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顔見知りが、旧知の仲に昇格するとき

先日、仕事中初めて記帳のお使いを頼まれた。きっと仕事を増やせ〜と反乱を起こしたことがきっかけだが、今のワタシはどんな仕事もウェルカム。

上機嫌で銀行を訪れるも、珍しくATMに人がいる。ベンチにも1人座っている。しょうがない、急いでいないし自分もその隣に座って順番を待つことに。操作してた人が終わり、ベンチの横にずれようと立ち上がると「あ、どうも〜」と声をかけられる。

初めての記帳に気を取られていたが、ATMで操作していた人は、顔見知りだった。

この日たまたま行き合った


元気〜とかなんとか言いながら、普段ならそれで会話が終わると思っていたから「あのさー、…」と話が繋がっていく様子にちょっとびっくり。あれ、あんまり話したことなかったけど、なんだろな。初めての記帳に集中したいワタシはつい、塩対応になりかけたが、このあとの話の内容に夢中になることに…

でも話と言っても、関係のない人には全く興味もない、子どもの高校受験についてだった。狭い町なので、2学年しか違わなかろうと、大体の子どもたちの進学先は把握されている。田舎あるある…

そう言えば、昨年も同じように学区外に行きたい、と希望する子どもの親に、話を聞きたいと言われ、ちょっと親しい間柄だったので、じゃあランチでも食べながらと言って話をした。

今回は話を聞くと、娘の通っている高校を受験するという、関係性は顔見知り程度だけど、待ってましたとばかりに私のハートに火がついた。

というのも、娘の高校、私立で遠いという物理的欠点もあり数年に一度受験するかしないかのレアな部類に入り、ワタシたちも受験に際し情報を集めるのにかなり苦労したからだ。

いつか…
娘と同じような選択をして、この情報を役立てる日が来ることを心のどこかで願いながら、日々日常を過ごしていた。まさかのATMからこんにちは。

いいよいいよ〜、資料もちょっと探してみてー、(本当はまとめておいたものがある場所も把握してるけど)あったら連絡するね〜。ラインも交換しとく〜?見つかったら(探す必要もなく)連絡するね!

って言いながら、再びATMに話してる隙に1人入られてたので、並び直し、クールに装いお別れする。

帰ってからの夫との会話が白熱したこと白熱したこと。

その子見学にお父さんと行って、お父さんの方が通いたいって言ったんだって。うちと一緒だねー、とか二人で盛り上がり、受験時の学校とのやり取りや、入試に関するデータなど掘り起こし、必要そうなものは先にラインでズバババっと送る。ダサいかな…

この辺で相手も引きそうなところだけど、返事がすぐあるところを見ると、同じく真剣に考えてる様子が伺え、これまたこちらもヒートアップ。「子どもがさ、最後は決めることだから」と我らの終着点を見つけ、その日の白熱した議論に終止符を打つ。

もう、なんか同じ戦いをしていると思うと同志のように勝手に感じ、ただの顔見知りは、我が家にとって旧知の仲ぐらいの「知り合いランク」に昇格してしまった。

Weblio辞書より引用



本当の受験生とその家族の戦いは、まだまだこれから。しかしその子にとったら誰だか知らないおばさん一家が熱く応援していることを彼はまだ知らない…


(下記コラムより顔見知りについて拝借)

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