【読書メモ】出会えて良かった物語「20歳のソウル」
これは、音楽が大好きだった大義くんの物語です。
3年くらい前本屋さんでたまたま見かけ、気になって購入した本。
その時の自分に感謝してしまうくらい、出会えて良かった1冊です。
大義くんは病気と闘い、20歳の若さでこの世を去りました。
本を書いているのは大義くん本人ではないのですが、著者の中井由梨子さんが丁寧な取材を重ねた上で書かれています。描かれる大義くんは素直で一生懸命で、多くの仲間に愛されていたのが納得な存在。そんな大義くんのために、告別式で164人もの仲間が集まって演奏するという、映画のような実話です。
高校時代は市船吹奏楽部でトロンボーンを吹いていた大義くん。
読んでいると、本当に素敵な人です。
優しく、素直な心で憧れを抱き、夢を描き、誠実に努力するような。
私も一生懸命やってきたはずだけど、大義くんを見てると本当に精一杯やってきたと言えるかな?と疑問に思えてくる。それくらい、生き生きとした人生だなあと思います。
周りも素敵な人たち。
高橋先生、部活の仲間、家族、恋人の愛来さん。
読んでいたら何回も涙が出てくる。大義くんの気持ち、周りの人の気持ち。常々、同じ立場にたったことがないのに、気持ちがわかるなんて言ってはいけないと思っています。だけど私にも同じ年頃の息子がいるので、お母さんの気持ちに少しは近づける気がする。自分の身に置き換えたら、本当に悲しくつらい。
それなのに、読み終わったら爽やかな気持ちにもなる。こんな風に生きられたらいいなあと思える。
生きてるってすごく貴重なことで、嫌なことにこだわって時間を過ごすのはもったいない。生きてる時間を大切にしたい。何年生きるとしても、長さは関係ない。いつかは必ず終わりが来るんだし、それがいつなのかは誰にもわからないんだから。
大義くんが作った応援歌「市船soul」は本当にカッコいい曲です。きっとずっとこの先も受け継がれるし、後輩の子たちの誇りになる。自分がいなくなったあとも作った曲が生き続けるって、すごいな。
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