N$150と駐車場代N$50必要でした。
料金表PDF
現金オンリーです!
その時に、色々と注意事項を読むように言われます。が、野生動物との関りとしては当たり前のことしか書いてないので、安心してサインしてください。
・オットセイが最重要(人間じゃないよ)
・自分を守るために噛むこともあるよ
・オットセイに近づいちゃダメ
(半径1m以内接近禁止)
・道をふさがれたら進むのを諦めな
レセプションでお金を払ったら、ゲートを開けてくれるので車で中へ入ります。そのままガタゴト進むと、突き当りが現場です。
ドアを開ける前に大きく深呼吸してください。
開けた先には地獄のような臭いが、鼻と目を突き抜けます。
「どういうこと!?」ってくらい臭い。
本当に臭い。
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腐敗臭、糞尿、獣臭、磯臭さ、魚介などなど色々な物が混ざって、臭いがとんでもないことに!!!!
ハナモゲラ・・・バタンっ
…( っ゚、。)っ
とは言え、オットセイにとってニオイは互いを認識し合うための重要なものとのこと。お邪魔してるんだから、とりあえず黙ってシャッターを切り続けました。(片手で鼻をつまみ、片手でカシャカシャ)
とは言え、クサイ。
もう車に入ろうと思ったら、無数のハエが車にくっ付いていた。ばっさばっさとエア箒で叩き、一瞬のうちに車に入りました。
色々と大変だった。
座礁船
お次は、ハンティス・ベイ(Hentiesbaai)を通り過ぎて、スワコプムント(Swakopmund)に戻るまでの間にある"座礁船"を見に行きました。
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位置づけ的には、Cape Cross Lodge→オットセイ→ハンティスベイ→座礁船→スワコプムントの順で道沿い。
さて
この辺り一帯の海岸線(500㎞以上)は、スケルトンコースト(Skeleton Coast)と呼ばれていて「世界で最も危険な海岸」とまで言われているそうです。
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と言うのも、この場所は常に「ヘンゲラ海流」が当たる場所で水は冷たいし、風も波も強い。濃霧が発生するので、気がついたら座礁していた…なんてことも多々。
更に、運よく助かっても見渡す限りの砂漠。食料と水を求めて、さまよいながら死に至ることも珍しくなかったそうです。
で
この駐車場には、何人かのナミビア人が待ち構えていて「お金をください。食べ物をください。石を買ってください」と近づいてくる。
現金がなかったこともあり、Bさんがバナナをあげて、私が龍角散のど飴をあげた。しばらく、駐車場付近から座礁船を見ていた私たち。
急にBさんが「この先も車で進めるって!」と言い出した。さっきバナナをあげた方々に、そう言われたらしい。
この先とは、ここのこと
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Bさんの奥さんであるCちゃんは「やめときなって!無理だよ!絶対動けなくなるよ!私は乗らない!」と言った。
Bさんは「大丈夫だって!俺は行く。大丈夫だって言ってたから!」と、バナナをあげたよしみなのか、バナナの彼を信じている。
ただその場にいただけの私は、何を思ったか「よし、行こう」と言って、早々に車に乗り込んだ。
そしてこうなった。
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なんなら、2度目だ。
(覚えていますか?5,000円払った過去を)
Bさん側についたことを後悔した私。
(くっそ!Cちゃん側についてれば良かった!
なんでBの怪しい話に乗っちまったんだ!)
心の中で悪態付きながら、砂を掘るしかない私たち。
そのころAさんは、ちゃんと自分の足で座礁船に近づき写真を撮っていたのだが、振り返って呆れていた。
「なんでそうなったの?」と。
こちらも聞きたい。
「なんでこうなったの?」と。
結局、「行けるよ!」と言ったバナナ男たちが駆け寄って来て「助けてあげるよ!街からレッカー呼んだら高いよ」と言い、何やら小道具を持ってきたり砂をかき出すのを手伝ってくれた。
と言うかこの辺で
(罠じゃねぇか?)と気が付く。
で
なんだかんだあって、こうなった。
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歓喜溢れた現場でした。
一応、砂から抜けてた方法書きます。
① タイヤの空気を抜く(様子見ながら徐々に)
② 四駆なら、二駆に落として進む
③ ハンドルを右左に思い切り振る
チャレンジしたくなる気持ちはありますが、急いでいる時はやめた方が良いと思います。時間に余裕がある時に、「ワンチャン、嘘じゃないかも?面白いこと待ってるかも?」と話に乗っかってみてください。
ちなみに、本当に現金が無かったので、水のボトルとバナナをあげて許してもらいました。
ちゃんちゃん
ヒンバ族
次に、私たちが向かったのはヒンバ族のいる村。
「座礁船を見に行っただけなのに」みたいな感じで大変だったのですが、なんとかスワコプムントの街まで戻って来て、空気を抜いたタイヤをチェック。
ガソリン入れてランチを買って、現金おろしてヒンバ族の村へ出発!
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さてさて
ヒンバ族とは「世界で一番美しい民族」として知られていて、一生に一度も身体を洗わないそう。動物の皮などでできた装飾品をつけていて、それぞれが子供の有無や地位を表しているんだとか。
まず敷地内に入って、レセプション(小屋)へ行くとお兄さんが1人いた。
値段の説明をしてくれたのだが、まあ高い。
1人 N$250+入場料にN$100=3,500円くらいと言うではありませんか。
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(たっけぇなオイ)
と思ったけど、ここまで来たから会いたいし...
結果的に、行って本当に良かったです(行かない選択肢は無かったけど)
この値段に、写真撮影、ダンスショー、質疑応答など全部入っているとのこと。口コミでチップがどうのと書いてありましたが、別に請求もされませんでした。
そして、この受付にいた彼がオーナー的な立場(?)唯一英語が話せて、この村を観光地化させた本人らしい。
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受付後、そのまま彼がガイドもしてくれた。なんでも聞いてくれと言われたので、色々聞いた。
Q : あなたもヒンバなの?
A : そうだよ!でも学校へ行ったんだ。
Q : どうしてあなただけ学校へ行ったの?
A : 政策の一環で、小学生の時に牛の面倒見が悪い子は学校に送られるんだ。その後、中学と高校はイギリス政府がお金を出してくれる。トップの成績を取れば、ナミビア政府が大学へ行かせてくれることになっている。
Q : 大学で何を学んだの?
A : 観光業だよ!
Q : どうして村に戻ったの?
A : 観光ガイドをするのに、対象の場所について詳しくなければいけないんだ。どうしようかと思った時に、僕にはヒンバの知識があると気がついた。それで、ヒンバ族と観光客との交流をビジネスにしたんだ。
Q : 長老はおいくつなの?
A : わからない。ヒンバ族は雨が降ると歳を取るんだ。雨が降らなければ、1年経っても数は増えない。
Q : 宗教は?キリスト?
A : 違うよ。僕たちは神様を信じていない。僕たちが信じているのは、ひいおじいちゃんより上の先祖だよ。
Q : ヒンバである印はあるの?
A : あるよ。13歳になったら下の歯を4本抜くんだ。しかも木の棒で叩いてね。怖くて逃げる子もいるよ。昔は強制だったけど、今は政府の通達で強制しちゃいけないことになっているんだ。
こんな感じのことを、1-2時間の間でたくさん質問させてもらった。とても興味深く、すごく面白い経験だった。そしてみんないい人。
では、写真を見てください。
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そしてなんと
私たちはヒンバ族の名前をもらった。
私の名前は【ノコクレ】です。
意味は、どこへ行っても家族を見つける。
Aさんは、【アヴィへ】です。
意味は、全てうまく行く。
Bさんは【オバテラ】です。
意味は、常に神様が助けてくれる。
Cちゃんは【オノマサ】です。
意味は、勝利の神様が付き、常に勝てる。
どこへ行っても家族ができるなんて、嬉しい言葉。私たち一人ひとりを見て名付けてくれたので、何かインスピレーションを得てくれたのでしょうか。
さっそく「あなたたちは私のヒンバのファミリーだ!」と言ったら「イエーイ!(拍手)」だったので、さっそく1組GETです。
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私的ナンバーワンの驚きは、「雨が降ったら年を取る」と言うこと。「毎日降ったらどうなるの?」と言う疑問は聞けなったが、とにかく雨が降らないこの国で、雨と言う存在がどれだけ大きいのかが良くわかる。
たぶんだが、雨が降った年には年齢の数字を「1」増やすけど、降らなかった年は増やさない・・・ってことだと思う。
そもそも、数字は人間が勝手に数えているだけなので、彼らにとって自分が何歳かと言うことに、あまり意味は無いのだろうと思う。ただ近年、政府の介入により色々と法律が関与してくるとのこと。
それによっては、やはり ”気にしない、数えない” わけには行かないのかもしれないですね(特に、様々な年齢制限がある子供とか)
The rock arch
楽しかったヒンバ族の皆さんへ長々と手を振って別れ、次は直ぐ近くの不思議な岩の区域へ行きます。
ここは
スピッツコッペ・テンティド・キャンプ・アンド・キャンプサイツ(Spitzkoppe Tented Camp and Campsites)と言う敷地の中にあるアーチ型の岩のある場所で、この敷地に入るのにお金がかかります。
大人1人 N$160(1,600円くらい)
カード使えます。
中に色々あるのと、キャンプするために入る人が多いだろうから仕方ない。せっかく来たから入りましょう!!となってみんなで入場。
ここも結果行って良かったです!
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ここでもウエディングフォトを撮って、ワイワイ1時間くらい過ごしました。Aさんと私のウエディングコラボも終盤です。
なかなか、プライベートでこんな遊び撮影をすることも無いので、とても楽しかったです!
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ウィントフック(首都)
さてさて、首都に帰る時が来ましたよ。
この後の道は、これまでと打って変わってジャングルっぽかった。
スリランカのような、湿気が多い国みたいな景色。位置的に、最初の頃に比べると北上してきたからでしょうか。オカハンジャ村(Okahandja)の付近は、緑が多く大きなアリ塚がたくさんありました。
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ハイウェイを超えて、キラキラと街の光が見えてきました。ゲームや映画の世界のような旅が終わってしまいます。
ウィントフックが大都会に見える私たちは、「都会に戻ってきちまったぜ・・・」と思う。
都会は、綺麗だけど面白くないのだ。
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タイヤが埋まることもないし、振り向いたらデザートフォックスがいることも無い。砂埃で前が見えないことも無いし、巻き上げる砂と相まって対向車がCMみたいに見えることもない。
道路を横断する動物を待つこともないし、ダチョウを追いかけて怒られることもない。靴の中から大量の砂が出て来ることもないし、圏外なんてまずない。
そんな夢のような時間を過ごしてきたんだなぁ~と、しみじみ感じた時間でした。しかし次の瞬間には、似たような環境に住んでるわ。と思い返す。
とにかく、一生の宝物になった旅でした。
ここで、4人での車旅は終わります。
この後は、ひとり、ふたりとメンバーが帰国していきますが、私の旅は続きます✋
次の話はこちら
これまでの話はこちら
非営利環境活動団体 MORE企画
代表 白井ゆみ(シライユミ)
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