朽ちないサクラ
思いっきりネタバレしますので、ここから先見る方は程よくネタバレ気にせずに記しているので、ネタバレに関してはご自身の判断でお願いいたします
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映画での感想
前日に原作読み終えてからの鑑賞
ネタバレした状態で愉しみ倍増だった
冒頭のシーンから殺害シーンで度肝抜かれる
ここから始まるんだ…
不穏な空気から喧騒の中、呆然としている泉
動と静の対比が分かりやすく、2時間程度の映画の中で詰め込みすぎず、原作との設定の違いもあるけれど、その分視覚から演者の目の動き、仕草から感じ取れて一気に動き出す
ずっとサクラが蕾から満開に咲いていて、満開の中での泉の佇まいが圧巻のシーン
それぞれの正義
朽ちないサクラの意味
モヤモヤする部分もある
だからこその泉の決意
最初の泉の屈託のない表情からの決意の厳しい表情
「その時は思いっきり笑ってください」
そこが全てなんだろうな
登場人物ごとの備忘録
森口泉(杉咲花)
親友と仲良く他愛もない話でケラケラ笑い合っていたのに、社会人になりお互いの職場での立場から、ふとした一言が2人の信頼関係を崩してしまうその気付いた時の焦りから裏切られたと怒り
そして親友の突然の死からの茫然自失
そこから親友の死の真相へ突き進み、現実に打ちのめされる
そこからの立ち上がりまで総じて全ての感情の機微がスクリーンから突き抜けてくる圧倒的演技力
磯川俊一(萩原利久)
いい感じで後輩感があって、泉ちゃんを慕っていたけど、原作よりもしっかり守っていく強さを感じたのは、萩原さんの目なんだろうな
安田顕さん、豊原功補さんと厚みのある中で、ちょうどいい若手感でありつつ、受け入れる優しさがあって泉ちゃんを支えるアシストが絶妙
富樫隆幸(安田顕)
この人はいい人と悪い人の両極端を巧妙に操ってくる
優しい言葉で近づいて気付いたら全て奪っている詐欺師、いや悪魔的存在
大好きな俳優さんだからこそ、全幅の信頼の演技力
最後のあの目力は映画館で堪能してほしい
チビってしまうんじゃないかと思うくらい微動だに出来ない
梶山浩介(豊原功補)
こちらも大好きな俳優さん
ニヒルな役が似合うんです
一見クールで冷徹で嫌な奴だけど本当は熱く不器用な男くさい役を演じたら最強無敵
泉ちゃん、富樫さんと3人でのベランダでのシーン、犯人を追い詰めるシーンでの眉間の皺に痺れる
兵藤洋(駿河太郎)
飄々としていて嫌な奴だけれど、片口を開けて話す嫌味な感じがキーってさせるが流石です
どこか頼りない人もハマるのに、ふり幅えげつない
津村雅子(藤田朋子)
娘の死で打ちひしがれているのに、最後泉ちゃんを受け止める優しい笑みにこっちまで泣きそうになった抑えた中での慈愛の空気に救われた
辺見学(坂東巳之助)
病んでいる表情が目から背中から全身から漂っていて最後まで報われなかったのが印象的