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食品のリサイクル
日本フードエコロジーセンターさんという、
廃棄食品のリサイクルを行っている企業さんの工場見学に行った。
大学の授業でフードロスの話題が取り上げられた際、教材として扱われた取材動画の中に少し映っていた工場で、どんな取り組みをされているんだろうと気になってなんとなーく会社名を検索してみたところ、ホームページに工場見学の記載があった。
めっちゃ行ってみたいと思い立って3日後に行くことを決め、都合が合ったかなとりんかをさそってを誘ってお邪魔した。
かなは中高の同級生で、大学に入ってから同じものに関心があることがわかって、さらに仲が深まった。信じられないくらいピュアでハッピーオーラの溢れる彼女らしい視点は、環境問題に対してつい重く暗く受け止めがちなわたしをいつも前向きなきもちにさせてくれる。
りんかはかなの紹介で出会った時からずっと、エネルギッシュでとにかく行動力がすごい。へ〜こんなのあるんだ、いつかやってみたいな〜 とわたしがぼんやり思ってるそれをやってる。わたしには来ないいつかがりんかにはくる。(金継ぎ、藍染、バンジージャンプetc…) すごいの。
ふたりから学ぶことはすごく多いのです。
いつもありがとう
すっっっごいおもしろかった。
まずこんなに直接、堂々と、作業の風景を見せて頂く経験なんて初めてだったので、そこから。
なんだか小学校のときのよく分からないまま訪れた社会科見学を思い出した。
目に写るもの全てが新鮮で面白かった。
貴重な経験に感謝しています。
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手前で廃棄物をつぶし、
奥で不純物が入っていないか確認する
まだ賞味期限内・消費期限内の廃棄予定の食品をスーパーや食品工場から引き取って、養豚用の餌に加工をする事業を展開してる。
その一連の流れも徹底された思いがたくさん詰まっててすごく素敵だった。
そもそも家畜のエサとして全体的に1番多く使用されているのはトウモロコシで、その値段はどんどん高騰しているそうです。またそのうちの大半は輸入品で肥料自給率が圧倒的に低い。コストのかかる輸入に依存しているこの現実は、畜産経営者にとっても深刻な問題となっていると教えて頂いた。
また年々問題になっている、全国的な廃棄物処理費における食品ロスの割合も増加傾向にある。家庭ごみの3割は生ごみと言われている例もある。水分量が多くて燃えにくい特性を持つ生ゴミは、焼却処分をすると多く二酸化炭素を放出するらしい。
現代を象徴する大量生産大量消費故に生み出されるメカニズムがここに大きく現れているのかなと思った。しかも人が生きる上で絶対に欠かせない、食 という分野において。逆に言えばシンプルで分かりやすい
前提としてこの2つの問題を並べてみても、ここに従事する日本フードエコロジーセンターさんの取り組みは社会に大きく貢献していると言える。
(わたし的)日本フードエコロジーセンターさんの素敵ポイント
①取引先との信頼関係
【 to 食品関連事業者 】
大抵の場合は焼却をするほうがコストが上がってしまうため、こちらに廃棄食品を持ち込むことによって食品関連事業者には処分にかかるコストを削減することができるメリットがある。
(例外になるのは23区等。焼却施設やそれに伴う廃棄物の多い地帯では、安く処理できるため焼却に回してしまう企業が多い)
とはいえここに持ち込むには、包装紙を外さなければならない・胡椒やカレー粉など持ち込み禁止の食品に規定があったりと規制も多くある。
その手間をかけてまでもこの手段を選ぶ業者さんはその時点で環境貢献の意識が高いといえる。とおっしゃっていた。
食品ロス、と聞くと、どうしてもこのような廃棄を出す生産者が悪いと考えがちだけれど、消費者のニーズに合わせて生産をしていたら今の社会、廃棄が出てしまうのは仕方がないこと。
その先に循環するシステムを選んでいることが大きな一歩だ。
とおっしゃっていた。響いた。
だからこそ悪者にうつらないようにするため、取引をしている畜産農家は公表しても食品関連業者さんは公表しないそう。
やっぱり私がいち消費者としてできることは、手にとったおにぎりがどこから来たのか、売れ残ったその仲間はどこにいるのか、知ろうとすることなのかなあ。
それから、入荷する廃棄食品の受け入れをする食品関連事業者は、ほとんどが距離の近い圏内に工場を構える。
向こうに受け入れを希望されても、位置関係的に道中にかかる環境コストがこちらに送るよりも低いと判断した場合は、近くの焼却処理業者さんで廃棄することを勧めているそうです。
すごい徹底ぶり。
【 to 畜産農家 】
完成した肥料を取り扱う畜産農家さんには、その農家さんごとのニーズに沿った餌作りをしていて、一緒にこれを混ぜてほしいなどの要望にも応えているそう。ただ細かい微調整などはどうしても出来かねないので、そこは農家さんにお任せをして各々でやってもらうにお願いするそうです。
信頼関係が成り立っているからこそできること🫶
②肥料のあれこれ
家畜のエサとして与えられるものは、
一般的に太らせる目的が含まれているものなど様々な薬が入ってる確率がとても高いのに対して、ここで作られるエサはもとは100%人間が食べるように作られたものだから安全性がとても高い。まずそこでメリットがひとつ。
ちなみにこの肥料を使用して育てた実際の豚肉は、社食として食堂でも出されているんだって。循環するメカニズムが目に見えて分かりやすいので、社員さん方にとってもやりがいを促す良い効果とおっしゃっていた。
では、具体的にどんなものが入ってるのか?
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野菜から果物、菓子パンやお惣菜、
ご飯やスパゲティなどの炭水化物までありとあらゆるものが入ってる。
手順としては
運搬
↓
搬入物の軽量
↓
原料投入
↓
選別作業
↓
破砕
↓
殺菌
↓
発酵・冷却
↓
肥料運搬
※
・運搬は保冷作用の備わった専用車による
・食品を洗い流しながら投入していく際に使う水は、一切捨てずに肥料に混ぜる
・乾燥肥料ではなく液体肥料にすることでより環境負荷を抑えることができる
・よく聞く恵方巻きの時期など入荷の比率が多くなるときはあらかじめ備える
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豚の食いつきが悪いなどの報告があった時に原因を調べられるように、このように作成後10日分は工場内で保管される。
日によって混ぜるものも割合も全く変わってくるから、餌の品質向上には欠かせないことの一つ。
③地域に根付いた事業
持ち込まれた食品の中には、一つ一つ個別包装がされているもの(菓子パン等)も含まれる。その容器包装を剥がしていく作業は、近隣の就労支援施設と委託契約を結び、障がい者の雇用の場に利用されている。
そしてこの事業は、人がたくさんいて消費量が多い土地が近くにあることが前提で成り立つもの。
今後は発電事業を広げて地域により貢献することを目指しているんだって。
ちなみに
肥料>堆肥>エネルギー ってかんじで、
肥料にすることが食品のリサイクルをする上では1番栄養をそのままの形で循環できるらしい。
初めて知った!
④会社のポリシー
『食品ロス』に、新たな価値を。
をキャッチフレーズに掲げ、2005年の開業当時から今日まで、一日も休まずに事業を進めてきた日本フードエコロジーセンターさん
”工場内のどこをみてもらっても構いません”と、定期的に実施されている工場見学では、ものすごくご丁寧に、柔らかい物腰で、それでいて的確に説明をしてくださった。
「今後さらに食品ロスが見直される社会になって、受注発注生産が当たり前になったりして廃棄のない社会になっていったらどうされますか?」
と聞いてみた。
「今後近くはないと思うけど、もちろんそうなる未来が来たら本望です。そうしたらこの会社はこの事業を辞めて、また他の事業を始めます。」
なんだこの10000000点くらいの回答は って思った。
どうしてそんなふうに言い切れるの、なにその発想、わ、すごい、すてき、ほーーーーー、新しい、それだ、みたいな、いろんな言葉にならない想いが頭を駆け巡りながら、マスクの中で口を開けて何度も頷きながら聞いてた。
なんか、表現があっているのかどうかわからないけど、本物だ。って思った。
SDGsやサスティナビリティという言葉が流行る世の中、それをビジネスチャンスだと捉える考え方もたくさん溢れているわけで。
結果的に向かうところは同じなのだから、どっちも尊重しているし、どれが良くてどれが悪いとかはほんとに何もない、それは変わらないんだけど。
どうしても、ビジネスが先行する事業を目の前にすると居心地が悪くなってしまう自分がいた。ビジネスだったり、企業イメージだったり社会的な責任感からだったり。
経済を回しながら貢献することが1番大きなインパクトを与えられることも理論上は理解できるんだけど、どうしてもそこに心や思いはないように感じてしまって、あまり賛同したいと思えなくなってしまう。
こんな風に、細部までポリシーに徹底して、胸を張って発信しているの、かっこいい。そういうものに価値を感じる。
あくまでわたしの価値観で、わたしのものさしにあてた考え方だけど、ここでお話を伺ったことでもやもやがスーって消えた気がする。ぐにょぐにょだったものさしに張りが出たような感じ。それを自分で知れて良かった。
そこにどんな思いがあるのか どんな心があるのか
見えにくいことだからこそ、知りたいと思うし、大切にしたい。
そういうことができる人間でありたい。
綺麗事で終わらせたくないので、もっといろんなことを知ってその上で選択をしていきたい。
、、、とか、なんとなーく思う。