NYマダムと心理戦!?派手かわヒョウ柄スカート
みなさん、ヒョウ柄はお好きだろうか?
私は好きだ。特に秋に着たくなる柄で、これを着ないと秋を越せないと言っても過言ではない。
しかし世間一般では、ヒョウ柄は「大阪のおばちゃんのモノ」ということになっている。
それゆえ、世の中のファッションアドバイスでは、「ヒョウ柄はまず帽子やバッグ、靴など面積の小さいものからワンポイントとして取り入れましょう」と言われることが多い。
私はそれを断固拒否する。ヒョウ柄は「ヒョウ柄です!」主張するべきなのだ。真っ赤や真緑と一緒に合わせて、「これぞマキシマリストです!」みたいな着こなしをするべきなのだ。
…と精一杯虚勢を張ったが、現実は理想のようにはいかない。結局私がどうやって合わせているのかは、後ほど書いていこう。
数年前の夏、私はNYはマンハッタンの蚤の市を訪れた。確か、毎週土曜か日曜に定期開催されている蚤の市だったと思う。そんなに大きくない蚤の市で、駐車場みたいな開けたスペースに、個人の店主が各々の店を出していた。そのほとんどが服やアクセサリーなどのファッション関係だ。
私が立ち寄ったのはグレイヘアのおしゃれマダムが店主のお店だった。ヴィンテージのお洋服やファッション小物が、小さなお店にセンス良く配置されている。
小さな店内をぐるっと見回し、私はハンガーラックにかかったお洋服をひとつひとつ見ていった。そうして吟味していく私の手を止めたのが、ひと際派手なヒョウ柄のスカート。
「派手かわ~」、そうと思い、ハンガーをラックから外してみた私は、その瞬間ずきゅんと胸を射抜かれた。そして値段を見るまでもなく、購入することを決めた。
なぜなら裾に、大型ネコ科たちが勢ぞろいしていたからだ。かわいすぎる~!私は根っからのネコ派である。夢は、タイに行ってトラの赤ちゃんを抱っこすること。
ヒョウ柄は数あれど、一緒にその毛皮の持ち主である虎やパンサーが描かれているものは見たことがない。
デザインは申し分ない。さて、生地は?タグを確認すると、レーヨン100%とある。非常にさらさらとしていて夏にぴったりだ。ウエストは紐で縛るタイプで、フリーサイズ。布はたっぷり使われている。生地の感じとデザインから推測するに、おそらく元はインドあたりのヴィンテージだと当たりをつける。タグをひっくり返すと、ドンピシャ、インド製だった。
生地もばっちり合格。ここで最後に、すっかり忘れていた値段を確認する。タグを確認すると、手書きで75ドルと書いてあった。当時の日本円で約1万円。
「よし、買おう」と思ってそのスカートを手に持った私に、店主のマダムはすかさず「こっちはどう?」とか「これは?」とか、他のスカートも色々見せてくれた。
しかしこれ以外に欲しいものが見つからなかったため、私はこのスカートだけを購入することにした。
いざ会計となった段階で、予想外の出来事が。
「そのスカート、50ドルでいいわ」
!?
え!なんで!?
私はまず心の中でそう思ったが、安くしていただけるのならばそれを断る理由はない。
しかし若干良心が咎めた私はポロっと、「本当にいいんですか?」とダメ押しの確認をした。
するとマダムは商売モードON、「そりゃチップとか上乗せしてくれたらありがたいけど。元は75ドルだし」と攻める。
そりゃそうなるわな。ああ、こんなところで日本人っぽさが出てしまった。
苦肉の策で私は、
「じゃあ現金で払いますね!」
と言った。
「現金払い」、この言葉は非常に強い力を持っている。アメリカのような、日本の比ではないカード社会では尚更だ。蚤の市ですら、カード払いが基本なのだ。そんな中で現金払いにするということは、本来ならばカード手数料となってカード会社にいく分が、マダムの懐に入るということだ。これをチップの代わりとして勘弁してもらおう。
ちなみに蚤の市の別のお店で現金払いをしたときは、「すごい久しぶりに見た…」と驚愕された。「でもカードより現金の方がいいですよね?」と言ったら「もちろん!」と返されたけど。
こうして、なんとか気まずくなりそうな状況を回避し、私は無事に「大型ネコ科のヒョウ柄スカート」を手に入れたのだった。めでたしめでたし。
さて、最後に着こなしについてだが、夏は白いタンクトップに合わせて爽やかに着るのが定番ルックだ。秋冬は黒のハイネックに合わせる。でも今秋は、今秋こそは、冒頭にあげたような、真っ赤や真緑と合わせてマキシマリスト全開コーデをしようと虎視眈々と狙っている。
今年の秋が楽しみだー!
・愛用歴:3年