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メイプルストーリー2 オープンβレビュー

本稿は、5/28~6/3でオープンβが実施されていたメイプルストーリー2のプレイレビューである。

まず、私がこのオープンβで体験できた要素は以下の通り。

・ウィザード50レベに到達
・メインクエスト「砂漠の地へ」の途中まで
・ハウジング
・ID(メインクエストで行くもののみ)
・生産・製作(ハウジングで出来るもののみ)

他にもギルドやフィールドボス、イベント、ペット(モンスターの捕獲)等あったがそれには手をつけなかった。

■まず率直に

MMORPGとしてよくあるコンテンツ(生産・ペット・ギルド・IDなど)が揃っている事、レベルカンスト後のコンテンツが用意されている事などから、オープンβとは思えぬ完成度でとても良いゲームに仕上がっていると感じた。
(既にグローバル版がリリースされているらしいので、完成度の高さは保証されているとも言える。)

個人的に良かった部分はストーリーである。登場人物のキャラがしっかり立っており、序盤にいろんな話を散りばめ、後半で一気に回収する王道のスタイルで構成されている。また、マビノギを彷彿とさせるようなコミカルな顔芸があり、クスリとさせられる場面もある。
(とはいえ序盤の話がとっ散らかっている為、組織名や人物名が覚えられないと置いて行かれやすい面もある。)

↑人が死にかけているときに謎の舞をして笑わせに来る主人公

もちろんビジュアルも可愛いらしい2.5頭身でアニメ調にデフォルメされており申し分なし。
また、前作と違い3Dで、しかもマイクラのような四角いキューブで構成されたマップとなっている。しかしすべてが四角い訳ではなく、ドラクエビルダーズのように建物や小物は程よくデフォルメされつつ細かく描写されており、すべてが四角い世界よりも親しみやすく可愛い。

■戦闘

MMORPGでよくあるクリゲー(敵を選択して自動で戦闘してくれるシステム)ではなく、しっかり敵の方を見て攻撃をするアクションちっくな戦闘システムになっている。
しかしカメラが見下ろし視点固定な為、アクションゲームでよくあるカメラが向いてる方向に攻撃する訳ではなく、キャラが向いている方向に攻撃が放たれてしまうので、少々やり辛い。
しかし、多少は近くの敵を自動でターゲットしてくれる為まったくとんちんかんな方向に攻撃してしまう場面は少ない。

攻撃方法はスキルを必要としない通常攻撃(SPが足りない時に放たれる)と、クールタイムのないスキル、クールタイムがある強力なスキル、常に発動しているパッシブスキルの大きく4つがある。(ちなみに筆者はウィザードしか体験できなかった為、他のジョブではどうなのか分からないのをご了承いただきたい。)

↑ウィザードのスキル。スキル取得はスキルツリー方式。スキル初期化は無料でいつでも行えたが、正式サービス後もそうなのかは不明。

更にコンパクトキーといって、一つのボタンに複数のスキルを割り当て、長押しで適当に撃ってくれるというシステムもあり、ボタンが足りなくなるという心配はないと思われる。(ちなみにこのゲームの操作はキーボード&マウスもしくはゲームパッド。)
筆者はコンパクトキーにクールタイムのないスキルを割り当てて使用していたが、これを使わずすべてのスキルを自分で判断して使うほうがDPSが高くなるのは言うまでもない。

また、雑魚敵の攻撃は避けようがない攻撃が多いが、突進や魔法など見てから回避できるものもある。
更にボスはほとんどの攻撃が見てから回避できるようになっており、中にはFF14のように攻撃の前にAOEが表示されるものもある。

↑AOEが表示された瞬間を捉えられなかったのだが、上記のフィールドに点在しているオーラが立ち込めている部分は、オーラが出る前に赤く点灯して場所を知らせてくれる。

ボスの攻撃やステージにギミックがある場合もあり、単調な攻撃以外にギミック処理を要求されることもある。
しかしそういった場合には画面に対処法が表示されるので迷うことはない。(少なくともメインクエストの場合は。)

↑ボスギミックの一例。ボスに近づくとボスにぶら下がることができる。空を飛んで移動するボスでこのギミックを使用した。(このボスでは使わないが。)

戦闘面の総評としては、アクションゲームとしては心もとないが、誰でも簡単にマスターできる上、ギミック処理で戦闘が単調にならないよう工夫されていて、MMORPGとしてはとても良いと感じた。
また、メインクエストのダンジョンをソロで挑んでいたのだが、何度か死んでしまう場面もあってなかなか歯ごたえがあった。

■ストーリー

MMORPGで戦闘・ビジュアルに次いで大切なのはストーリーであると筆者は考えている。

このメイプルストーリー2では最序盤のストーリーはジョブ毎に用意されていて、主人公の性格もジョブ毎に固定なようである。
また、その後のストーリーでこの最序盤のストーリーに登場したキャラが再度登場し、活躍する熱い展開もある。
(筆者はウィザードだったので、アノスとケイトリンが沢山活躍してくれて非常に嬉しかった。)
しかし、再登場した際のテキストはジョブ毎に設定されているわけではないらしく、初対面のような、会ったことのあるようなどっちとも取れる微妙な反応をされてしまうのが非常に残念であった。
特にケイトリンは主人公とライバル関係だったので、再開したときのちょっと忘れられちゃったかのようなあっさりした台詞が悲しかった。

テキスト全体は機械翻訳のような難解・冗長な日本語が少々あり、すんなり頭に入ってこないのも残念である。

しかしストーリー全体で見ると、随所に散りばめられた謎が話が進むにつれて回収されていく様はテンポが良く面白い。
また、想像もしなかった話が明かされそうになったり(明かされるとこまで行けなかった。)見ている者を飽きさせない工夫も見られる。

特に良かったと思うのは主人公が良くしゃべることである。この点に関しては賛否が分かれるところだと思うが、お使い・伝言・便利屋が基本のMMORPGで主人公がかっこいい台詞や面白い台詞を言う場面が見られるのは主人公に愛着が湧きやすく非常に良かった。(とはいえそんな場面は少ないが。)

■エンドコンテンツ

ここまででこのゲームの大部分のレビューは終わったのだが、これ以降は他コンテンツの紹介になる。

エンド(ここではレベル50のこと)に到達した後はレベル50向けのダンジョンとレイドが解放される。

また、レベル50になった後はジョブレベルとは別に冒険レベルというものが解放され、それを上げていくことになる

↑エンドに到達した後も成長要素があるらしい

この冒険レベルで追加のステータスポイントか、スキルポイントが獲得できるらしい。エンドに到達してもまだまだやることは多い。

また、筆者は確認できなかったが、PvPエリアのボスを倒すとダンジョンへの入り口が現れるらしい。それは恐らくマッチングなどを使わずに自分で構成したPTで挑むことになるのだろうか。

■MMOには欠かせないライブコンテンツ

バトル以外にもMMOならではのライブコンテンツ(生活要素)も充実している。

まずは生産・制作。自分の家の畑や、フィールドに点在している採取ポイントから材料を採取し、新たなアイテムを作り出す。

恐らくだがここで生み出したアイテムはマーケットで売ることができるのだと思う。
製作は製作費用というのがかかる為、マーケットでの儲けがキモになりそうだ。

↑ダンジョンの報酬などは登録することができないようだが、製作で作り出したアイテムはどうだろうか?確認することができなくて残念。

もちろん、ダンジョン報酬の装備が一番強いのだとは思うが、そのダンジョンに挑むための装備を製作産にすれば、準備に時間がかからずダンジョンに挑めるはずだ。
生産・製作はエンドコンテンツと密接に関わることになるのではなかろうか。

次にハウジング。このゲームでは序盤から誰でも家を持つことができる。
オープンβでは家具がすべてタダだったのだが、正式サービス後はお金がかかるのだと思われる。

↑家具だけでなく風景がつくれるような、地面・木々・ハリボテなどのアイテムも豊富にある

また、ハウススコアというものがあり、これに応じてアイテムが貰えるようだ。

お次はペット。ペットはフィールドにいる空腹のモンスターを捕獲する他、お店からも買える。

筆者はペットを持つことができなかったが、合成や進化などもある為、やりこみ要素もありそうな気配がある。

■もっと戦いたい…

最後に闘技場。ここでは正々堂々タイマン勝負のPvPが楽しめる。
マップにもPvPエリアというものは存在するが、1対1でじっくり対戦を楽しみたいならこちらの方が良いだろう。

■結論。すべてが揃っているMMO

全てが最初から揃っており、いろいろなタイプのMMOプレイヤーのMMO欲を満たすことができるのではないかと思う。
しかし、メイプルストーリー2である必要があるのか?と言われれば、そうではないかもしれない。
MMOで求められている事というのは、大抵他のゲームでも実装されている事であり、新鮮さが無い。
しかしその全てが揃っており、尚且つこのかわいいグラフィックで気軽な難易度で楽しめるというのはメイプルストーリー2だけのものかもしれない。

このゲームの評価はMMOに何を求めているかで随分変わると思う。

筆者としては、ほぼ満点だと思うのだが、別のMMOから移り住むほどの物では無いとも思う。

いつかメイプルストーリー2だけの特別なコンテンツが生まれるのを楽しみにしたい。

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