ガール・セヴン(ハンナ・ジェイミスン)

イギリスの女性作家によるノワール小説で、女性主人公のハードボイルド作品。

結論から言うと、かなり中途半端で残念な感じでした。
そもそもヒロインのセヴンて人が、始終ウジウジした性質であるのがあまり受け付けなかった。

キャバクラの様な店で働くセヴンは、強盗業に加担する事になり何件か殺人も犯すんですけど、殺しておきながら罪悪感に苛まれ、それでいて自首したりってわけでもなくダラダラと流されて罪を犯し続けるんですよね。
はっきりしない、優柔不断な性格の様で、そこにわりとイライラします。

怨敵にたどり着いたら、あっさり殺して終わりだし。あと、怨敵の家族にこっそり慰謝料払ってるんですよ。
こういった行動見ていても絶対裏社会とか裏稼業向いてないのに、なぜか「私にはこれが天職!」と勘違いし(作者は勘違いと思って書いてなさそうなのがまた…)裏稼業への道を突き進むスタートで終わります。

この作家さんはノワールよりも、普通のロマンス作品書いた方が向いているんじゃないか?
セヴンはメンヘラではありますが、感覚はすごく普通ですし。

セヴンを始めとして、登場するキャラクターが皆メンヘラなんですよね。それは良いのですが、総じて同じタイプのメンヘラなので少々飽きがきます。
とりあえず女性キャラは例外無くメサコンで、男性キャラはそれに釣り合う感じの設定。この組み合わせのカップル以外が登場しない。もうちょっとバラエティーが欲しかったよ。。。
類は友を呼ぶっていうけど、こうも同じ性質の者同士でよく好きな恋愛対象が重ならなかったなと少し不思議になったり。
ただ、この辺りの人間模様は面白かったので、やはりこの作家は普通のロマンス作品のが向いてる気がする。

マークという、紳士的な好青年の表の顔と冷酷な殺し屋という裏の顔を持つ、珍しく面白いキャラが登場するのですが、ヤバい裏の顔が発覚した時点で登場しなくなったのが大変残念でした。

しかし、これくらいぬるい様でなければ、海外に翻訳出版するのは難しいって事なのかな?

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