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【猫壱】CEOインタビュー〜世界中の猫たちに愛されるブランドへ〜 #創業から未来へのストーリー
猫壱代表の竹内 淳(Jun)さんにインタビュー!猫壱の成り立ちやこれまでの道のりを教えていただきました。
竹内 淳(Jun)
株式会社猫壱 代表取締役社長兼CEO
台湾で過ごした幼少期に、父親の周りの経営者に強い影響を受け、起業家としての道を歩むことを決意。台湾の大学を卒業後、2005年に拠点を日本に移す。ユニ・チャーム株式会社でマーケティングに出会い、商品を通じて暮らしが豊かになることを実感。2008年に猫壱を創業し「猫にとっての壱番、猫が壱番」という想いのもと、猫用つめとぎ・爪切り・玩具において多くのヒット商品を開発し、継続的な成長を実現。2021年にはペット業界で初となるAmazonのTV CMに出演。更に大きなビジョンを実現するため、2023年にMOON-Xグループに参画。
https://note.com/moonx/n/n624d9ea1e6f5
元は犬派だった?!猫用品に注目するまでの経緯
ーー創業のきっかけと背景について教えていただけますか?
幼い頃から弟のKo(現Necoichi US CEO)と「いつか一緒に会社をやりたいね」と話していて、30歳までに起業すると決めていました。ユニ・チャームでマーケティングをしていた時期に起業を本格的に考え始めていたのですが、将来性を感じた分野がペット用品市場でした。
2008年、猫壱の前身となるD-cultureを立ち上げ、アメリカのペット用品メーカーの日本総代理店として事業をスタートしました。その後順調に売上を伸ばしていきましたが、安い商品を大量に販売して売り上げていこう、というアメリカの考え方に方向性の違いを感じていました。そこで、ペットにも飼い主にも本当に良い製品を届けるため、2013年に「猫壱」を立ち上げたんです。そのタイミングで弟も入社して、一緒に事業を進めることになりました。
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ーー猫用品に着目するようになったのはなぜですか?
代理店事業時代に、日本で製品を広めようとした時に気づいたんですが、当時の猫用品市場は本当に限られていました。日本はまだ猫ブームが来る前で、ほとんどのグッズが犬と兼用のものでした。実際に店頭でお客様と接してみると、猫の飼い主さんは選択肢が少なく、犬用の商品を代用したり、消去法で選ばざるを得ない状況でした。「猫専用の可愛いデザインがあれば」という声を聞くようになり、自分たちで猫用品を企画・販売しようと決めたんです。
ですが、実は当時私は犬を飼っていて、猫に関しては正直詳しくありませんでした(笑)そこで、猫の行動や気持ちを理解するため知り合いのブリーダーさんから一匹を迎え入れました。最初は、クールで懐かないと思っていたのですが、一定の距離を保ちつつ、こちらを見守る姿に「そういう愛情表現なのか」と気づきハマってしまいました。今は二匹の猫と暮らしていて、自分たちが作った製品で遊んでいる様子をみたり、試作品を使っている彼らの反応をみるのがたのしみです。
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ーー猫壱を立ち上げてからの商品開発について教えてください。
最初に手掛けたのはベッドにもなるハウス、次はトンネル型の猫のおもちゃでしたが、正直あまりヒットしませんでしたね(笑)アメリカの商品を少し変えた程度のものだったので、このままではだめだ、と以降はデザインも美しく、機能性にも優れた「こんなのが欲しかった」と思っていただける製品をめざしました。
そうして次に発売した脚付フードボウルが大ヒットし、その後もバリバリボウル、猫用の爪切りなど、ヒット商品を生み出すことができました。特に脚付食器は大きな反響を呼び、当初は500個売るのに半年ほどかかると見込んでいたのですが、2024年時点で累計270万個を販売するヒット商品となりました。販売初期には、オーダー数が予想を超え「数が一桁多いのでは?」と得意先に問い合わせたのを覚えています。
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徹底的な猫視点・飼い主視点の商品づくり
ーー猫壱ブランドがヒットした要因はなんでしょうか
猫壱では常に猫や飼い主さんの視点を重視し、妥協せず製品を作ることを大切にしています。たとえば『猫が嫌がる前にスパッと切れる爪切り』は、多くの猫が爪切りを嫌がるため、少しでも不安を和らげられるよう、飼い主さんが使いやすい形にこだわりました。岐阜県関市の刃物職人さんと2年3カ月にわたり共同開発し、刃の厚さは0.1ミリ単位で調整しながら、理想の形を追求したのです。試作品を使って自分の猫たちの爪を切り続けた結果、切った爪の本数は2千本を超えたと思います。
こだわり抜いた結果、価格は他社の2倍以上となり、売れないかもしれないと覚悟していましたが、多くのお客様にご愛用いただき、「2本目を購入した」という声もいただくほどです。おかげさまで、今では猫用爪切りの業界シェアNo.1を獲得するまでになりました。
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あとは、お客様の声に真摯に向き合ってきたことが大きいと思います。マーケティングの経験から、生の声が商品開発に欠かせないと感じていましたので、製品開発の段階で、猫に詳しい猫ブロガーさんや保護活動に携わる社員の方々の意見を取り入れ、試作品を見ていただくなど、飼い主さんと猫に寄り添った製品作りを徹底してきました。
今でこそ高さのある自然素材の食器が一般的ですが、当社が脚付の食器を発売した当時は、平たいプラスチックやステンレス製が主流で、脚付き食器は珍しいものでした。それが多くの飼い主さんの口コミやご意見のおかげで広まり、いまでは多くの方に知っていただけるようになりました。
また、11万人を超えるInstagramのフォロワー様や2万人以上の猫壱会員の皆様からも、アンケートを実施し改善点などをフィードバックしていただいています。現状に満足することなく、常に皆様と一緒に進化し続けている、つまり猫壱はお客様とともに作り上げてきたブランドなんだと自負しています。
MOON-Xと組み、世界中の猫たちに愛されるブランドへ
――そんな中、2023年にMOON-Xと統合されました。グループへの参画を決めた背景や理由を教えてください。
きっかけは、コロナ禍で“おうち時間”が増え、猫壱が猫の生活用品市場でナンバーワンを目指せる位置まで来たことです。さらに上を目指すのか、これで良しとすべきか悩みましたが、挑戦しないといずれはジリ貧になると感じ、成長を選ぶことにしました。
当時、当社は8名の小規模体制でしたが、競合には数百人規模で年商100億円以上の企業も存在しました。商品やマーケティング面で自信はありましたが、組織力で戦えるのかという不安もありました。そんな折、知り合いの経営者から「強みを伸ばし、弱みを補完できる戦略的なパートナーを見つけるのも一つの手」とアドバイスをもらい、M&Aの可能性を考え始めました。今までM&Aに対してはなにかギラギラした企業買収というイメージしかなかったのですが、戦略的提携の可能性がつかめるのなら考えてみようと思ったのです。
ーーなぜ多くの会社の中からMOON-Xと統合することを決めたのでしょうか
多くの会社と面談する中で、正直モノやお金としてみられている感覚があったこともあるのですが、MOON-Xは私を人として見てくれているというか、尊重してもらっているという感じを受けました。代表のShinさんとはお互いに生い立ちの話をしたり、創業時の苦労を聞いたりと、何度も話をしているうちに、「一緒に猫壱のブランドを成長させていきたい」という熱意を感じ、この会社なら信頼して共に歩めると確信しました。
――統合後の社内の変化やご自身の役割への影響はいかがですか?
統合後、猫壱の社員数は倍近くに増え、社内はとても活気にあふれるようになりました。私自身も商品開発に集中できるようになり、以前の「組織の課題」を一緒に改善していけるという希望を持てるようになりました。今後、アジアや欧米市場を含む海外展開にも挑戦していきます。夢を諦めずに挑戦できる今の環境にとてもワクワクします。
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ーー最後に、今後の展望を教えてください
これからも『猫ファースト』の姿勢を大切に、猫と共に暮らす方々の生活がもっと楽しく、豊かになるような製品を届けていきたいと思っています。これまで多くのお客様や猫たちの声から学び、私たちの製品が人と猫の絆を深める手助けとなることを実感してきました。これからも猫壱は、皆様と共に成長し、進化し続けるブランドでありたいと考えています。さらなる品質とデザイン性を追求しながら、今後は国内外を問わず、世界中の猫と猫と共に暮らす方々に喜んでいただけるブランドを目指します。長年培ってきた経験と情熱を活かし、より多くの方々に愛される猫壱を皆様と共に作り上げていきたいと心から願っています。
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