いつか、きっと・・・
もうかなり昔のことになる。
美容院で差し出された雑誌の中にこんな記事があった。
ー『アウト・オブ・デプス』という英語の表現がある。自分が今、直面していることが、明らかに手に負えない、経験が足りない、体力が持たない、実力を超えているー
など、そういう状況をいうのだそうだ。そのような状況において、人は自分の存在がいかに小さいかを悟らされるのだ、と。そういう状況は社会の場ではいくらでもある。
「できれば当たりたくない、関わりたくない」そんな苦手意識など、誰にでもあるものだ。事実私もそうだ。
本来、嫌な事、苦手な事から逃げることは簡単だ。とにかく理由をつけて避けて通ればよいのだから。しかし、現実そうはいかないことも多い。いくつもいくつも避けてくぐり抜けてきた壁が、これでもかと何度も何度も繰り返し目の前に立ちはだかる。「もういやだ」と泣いて方向転換するのか、意を決して乗り越える勇気を持つかは人それぞれだ。
苦手意識の根底にあるもの。そのほとんどが「分からない」「出来ない」「嫌な思いをした」とか、その物事に対してマイナスな感情から生まれることが多いかもしれない。そこに求めるものがあるならば、「分かる」まで、「出来る」まで、何度でもトライしてみるしかない。
ただし、それには相当の覚悟と忍耐を必要とするが…。
「まず、決心すること。目標を定めるにしても自分はこうしたいと決めること。次は絶対に妥協しないこと。諦めたら全て終わり。決して妥協しなければ、必ずチャンスは生まれる。仮に結果が良くなくても、次にどうすれば自分が上手くやれるかが見えてくる」
かつての恩師はそう言って、私に喝を入れてくれた。
誰の中にでもある「いつか、きっと…」という思い。
「いつかきっと、こうなりたい、こうでありたい」という形。
描いてみようか、私の中の「いつか、きっと…」
抱いていこうか、あなたの中の「いつか、きっと…」も。
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