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コラム(8日)、古色蒼然の立民、問われているのは無党派層へのアピール

野党第1党、立憲民主党の代表選日程が確定した。泉健太代表の任期満了に伴う代表選挙で、投開票は9月23日に決まった。自民党総裁選挙の日程はまだ正式に決まっていないが、9月の下旬、代表選挙と同じ頃に実施されるだろう。20日説がすでに一部で噂されている。NHKは「立憲民主党としては、自民党の総裁選挙に近接させる形で実施し、野党第1党として政策論議をアピールする機会にしたい考えです」と解説する。これを読んで感じたのは「立民はやっぱり、自民党と付かず離れずの政党だ」という第一印象だ。立憲民主党が意識するのは常に自民党。自民党への対抗心といえば聞こえはいいが、実態は自民党を裏返したかのような古色蒼然とした体質の政党だ。自民党に敵対しているように見えて、実は自民党に寄り添っている。自民党と同様に、有権者目線などどこにもない。都知事選の蓮舫敗戦の教訓は何一つ生かされていない。

都知事選挙における蓮舫氏の予想外の敗戦は、一言で言えば組織優先の旧態依然とした古い体質だ。前にもこの欄で書いたが、蓮舫氏はせっかく立憲民主党を離党して古臭いくびきから解放されたのに、相も変わらず立民体質そのままの選挙を繰り広げた。離党して無所属になったのだから党に縛られることなく、無党派層を標的にした政策なりアピールをすればよかったのに、無所属の優位性などそもそも発想になかったのだろう。立民にも共産党にも縛られることなく、自分のやりたい政策をストレートに発信すればよかったのだ。だが、蓮舫氏はそもそも無党派層をどうやって取り込めばいいのか、アプローチする手段すら思いつかなかったのではないか。その結果、政策などほとんど語らず、ひたすらI Tを駆使した選挙戦を繰り広げた石丸伸二候補にも投票数で抜かれ、第3位に転落した。選挙の標的は組織ではなく有権者だ。有権者の多くが既成政治、既成政党に飽々しているのだ。

立民内部ではいま代表選挙に出馬する候補者を巡って血みどろの派閥闘争が繰り広げられている。旧来の派閥による駆け引きに加え、小沢一郎氏による泉降ろしの“ミニ・クーデター”が進行している。かつての剛腕も最近影が薄くなっているが、「政権交代のラストチャンス」と見て旧態依然の立民体質に楔を打ち込もうとしているようだ。結果がどうなるかわからない。ただ、現在の立憲民主党を見ていると、来るべき総選挙で一大ブームを巻き起こしそうな期待感はまるでない。泉代表も周辺もその点は肝に銘じるべきだろう。立憲民主党という政党に決定的に欠けているのは、時代を見抜く願力だ。裏金疑惑の自民党と比較して相対的な優位性を強調したところで、無党派層は誰一人ついてこない。必要なのは大衆の心を鷲掴みにする政策、例えば大幅減税とかベーシックインカムの導入といった、国民生活に直結するような政策の公約だ。なのに・・・、期待するだけ無駄か・・・


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