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向いてないと思ってた事務職。でも本当にイヤだったのはやりがいもなく退屈なことだった。

うちの母は若い時から退職まで、ずっと事務職ひとすじ。妹も同じく新卒から結婚するまで事務職。「接客は気を使うから、お母さんは向かない。事務があっている」と常々母は言っていた。身近でいつも事務職のグチを聞いていた。

二人は事務職で働いていたけど、ワタシは逆に体を動かして接客や人と関わる仕事のほうが好きだ。正直1日中座ってパソコンに向き合う仕事はないな…と。

だから今の仕事に誘われ転職する時、かなり悩んだ。外でお年寄りと関わる仕事もしつつ、閑散期には事務の仕事もしてもらいますよ、と言われたから。

それでも、少しの期間、悩んだ末に自分でやると決めた。やっぱりお年寄りとのご縁を手放したくなかった。


実際に事務の仕事をやり始めると、なーに、そこそこ楽しいじゃん、と意外にも思えた。ワタシは、なんでも楽しくなければ、続かない。そこの入りはけっこう大事だったりする。

ワンオペだし、家庭の都合で仕事を辞めざるを得なかったり、昇進、キャリアと無縁で生きてきた。いつの間にか仕事は楽しむもの、生きがいにシフトした。お金、やりがいはどこかであきらめた部分があった。

慣れないパソコン作業、若い子にやり方を聞きながら、覚えたら割と集中してやり通せた。ずっと椅子に座ってられない人、と思っていただけに新鮮だった。

しかし最近仕事が減り、欠勤にして調整したり、声をかけて仕事をもらいに行ったりしていた。終わりの時間まで席にいるのが苦痛だった。何もしない時間がもったいなく感じた。

そんな時、フルパートにならないかというお話を上司からいただいた。

週3パートで暇なのに、フルパートにさせたいってことは、窓際族みたいにワタシからやりがいを奪って追い込んで、無理やりフルパートにさせるつもりではないかと勘ぐった。…そういう会社ではないけど。

しかし子どもと生活のことを考えると、やはりどうしても時間は増やせない。


飲みの席で、社員さんに愚痴った。フルパートの話が出たこと、事務職がもともと疑問だったこと、いま週3パートだと大した仕事はなく、暇してたので、辞めたいと思っていることを話す。

その社員さん、担当は違うけど、私は忙しいので仕事回しますよと言ってくれた。他にもフルパートでなくても、繁忙期だけ仕事を増やす方法など、提案してもらう。事務仕事が増えるかもともいわれる。


その翌週、職場でその社員さん、上司と三人で面談の時間をいただいた。そこでもうすでに話がついていたようで、社員さんからも同じ話を聞く。

ダラダラと長時間拘束されるよりは、短時間でもみんなを手伝いたい。そのためには、事務仕事うんぬんの、私の条件は後ろの方に行っていた。

辞めたい理由は、事務職が自分に向かないからではない。やりがいもなく退屈な時間を過ごすことがイヤだったからだ。昇進とか大きいやりがいではないけど、長く続けるには楽しさ以外にも、ワタシにも小さいやりがいは必要だった。


昔からの事務職の友だちに、ジブンが事務職に向いていない、と電話のたびによくこぼしていた。よくよく考えたら事務職でずっと働く人に対して失礼な話だ。いつも何も言わずに優しく聞いてくれて、ありがとう。まあ、半分あきれてたかもしれないけどさ。

「『ごろねださんが辞めることをやめさせる話し合い』を終わります」と最後に社員さんに笑いながら言われた。




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