乳がんのリハビリ
●乳がん術後の肩の問題に対する対応
乳がんの術後、特に腋窩リンパ節郭清が施工された患者では胸壁や腋窩の切開部の疼痛とか他の運動障害を認め、屈曲・内転よりも、外転・外旋で特に障害が重度になります。
・瘢痕収縮⇒突っ張り感、痛み、圧迫感
・腋窩郭清による腋窩部の痛み、つっぱりやしばしば切除される肋間上腕神経の損傷によるしびれ、感覚障害
・術後2~3w後に上腕から前腕にかけてのひきつれ(モンドール病)
これがあると、肩を動かさない不動の状態が続き、その結果として二次的な癒着性関節包炎
●リンパ浮腫の治療の原則
1)日常生活の注意とスキンケア
・就寝時は患肢を高めに保つ(15cm)
・重い荷物はできるだけ持たないようにする
・長時間の立ち仕事や座位での仕事、正座は極力避ける
・患肢に点状ないし斑状の発赤、または一面に及ぶ発赤が現れ患肢の熱感、発熱がでたら早く受診する…易感染性だから。運動、マッサージや圧迫療法は一時中止。
・保湿クリームを使用
2)徒手的リンパドレナージ(MLD)
・表在性のリンパ系のリンパ輸送を活性化させる。
3)圧迫療法・圧迫下での運動療法
・①組織間の圧力を上げて、組織感に貯留したリンパを効果的にリンパ系へ移動させること、②拡張したリンパ管を正常に近い状態まで細くして弁機能を改善させ、リンパ韓流を改善すること、③繊維化下皮膚や皮下組織を軟らかくし、元の形状に戻す