見出し画像

DTM用語:デシベルとは

■はじめに

そもそもデシベルとは、電力や電圧または音圧を相対的に表した単位です。それぞれdBm、dBu、dB SPLと呼ばれ区別されていますが、ここではもちろん音圧を意味するdB SPL(Sound Pressure Lebel)を指します。

■デシベルとは

音圧を相対的に表した単位です。ある音圧を基準として、その音圧が相対的にどれくらいの大きさかを表したものです。

デシベル:ある音圧を基準として相対的に表した音圧の単位

音圧とは、音が伝わる媒体にかかる力(空気にかかる圧力)であり、本来はパスカル(Pa)という単位で表されます。しかしながら、人間が聞き取れる音圧は0.00002Paから20Paと1,000,000倍もの開きがあり、そのままでは扱いづらいためデシベル(dB)を使って相対的に表すようになりました。

音圧:音が伝わる媒体にかかる力(空気にかかる圧力)
音圧の単位:パスカル(Pa)
人間の可聴範囲:0.00002Pa~20Pa

相対的に表すには基準となる値が必要です。デシベルは、人間が聞き取れる最も小さい音圧である0.00002Paを基準つまり0dBとしています。

0dB:0.00002Pa(人間が聞き取れる最も小さい音圧)

■デシベルの求め方

デシベルはxを比率として20*log(x)で求められます。例えば比率が10倍ならば20*log(10)=20dB、比率が100倍ならば20*log(100)=40dBとなり、20dBごとに比率が10倍になるという特性を持ちます。

デシベルは20ごとに10倍となる(dB=20*log(比率))

これをもとに、デシベル(dB)を比率で表すと下記のようになります。

0dB:1倍
20dB:20*log(10)=10倍
40dB:20*log(100)=100倍
60dB:20*log(1,000)=1,000倍
80dB:20*log(10,000)=10,000倍
100dB:20*log(100,000)=100,000倍
120dB:20*log(1,000,000)=1,000,000倍

また、パスカル(Pa)で表すと下記のようになります。

0dB:0.00002Pa
20dB:0.0002Pa
40dB:0.002Pa
60dB:0.02Pa
80dB:0.2Pa
100dB:2Pa
120dB:20Pa

ただし、DTMではここまで大きなデシベルは扱わず、多くは10dB前後となるため、6dB=2倍および12dB=4倍さえ覚えておけばこと足ります。

6dB:20*log(2)=2倍
12dB:20*log(4)=4倍

ちなみに、対数の加算は比率の乗算で求められます。例えば6dBと6dBを加算した12dBは2倍と2倍を乗算した4倍、20dBと40dBを加算した60dBは10倍と100倍を乗算した1,000倍のように求められます。

対数の加算は比率の乗算で求められる

■DTMにおけるデシベル

DTMで扱うデシベルは、デジタルで表現可能な最大値を0dBとしたものとなります。

DTMにおける0dB:デジタルで表現可能な最大値

これをデシベルフルスケール(dBFS)と呼び、0dBFSを越える音はハードクリップつまり激しく歪んでしまうため、いわゆる潰れた音となります。

0dBを越えるとハードクリップが発生する(音が潰れる)

そのためDTMでは、0dBを越えないよう常にマイナス値を扱うこととなりますが、その比率は変わらず、-20ごとに1/10倍となります。

デシベルは-20ごとに1/10倍となる

ただし、現実にはそこまで音を下げる作業などまずありえず、多くは-10dB(-1/2~-1/4倍前後)前後を扱うのが一般的です。

DTMで扱うデシベルは-10dB(-1/2~-1/4倍前後)前後

■おわりに

最後まで読んで頂き有り難うございました。あくまで個人的備忘録ですが、何かしらの参考になれば幸いです。

乱筆乱文にて恐縮ですが、よろしければ今後の活動資金をサポートして頂けると助かります。