講師インタビュー まーさん
今回は、まーさんにインタビューさせていただきました!
ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです!
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では、早速インタビューしていきましょう!
まーという名前でTwitterで活動しております。
主な活動は、Twitterでの当事者(Xジェンダーの中性・パンセクシュアル)としての発信活動や、いろんな立ち位置にいる人たちが「多様な性」について知ることができたり、自分の気持ちを気軽に話せるようなイベント企画・運営をしていました。
もあふる共同代表の竹之内大輝(かぐや)さんとコラボでイベントを企画したうちの一回は、ディスカッションという斬新なカタチのイベントを行いました。
テーマは「学校教育において「性の多様性」の学習が隠れたカリキュラムから脱却する方法とは何か」でした。
内容としては、学校教育の現場の中で、性の多様性に関する学習が隠れたカリキュラム化してしまっているところから脱却するための方法とはなんだろう?といったところを参加者と共に考えていくものでした。
個人的に行ったものでは、「どんな立ち位置にいる人に関わらず多様な性について話したり、共有できる居場所づくり」というところを大事にしたかったので、定期的に「ゆるっとtalk」という名前でオンライン上でイベントを開催していました。
そこでは、様々なセクシュアリティの方が集まって、テーマに沿った話題や、個人の経験談や悩みなど色んな話をする中で「知る」「分かち合う」といったイベントになりました。
大きなきっかけは、一つ目に、私自身がパンセクシュアルとXジェンダー(中性)を自認しながら日々の生活を過ごしている中で、「ロールモデル(見本)」がいなかったことです。
二つ目に、自分と同じ性自認であったり、性的指向の方と関わる機会すら、学生時代は全くなかったということです。
そういった中で、「こういった悩みを抱えているのは私だけなのかな」「誰にも自分のことを話せない」と苦しんだ時期があったんですね。
今の自分にできることで、当時の自分が感じていたような苦しみをもつ人が「話せる場所があって良かった」と思ってもらえたり、「多様な性」について知ってくれる人が増えたら嬉しいなと思ったんです。
自分の活動を通して、どんな立ち位置にいる人たちにも「多様な性」について知ってほしいという願いがあったり、 また、どんな立ち位置にいる人も分け隔てることなく、みんなで「多様な性」について知ることができるようなイベント・居場所を作ってみたかったという思いがあって、今に至ります。
十何年間くらいは、誰にもカミングアウトしてこなかったです。
家族や友人にカミングアウトしたのも、ここ数年内のことでした。
でも、一度カミングアウトして受け入れてもらえたことで、「自分らしくいられる居場所」ができて、それが自分の中で勇気にもなって、SNS上でもカミングアウトして自分をさらけだして活動することがしやすくなりました。
なので、私の中では、「自分を明かす」ということに抵抗感はもうないですね。
私が一番最初に気付いたのは「性自認」ではなく「性的指向」の方でした。 好きになった人が、自分の(同性の)親友だったんです。
その時は「パンセクシュアル」という言葉や概念すらも知らなかったので、「レズビアンなのかな?」と思っていました。
いろいろとセクシュアリティなどについて調べていく中で(情報としてはネットを参考にすることが多かったです。よくNPO法人のHPなどを見させていただいてました。)「バイセクシュアル」という概念を知って、「あ、私、男性ともお付き合いできるな。じゃあバイセクシュアルなのかな?」と感じ、そこから結構長いこと「私はバイセクシュアルだ」と思いつづけていました。
「パンセクシュアル」という言葉を知ったのは大学生の頃で、ようやくそこで完全に腑に落ちたんです。
「私が誰かと恋愛をする上で、相手の性別やセクシュアリティは関係ないのだな」と。
私の「性自認」が「Xジェンダー」だと分かったのは、実は成人して結婚した後でした。
学生時代は、自分の身体や性役割に対して疑問や違和感を感じていたのですが、当時、イジメを受けていたこともあって、それを誰かに明かしたり、相談することはできませんでした。(明かすことで更にイジメがヒートアップする可能性があって怖かったんですね)
それに加えて、自分の中にある違和感の正体を自力で見つけることが難しくて、性自認を明らかにするのをずっと先送りにしていたところもあったと思います。
なので、数年は自分が何者なのか分からなくて、モヤモヤした状態で過ごしていました。
大学生の頃に、ようやく自分と向き合う覚悟ができて、男性的な服装や女性的な服装を行き来しながら「自分の性別」や「自分にとっての生きやすさって?」といったところに目を向け始めました。
でも、その後、すぐに保育の道に入ったのでなかなか余裕が持てなくなってしまって、また数年間自分のことを置き去りにしてしまってました。
パートナーと結婚して、心にも余裕ができて、改めて自分のことを見つめ直した時に「Xジェンダー」という言葉をSNSで知りました。
概念について調べてみたら、自分の中にある「男女どちらか一方に偏りたくない」「私は100%女性ではなくて、男性と女性の丁度真ん中の位置にいるんだ」というところに当てはまる「中性」という種類を見つけたんです。
そこで、ようやく「これが、私だ」と納得できました。
性教育に関して意識を持ちはじめたのが比較的最近ということもあり、まだ知識も浅いのですが ...
どうしても「性教育」=「セックス」というイメージが日本では強く根付いてしまっているように感じます。
私自身もどこかそう感じていた部分はあったし、経験談としてたくさん困ったことも実際にありました。
課題だと感じるのは、子どもたちにとって本来知っておくべき内容(プライベートゾーン・性的同意 など)や日常生活で活用できる実践的な内容(コンドームの使用方法など)を教えられる機会がま だ少ないというところが一つ目の課題に感じます。
あともう一つは、私自身もLGBTQ+の当事者なので「セクシュアリティの学び」についてですね。
ようやくここ数年で、小学校や中学校で扱われる教科書でも「異性に対して恋愛感情が芽生える」という言葉だけでなく、「同性に対して恋愛感情が芽生えることもある」といった内容の記述が加筆されたりしていますが、やはりまだ網羅しているとは言いきれないのかな...と思っています。
というのも、中には、恋愛感情や性的感情を相手に持たないセクシュアリティを始め、様々なセクシュアリティがあるので、そういったことも踏まえつつ、もう少し改訂や加筆が必要になってくるのではないかなと個人的に感じています。
31年間生きてきて、思うのは、学生時代に紛いなりにも保健体育などで性に対して学んでいたはずなのに「結局よく分かっていなかったな」と思う場面がたくさんあったことです。
そしてそれで困った経験があったことです。
そう感じる場面に遭遇する度に、「無知って怖いな」って何回も思いました。
性教育って、知らないよりは知ることで、自分の生活や人生が「より良くなるもの」なんじゃないかと個人的には思っていて、もちろん自分自身のことや大切な人のことを守ってあげられる術を身につけることができる大切な分野だと思っています。
これから行われるオンライン教育実習には、教育学生さんや教員の方もいらっしゃるかと思います。
そんな中で、いろいろなことを経験した当事者だから伝えられること、生の声を届けるといった形を通して情報提供ができたら幸いだと感じます。
また、「多様な性」について伝えやすい媒体(書籍や絵本など)も、いろいろなものがあるので、そういったところもお伝えすることで、生徒さんが気軽に「多様な性」についての情報を手に取れる環境を整えられるような先生になっていただけたら嬉しいなと思っています。
その辺りも含めて、今後参加される方にいろいろと知っていただけたら嬉しいです。
あくまでも、「Xジェンダーの中性・パンセクシュアルのうちの一人」という感覚でお伝えできるように気をつけています。
そう思うのは、例えば「レズビアンってこういう人のことでしょ?」「ゲイの方ってこうでしょう?」と、本当は同じセクシュアリティでも個人によって濃淡があって、一人ひとり異なる部分があるはずなのに、カテゴリーの部分を強く意識して認識しておられる方も中にはいらっしゃるかもしれません。
私は、それぞれのセクシュアリティや個人によって、濃淡はあると感じているので、「Xジェンダーの人=みんなこうなんだ」というような固定概念にならないように、あくまでも「そのうちの一人」として発信できるようにしています。
発信した内容を読んで直接コメントをいただくこともありますね。
SNSで反応してくださる方を見ていると、様々なセクシュアリティの方や自分に近いセクシュアリティの方にも見ていただいている実感があって嬉しいです。
立ち位置関係なく、まずはどんな些細なことも知ってもらえたら嬉しいので、色々な人に見ていただけることが一番だな...と感謝しながら発信しています。
今回のオンライン教育実習を通して「多様な性」について知ることで、できることってたくさん見えてくるんじゃないかと思うんです。
オンライン教育実習を受けられた方が教員になり、もし、その学校やクラスの生徒さんが自分に対して「SOS」を出していた時に、性教育に関する知識を持っていることで対応できることが必ずあると思います。
そういったところを期待しているので、今回の自己研鑽を通して、少しでも「自分の武器(活用できるスキル)」のような形で身につけていただけたらなと思います。
性教育に関する知識を高めるのと同時に、誰かのために学んだことを使ってくれる教員の方が増えてほしいと願っています。
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