DTM用語:ディレイとは
■はじめに
そもそもディレイ(Delay)とは、時間的な遅延や延期を意味します。ゲームやネット配信など様々な分野で利用される言葉ですが、ここではもちろん反響音をシミュレートするエフェクターを指します。
■ディレイとは
反響音をシミュレートする空間系エフェクターです。入力された音を遅延させ、繰り返し再生することで山びこ効果を再現します。
似たエフェクタにリバーブがありますが、リバーブは原音と反射音の区別がつかない残響音なのに対して、ディレイは原音と反射音の区別がつく反響音となります。
また、ディレイにはアナログディレイとデジタルディレイがあり、アナログディレイはディレイ音が柔らかく曖昧なのでアンサンブルに、デジタルディレイはディレイ音が硬く明瞭なので打ち込みに適しています。
■ディレイの奏法
1.ショートディレイ
ディレイタイムを100ms以内に設定した短めのディレイです。アルペジオに利用されることが多く音に広がりを与えます。また、フィードバックを1回、エフェクトレベルを原音に近づけることで、あたかも2本のギターで演奏しているようなダブリング効果が得られます。
2.ロングディレイ
ディレイタイムを200ms以上に設定した長めのディレイです。バッキングやギターソロに利用されることが多く、タメのあるエコー効果が得られます。
3.付点8分ディレイ
ディレイタイムを付点8分音符のタイミングにしたものです。8分音符で弾いたものがあたかも16分音符で弾いているかのように聞こえ、幻想的かつ奥行きのあるフレーズになります。
■ディレイの設定
ディレイには、品質はもちろん機能や性能によって様々なものが存在しますが、少なくとも遅延時間を設定するTIME、音量を設定するLEVEL、繰返し回数を設定するFEEDBACKは搭載されています。
また、あらかじめ決められた機能に切り替えられるMODEや、反響時間を秒数ではなく音符にて設定出来るBPMなども多くの機種に搭載されています。
■ディレイタイムの求め方
ディレイタイムを求めるには、まずBPMから1分間の小節数を求める必要があります。BPMは1分間の4分音符数であり、1小節には4分音符が4つ(4拍)あるため、1分間の小節数はBPMを4で割れば求められます。
1分間の小節数がわかれば、次に1小節の秒数を求める必要があります。BPMは1分間つまり60秒の4分音符数なので、1小節の秒数は60秒を1分間の小節数で割れば求められます。
この1小節の秒数が全音符のディレイタイムです。ただし、ディレイタイムはミリ秒表記なので、秒数に1000を掛けてやる必要があります。
この全音符のディレイタイムをもとに、8分音符のディレイタイムなら8で、16分音符のディレイタイムなら16で割れば、それぞれの音符に見合ったディレイタイムが求められます。
これらをまとめると、例えばBPM=120の曲における8分音符のディレイタイムは下記のように求められます。
ちなみに、付点が付く場合はその音符のディレイタイムを1.5倍にすることで求められます。
同様に、3連符の場合はその音符のディレイタイムを2/3倍にすることで求められます。
■おわりに
最後まで読んで頂き有り難うございました。あくまで個人的備忘録ですが、何かしらの参考になれば幸いです。