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Software:Utsbox MIDI Tool 2

■はじめに

Utsbox MIDI Tool 2 とは、フリーのギターコードストローク生成プラグインです。いわゆるストラムに特化したツールであり、手動で行うには相当な手間が必要となるストロークの打ち込みを、キースイッチによりいとも簡単に実現してくれる有り難いプラグインです。

■Utsbox MIDI Tool 2のダウンロード

Utsbox MIDI Tool 2は公式サイトにて無料でダウンロードすることが出来ます。方法は簡単で、下記のサイトからUtsboxMIDITool2_v1.6_2(2024年10月現在)を選択するだけです。

■Utsbox MIDI Tool 2のインストール

ダウンロードしたら解凍してUtsboxMIDITool2.vst3フォルダを下記の場所に移動します。

C:\Program Files\Common Files\VST3

■Utsbox MIDI Tool 2の実行

Utsbox MIDI Tool 2にスタンドアロン版はありません。Cubase Elements 13などのDAWからプラグインとして読み込むことが出来ます。

■Utsbox MIDI Tool 2の使用準備

1.Utsbox MIDI Tool 2の読み込み

インストゥルメントトラックを作成して、インストゥルメントにUtsbox MIDI Tool 2をセットします。

2.音源の読み込み

インストゥルメントトラックを作成して、インストゥルメントに再生したい音源をセットします。

3.音色の設定

再生したい音源を設定します。ここではSampleTank 4のParlor L Pick Down-Up KSを設定しました。

4.MIDI 入力の設定

再生したい音源のモニタリングをONにして、InspectorにあるMIDI入力にUtsbox MIDI Tool2 - EventOutput 1を選択します。

ここまでが、Utsbox MIDI Tool2を使用するための必須準備となります。

■Utsbox MIDI Tool 2でストロークを作成する

例として下図ようなカノン進行をUtsbox MIDI Tool2にて作成する方法を記しておきます。

1.Utsbox MIDI Tool 2の表示

まずはUtsbox MIDI Tool 2を読み込んだトラックにあるインストゥルメントを編集ボタンをクリックしてUtsbox MIDI Tool 2を表示します。

2.Utsbox MIDI Tool 2でコードを作成

次にコードパレットにあるC2のEditをクリックしてコードを作成します。フレットを直接クリックして作成することも出来ますが、今回はすでにコードが分かっているため、コード一覧からあらかじめ登録されているコードを選択していきます。

同様にC#2のEditをクリックしてGを、D2のEditをクリックしてAm、D#2のEditをクリックしてEm、E2のEditをクリックしてFを作成しました。

3.ストロークパターンを入力する

鉛筆ツールで8小節のパートを作成してピアノロールエディタを開き、1小節だけC3にストロークパターンを入力します。ここで注意したいのが、Utsbox MIDI Tool 2は中央のドをC4として作られていますが、Cubaseは中央のドがC3となっていることです。つまり本来C4~F5に割り当てられているストロークおよびピッキングキーはC3~F4に割り当てられていると読み替える必要があります。※いちいち考えるのが面倒なので表にしてみました。

つまり、C3にストロークパターンを入力するというのは、すべてダウンストロークで弾くという意味になります。

せっかくなのでコード弾きらしくアップストロークも交えると以下のようになります。

以後7小節すべて同じパターンのためコピペにより8小節完成させます。

4.コードを指定する

ストロークパターンだけではもちろん意味が無いので、それぞれにコードを指定していきます。コードの指定はUtsbox MIDI Tool 2で作成したコードパレットの左にある音階となりますが、これまたCubaseは中央のドがC3なのですべてオクターブが1つ下のものを指定することになります。

つまり、カノン進行はC→G→Am→Em→F→C→F→Gですから、1小節目にC1を、2小節目にC#1、3小節目にD1、4小節目にD#1、5小節目にE1、6小節目にC1、7小節目にE1、8小節目にC#1を入力していくこととなります。

ちなみにコード指定は次のコードが指定されるまで反映されるので音符の長さはなんでもいいです。※ここでは8分にしています

5.再生してみる

どうでしょう?ストロークパターンとコード指定だけでこうも簡単にコードストロークを再現出来るのは感動ものです。ただし、この状態ではあくまでUtsbox MIDI Tool 2ありきのものでしかないため、これを通常のMIDIデータへと変換する必要があります。

6.MIDIデータへと変換する

MIDIデータへと変換するには音源をセットしたトラックを選択して録音するだけです。

録音が終了すると音源をセットしたトラックにMIDIデータとして和音が作成されたのがわかります。

拡大してみると、ストロークに応じて各弦のアタック開始位置が絶妙にズレているばかりか、ベロシティまでちゃんと変化してくれていて至れ利尽くせり。これで無料なんですから作者様には足を向けて寝られません。

後はUtsbox MIDI Tool 2をセットしたトラックを削除して終了です。作成されたMIDIデータはもちろん通常通り編集出来るので好みに合わせて微調整することが可能です。

■おわりに

最後まで読んで頂き有り難うございました。あくまで個人的備忘録ですが、何かしらの参考になれば幸いです。

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ツキシロ
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